その4 駅員さんのおしごと(2)


 さて、前回は、駅員さんの勤務関係のおはなしでした。

 今回は、駅員さんになるとこんな事をやっているという、テクニック編(?)です。

 駅に入ると、まず最初に覚えさせられたのが「パンチ」の持ち方でした。

 あれだけは、体になじませないとガンガンパンチできないので、どうしても必死こいて覚えます。

 お陰様で、いまだに、そこいらの若い衆だったらまだ勝負になるだろう速度は出せるんじゃないかと言うくらいパンチはOKな感じです。なにせ、今や、駅員さん、パンチ持つことないですしねぇ・・・都市圏は自動になってるし、イナカはスタンプ(ゴミが出ないですからね)になってますから・・・

 ちなみに、「オレ、駅員やってたんだ」とか言って、パンチを入れるジェスチャーをしたら、そいつはモグリだと、私なんかは勝手に認識しております(爆)

 というのは、パンチ空ウチするスタイルより、体には「くるくる回す」「飛ばす」のスタイルの方が時間があるときは多かっただろうからです。

 棒でも持ってるようなスタイルで手首回してみたり(パンチを回転させてるしぐさ)、握手でもするようなスタイルで手首を上下させるスタイル(パンチを上方に投げてキャッチするしぐさ)の方が、本職としてはリアルかと思います。

 ちなみに、その経験者は、大体ペンチなんかを持っても回したり飛ばしたりしております♪

 そして、集札。

 これ、大都市圏では、すでに自動改札になっているのでぽろっと言えますが、駅員、ほとんど定期の券面なんか見てないと思います。

 たまに券面をまじめに見てる人もいますが、若い衆か、メチャクチャ動体視力のいい人くらいです、現実に、券面、見えるよ・・・というメチャクチャ鋭い先輩はいました。

 私なんかは、そんなに視力がいいわけでないので、通るヒトの定期の券面ではなく、それの出し方で、チェックしておりました。

 身に覚えのあるお客様は、大体、券面、駅名の片一方とか、日付を隠してたりしてます。

 そういうお客様には、もう一度「丁重に」見せていただいて、正当乗車だったらそれでOK、そうでなかったら、不正乗車として精算所にご案内するわけです。

 だから、居直って、堂々と見せられれば、案外、不正でもアタマの中で正当乗車になっちゃったりするモノで、通り過ぎて3〜5秒、たしか、あれ区間外だったよなぁ・・・ってのがなかったわけでもないです。

 でも、イカサマは、高くつくからやめましょうね♪

 次がお金の持ち方ですかぁ・・・

 切符を売るときに、お釣りを出すわけですが、小銭は、「棚」に乗ってるわけです。

 そこから、100円玉○枚、10円玉○枚、あと50円玉・・・みたいな感じで棚に載っているお金を人差し指でチャッチャッと1枚ずつ取って親指・中指に挟み、はい、380円のお釣りねぇ・・・とか言いながらチャチャチャチャチャチャッチャッ・・・としゃべり終わるのと同時くらいにお金を取り終わる・・・そのくらいの速度がないと、大きな駅の出札はちょっとねぇ・・と言うことになるのでした。

 ただ、その調子で出札ができると、券売機より速くお客様を流せるという強みがありまして、売る方も気合い入りでやってた記憶があります。

 あとは、大きな駅だった関係で、ホームの放送なんかも数こなしました。

 お陰様で、リングアナウンスみたいな放送、やれぇい・・・と言うリクエストがあれば宴会芸としても大体OKです。 それと、ホームにいると、電車の接近、発車後に線路状況を見ちゃうクセ、これは鉄道屋をやめて4年になる今でも、体が勝手にやっちゃいます。ひどいときは、手が出そうになって、その自分にビックリしたモノです。