その3 駅員さんのおしごと(1)


 勤務の体系があらましきまり、各新人さんもそれらしく駅員さんをやるようになります。

 私が勤めていた駅は大きな駅だったので、小さめな駅だと、やらなければならない「メシ作り」とかは、勤務の都合上できず、解釈を変えると「やらずに済み」ました。

 駅の出退勤関係、今は、完全週休2日制、さらに時短だとかで、随分変わったようですが、私がいたころは隔週週休2日で、こんな感じでした。

・循環勤務

曜日(例)
勤務 本番 非番 本番 非番 長日勤 週休 週休

*本番は朝9時〜翌朝9時(2日分) 非番はその明け、長日勤は7時〜21時(1.5日分)
というわけで、1週間で5.5日、2週間で11日(週休3日)という勤務になります。

・一昼夜交代

曜日(例)
勤務 本番 非番 本番 非番 週休 本番 非番
本番 非番 週休 本番 非番 本番 非番
週休 本番 非番 本番 非番 週休 本番
非番 本番 非番 週休 本番 非番 週休

*本番と非番は同パターン、4週間28日で、6日の週休というパターンで隔週週休2日というパターンになります。また、10年以上前のおはなしですので、現在の勤務ではありません♪

 このスタイルだと、本番と言っても、早寝だと、11時まで業務をして、そこから就寝、始発列車を立ち会い、9時までの勤務になります。また、終列車まで立ち会ったメンバーは、6時まで就寝し、そこから勤務になります。

 主任、助役レベルになると、終列車まで立ち会って、始発列車も立ち会う・・・というシフトもあるのですが、大変なりにも、「深夜増務」という割のいい時間外勤務がそれなりにつき、1回だとわずかでも、これが重なると結構な増務になり、身入りはいいようでした。

 早寝と遅寝、どっちがいい?・・・と聞かれるとこまりますが、どのみち、若い衆は、それなりに睡眠時間が確保されることは保証され、翌日の9時に勤務が終了し、終了点呼が済めば、おやすみと同じ様な状況になります。

 だから、結構時間ができるのです。

 で、酒飲みに行くヒトもいれば、とっとと家に戻り、メンバーとドライブに興じたりする者もあり、寝たりないと言うヒトは、家で寝たりと、結構時間的には楽な者がありました。

 ただ、土曜とか日曜になりますと、デパート関係で、人出が多くなり、しかも定期外と言うことで、午前中は、乗り越しの精算、夕方にはお帰りの乗車券でものすごく混みます。

 そういうわけで、出札要員、改札・ホーム要員ということで、本来と別枠に、昼間専用の勤務ワクがあります。

 補充要員のワクってやつですが、これが、結構楽だったりきつかったりするのですが、やっぱり、貧乏な若い衆、時間外勤務で小遣い稼ぎになったりします。

 まぁ、とにかく、時間がいっぱいあって、のんびりしてても・・・と言うこともあり、仕事嫌いな人でなければ、大体時間外勤務に走ってましたね。

 気合い入っていると、労働組合の協定で決まっている「80時間」のワク、めいっぱいに時間外を計算して、あと○時間・・・みたいな感じでやるんですよ。

 で、その、天井とも言えるレベルの給料を、社内貯蓄もせず、大体使い切っちゃう・・・

 若さ故の過ちというか、楽しみというか、とにかく遊んだ2年間でした。