とよティーの喫茶室
 

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■ソーラーライト奮闘記 (2/3)

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(11)商品テストの結果が出たが・・・

 国民生活センターから問い合わせがあって後、ちょうど1ヶ月ほどして、消費生活センターから「国民生活センターの商品テストの結果が出ました」と連絡があり、その結果を口頭で伝えられました。ところが、その結論は私の期待をまったく裏切るものでした。あるいは「何となく嫌な予感」がしていた部分が的中したようなものでした。

 

 国民生活センターから消費生活センターに届いたというテスト結果の中身は、要するに次のような内容です。

 ○私が持ち込んだライトを詳しく点検すると、太陽電池パネルと充電池との間のハンダが剥がれていた(回路に問題あり)。

 ○充電池を新品と交換したらLEDが点灯した(充電池に問題なし)。

 ○ハンダを修理して太陽電池と充電池を接続し、太陽電池に1400ルクスの光を24時間当てると、充電池の電圧が1.4Vから3.8Vに上昇した(充電機能に問題なし)

 ○以上のことから、点灯しなくなった原因は太陽電池パネルと充電池との間のハンダが剥がれたためである、というのです。

 

 消費生活センターの担当職員は、「そういう結果ですので、製造販売元に連絡して、善処してもらってください」と言って電話を切ろうとします。私は噛み付きました。「製造販売元に連絡して善処してもらってください、とはどういうことですか?」と。すると担当職員は「商品テストで商品の問題点がわかりましたので、あとは製造販売元にこの結果をお伝えして、良品と交換していただくなど、直接ご相談下さい、ということです」と答えます。つまり消費生活センターとしては、もうこれ以上関わるつもりはない、と言いたいわけです。それでは何のための「消費生活センター」なのか分かりません。いったい誰の立場に立っているつもりなのでしょうか。

 私はさらに続けました。「この商品テスト結果は、要するに私が持ち込んだライトに不具合があった、ということを言っているだけですね。この商品一般に存在する欠陥部分には何ら答えていませんよ。インターネットで調べてみれば、私が持ち込んだものと同型のソーラーライトがすぐ壊れたという報告がいくつもあります。今回持ち込んだライトの販売元を突き止めるために電話した土産物問屋の人も、『自分も使っていたがすぐに点灯しなくなった』と言っていました。私が今回消費生活センターに相談に行ったのも、このライトが問題事例の多い商品だということがわかったからです。それなのに国民生活センターはそういう事情について何も分かっていませんね。調べようともしていないでしょ?

 それに、そもそも比較対照のために製造販売元から見本を仕入れたということでしたが、製造販売元が送った見本と比較するとはどういうことですか? なぜ一般に市販されている同種の商品と比較しないのですか? 製造販売元に見本を送らせれば、慎重に良品を選んで送るでしょうから、それとの比較では私が持ち込んだ商品の故障しか見えてこないのは当然ですね。」と。

 そうして、「ともかく、今回の商品テストの結果について、このように口頭で聞くだけでは納得いきませんので、改めて文書で渡していただきたい」と要求しました。担当職員は、「文書で回答できるかどうか、国民生活センターに問い合わせて返事する。数日待ってほしい」と答えるので、そのようにお願いして電話を切りました。

(12)商品テスト結果が文書で届いたが・・・

 それから1ヶ月ほどして、商品テストの結果が文書で届きました(下記画像/PDF版)。しかしその内容は、小学生の夏休みの自由研究かと思うほど簡単なものでした。

 

(13)消費生活センターに質問状

  商品テストの結果を文書で入手したことによって、口頭で伝えられた内容よりも正確で詳しい情報を得ることができた点はとても良かったと思いますが、そのぶん多くの疑問が噴き出しました。そこで、この商品テスト結果に対して質問をぶつけることにしました。数日かけて結果をじっくり分析して、次のような質問状を作成し、郵便局から配達証明便で発送しました。 (下記画像/PDF版)。

 

 

                                                           2011年5月17日

宮城県消費生活・文化課長 殿

                                                             (住所)
                                                             豊永敏久

 このたびはお世話になっております。過日は商品テストを実施していただき、またテスト結果を文書でお送りいただき、ありがとうございました。
 しかし、お送りいただいたテスト結果については、多くの点で納得ができません。消費生活センターおよび国民生活センターは消費者を保護するために設置されている行政機関であるはずなのに、かように疑問の多いテスト結果をお送りいただくとは大変残念です。具体的に下記のとおり不明の点を質問しますので、回答いただきますようお願いします。
なお、平成23年5月11日付の通知に添付されていた文書を、以下「調査結果」と略記します。また質問文の文体が常体(である調)となっている点は、記述の煩雑さを避けるためですのでご容赦下さい。

                                  記

 1 調査(1)で、「テストには販売元である株式会社ヤマモトから苦情同型品を購入した」とある(調査結果1ページ本文)。商品テストの対象として販売元に同型品の提供を求めた場合、通常市販されている商品よりも良品が意図的に選択される可能性があると考えられる。消費生活センターや国民生活センターは、苦情同型品を販売元業者から購入して行った対照実験の信頼性について、どのように認識しているか。

 2 調査(1)で、苦情同型品の商品表示が示されている(調査結果2ページ表1)。この中で「本品の装着・使用時に発生した事故や故障及び破損については責任を負いかねます」との記載がある。一般論として「故障について責任を負わない」とする商品表示に問題はないか。

3 上記2と関連するが、販売元である株式会社ヤマモトは「この商品は電化製品ではなく玩具に過ぎない。事故や故障及び破損については責任を負いかねるとも表示している」と弁明している。「玩具なので故障しても責任を負わない」という弁明に問題はないか。

 4 調査(2)で、「苦情品の電池の電圧は3.8Vまで上昇し」た、と記載されている(調査結果3ページ本文および表2)。このことから、「苦情品の充電池には過充電などの不具合やその可能性はなく、機能的に全く問題はない」と言えるのか。

 5 調査(2)で、「苦情品の電池の電圧は3.8Vまで上昇し」た、と記載されている(調査結果3ページ本文および表2)。しかし次の調査(3)では、実験開始時点の苦情品の電池の電圧は2Vと表示されている(調査結果5ページ表3)。この違いはなぜ生じたのか。

 6 調査(3)で、実験開始から「24時間後」の時点で(正確にはスイッチをOFFにする直前に)、実験に使用した苦情品および苦情同型品のそれぞれのLEDは点灯していたのか。

 7 調査(3)で、実験開始から「48時間後」の時点で、実験に使用した苦情品および苦情同型品のそれぞれの充電池の電圧は、「LEDを満足に点灯するに十分な水準を回復していた」と言えるのか。

 8 調査(3)で、「ソーラーパネルを遮光しないものは電池の電圧が時間の経過と共に徐々に上昇し、2.3Vだったものが72時間経過時には3.5Vになった」と記載されている(調査結果4ページ本文および表3)。このことから、「苦情同型品のソーラーパネルには充電池の電圧をLED点灯に必要な水準に長期間保つ能力があり、機能的に全く問題はない」と言えるのか。

 9 調査(3)で、「200ルクスの光を照射しながら24時間スイッチを押した状態にし」たと記載されている(調査結果4ページ本文および図1)。200ルクスの光を24時間照射できる環境は、通常の日常生活ではありえない。「ソーラーパネルの電池を充電させる能力」を正確に調べるためには、もっと日常生活に近い使用状態(例えば1時間点灯して1時間充電する操作を数十日間繰り返すなどの条件)で実験をするべきだったのではないかと考えられるが、そのような実験をしなかった理由は何か。

 10 上記9とも関連するが、販売元である株式会社ヤマモトは、私からの問い合わせに対して「1時間の充電で1時間LEDを点灯させることが可能で、約300回(もしくは約1年間)の満充電が可能」と回答していた。今回の調査結果から「その回答は確かである」と言えるか。

 11 調査の結論で、「ソーラーパネルの電池を充電させる機能が落ちて」いると記載されている(調査結果5ページ本文)。ソーラーパネルの充電機能が落ちた理由(原因)として考えられることは何か。

 12 調査結果には、苦情品の電気回路図の記載がない。分析しなかったのか。分析しなかったとすれば、その理由は何か。

 13 調査結果には、LEDが満足に点灯するのに必要な電圧が何Vなのか記載がない。分析しなかったのか。分析しなかったとすれば、その理由は何か。

 14 調査結果には、この商品にソーラーパネルが付いていることによって、付いていない場合に比べて、充電池が消耗してLEDが点灯しなくなるまでの期間がどの程度長くなるのか記載がない。分析しなかったのか。分析しなかったとすれば、その理由は何か。

 15 調査結果には、ソーラーパネル単独で(内蔵の充電池を介さずに)LEDを点灯させることが可能かどうか記載がない。分析しなかったのか。分析しなかったとすれば、その理由は何か。

 16 上記8、11、14、15とも関連するが、仮に、@ソーラーパネルの充電機能は短期間で低下するとか、Aソーラーパネルには充電池の電圧をLED点灯に必要な水準に長期間保つ能力がないとか、Bソーラーパネル単独ではLEDを点灯させることができない等の事実があれば、ソーラーパネルはせいぜい充電池の電圧が低下してLEDが点灯しなくなるまでの時間を少し延長する程度の機能しか果たしていなかったことになる(隠れた瑕疵)。その場合この商品は「ソーラーパネルが付いているので充電池は充電され続け、あるいは充電池が消耗した後もソーラーパネルだけで点灯させることができるゆえ、長期間にわたって使用できる」と考えて購入した消費者(少なくとも私自身)の期待に反したことになる(もし販売元がその可能性を認識していたとすれば詐欺罪を構成する可能性もある)。消費生活センターや国民生活センターは、その点についてどのように認識しているか。

 17 私は、貴消費生活センターの指導に従い、販売元業者を特定するため、複数の卸問屋に納入元を問い合わせたが、その際、ある卸問屋の主人は私の話を聞いて、「実は自分も同じようなソーラーライトを犬の散歩の時に使ったことがあるが、すぐに点灯しなくなった。ソーラーパネルで充電する構造にはなっているようだが、ほとんど機能していないようだ」と言っていた。またインターネットで検索してみると、同型ライトが使用後まもなく点灯しなくなったという情報も複数存在する(下記)。これらの事実から、同型品のソーラーライトは潜在的に多くの消費者の期待に反し迷惑を与えていると推測される。消費生活センターや国民生活センターは、その点についてどのように認識しているか。
http://plaza.rakuten.co.jp/hoihoi123/diary/201003260000/
http://rof-factory.sytes.net/weblog_R/diarypro/index.cgi?mode=comment&no=121
http://noriyuki.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/led-6b7f.html
http://ameblo.jp/amechabu/entry-10677727047.html
http://rifle.blog.so-net.ne.jp/2011-01-18

 18 私は、消費生活センターや国民生活センターはこの商品について何らかの行動をとる(例えば注意喚起情報を発するとか、販売元業者を指導するなどの)必要性があると考えるが、消費生活センターや国民生活センターは、その点についてどのように認識しているか。
                                                                  以上
 

 

 

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2011/05/19 初版

2011/06/06 追記

2011/08/12 追記