10年ほど前に甲府市自治基本条例策定の過程に参加いたしました。その時感じたことは、甲府市内外の経済関連団体が市政運営に少なからぬ影響を与えているということでした。
3年程前、3.11の東日本大震災の時と前後して、リニア中央新幹線建設の話が急速に進み、地方自治体・商工会議所等の経済関連団体が中心となったリニア中央新幹線建設促進期成同盟会なるものの動きも、急に慌しくなりました。マスコミの報道も推進一色です。この点、建設予定地沿線住民の不利益が当然想定されたはずなのに、県議会・市議会とも当時の反応は鈍いものでした。
甲府市の自治基本条例では、「市民」の定義の中に企業等の団体も含まれていますが、企業群の利益を最優先し、個々の人としての住民をないがしろにするような行政運営では、「公平で平等な地域社会」(自治基本条例前文)をつくるとは到底言い難い状況ではないでしょうか。
甲府市の本来最優先されるべき使命は、人としての「住民の福祉の増進」であり、企業群等の利益追求に奉仕することではありません。税収や交付金等の確保はあくまでもそのための手段に過ぎないはずです。
ところで、個々の異を唱える住民パワーを抑え込むためでしょうか、経済的・対内的強制(マネーを使った管理・統制)による国家主義的同調圧力が、地方自治体や地方の経済関連団体、更には地縁の団体等々、様々な分野に及びつつあり、個々の住民の主張・異論を押し潰す傾向にあります。ここ数年のリニア推進の動きはそのことを如実に示しています。
時代は激変しています。個々の住民もそれぞれの対応を迫られているのです。そこで私は以下のように考えます。
究極的なセーフティーネットであり日本再生の礎となる地域コミュニティーの輪(必要最低限のモノ・コトは地域内で生産・流通・消費する地域自給経済圏)の構築を急がねばなりません。※
そして、住民一人ひとりが大切にされるコミュニティーを築き、誰もが人間としての誇りを持ち安心・安全に暮らすことができる地域社会を、皆さんと共に作ってゆきたいと思います。
一人ひとりは微力だが無力ではない。皆さまとともに頑張りたいと思います。
「もう一つの日本」
「おらんとうはエテ公?それともブロイラー?人間という選択肢はないの?」
1. 経済
経済成長至上主義からいのちを優先させる経済へ
2. 環境
自然との共生
3. 健康・福祉・医療
身土不二・医食同源
4. 教育
万物斉同・個の尊厳
5. コミュニティー
個の確立と住民自治