私たちがこれから準備すべき社会とは

 

森本 優

2013/01/05


 地震や洪水・旱魃・冷害等の異常気象が頻繁に発生し、世界を覆う経済危機と地域紛争の激化等から世界大戦さえ予感させる昨今、マスコミの情報操作に惑わされることなく私たちは、世の中に生じてくる様々な現象の背後で、どのような思惑・意志が働いているのかを冷徹な目で読み解き、しかるべき対策を今の内から取ってゆかねばならない。

 ところで国際金融資本・多国籍企業などというものも、見方によっては(ある勢力にとっては)所詮世界支配の手段・道具にしか過ぎない。すなわち弱肉強食の世界が行き着くところでは、世界的重層的支配秩序がほぼ固定化し、ごく一部の支配勢力とその他絶対的多数の奴隷(支配者から見れば犬・家畜の類)とが生じることになる。

 「犬」とは、その自らの本性の自覚の有無に関わらず、家畜とされる一般大衆を管理・統制・主導・洗脳して結果的に支配者に奉仕することになる者で、官僚・政治家・法律家・企業家・学者・評論家・マスコミ関係者等々、あらゆる分野に存在している。彼等はその役目において一般大衆より優越的な地位に立つが、やはり「奴隷」のまま。

 民主党前政権なり自民・公明党の現政権なりも、彼等の動きを見る限り、結局は「天の声」に従って踊らされる操り人形、すなわち「奴隷」でしか過ぎない。

 また同様に、大金持ちイコール「支配者」というわけでも当然ない。単なる金持ちも支配の道具、若しくはその現象に過ぎず、やはり「奴隷」でしかない。

 そして黄金の力を使って全てを直接的にも間接的にも重層的に従属させるこのやり方は、原子力政策においても如実に示されている。

 ところで世界の潮流としては、コスト的に原発は見限られる傾向にあるが、日本では、原発ムラの中で支配秩序が固定化され利権構造も強大となっているため、また長期に亘り政権を担った党が核武装の野心を持ち続けているため、更には、国民は衆愚であり優れた官僚が管理・統制・主導しなければならないといった伝統的価値観に官僚自身が染まっているため、等々、様々な理由からなかなか止めることは困難な状況。

 資本というものは、利益を求めて世界を駆け回るため、原発を輸出し放射能で輸出先の大地・海洋・大気等が部分的に汚染されることになるとしても、そのことに対しては無頓着。しかし、そこに住む住民にとっては死活問題となる。

 TPP等の背後にある新自由主義は、正に資本の論理を利用して世界的な支配秩序を実現しようとするものであり、国々の国境措置を撤廃させて、直接企業等を通して諸国民を支配し奴隷化することになる。その結果として一部の企業等は栄えることになるかもしれないが、大多数のものは苦境に晒されることになる。

 経済がグローバル化すればするほどその支配の網に絡め取られ、大半の企業体(経営者・労働者)はその支配の網にぶら下がり影響をまともに受けることになる。従って、その支配の恩恵(儲け・雇用等の目先の利益)に与るためにも、国に対して主権と地域の自立を放棄させ、それらの聖域を得体の知れないものに進んで明け渡すよう求めるようになる。※��

 弱肉強食の格差社会の中では、社会保障の充実を求める声が一段と強くなる。しかしその保障のかなりの部分が企業活動から落とされる金(資本のパン屑)によって支えられるようになれば、社会保障を求める者もその支配の網を受け入れざるを得なくなり自ら「奴隷」となる。そして生存権を保障してもらうために己の生殺与奪の権を「支配者」に委ねるため、景気の動向によって保障水準は不安定なものとならざるを得ない。

 更には、景気・雇用対策として軍需産業を解禁すれば戦争への誘惑が膨らみ、徴兵制が敷かれるなら、その格差社会の中で貧しい若者たちが真っ先にその供給源とならざるを得ない。

 

 己の欲のため経済恐慌・破綻を望む人たちがいる。更には戦争さえ望む人たちがいる。そしてその背後には、破局と破壊の後に強固な世界支配秩序を立てようとする人たちがいる。

 前述のような重層的支配構造の網とこのような意志とが混在する世界情勢の中で、私たちはどのようにして身を守ったらよいのか。

 

 考えられる方策として、先ず世界経済の影響を直接には受けにくい自給経済圏を国内外の各地域に自覚的に準備・確保し、互いに連携・協力し合う必要があると考える。

 ここではエネルギーを浪費したり、物を大量生産・大量消費したりすることは差し控えられ、見方によれば共産・共益・共貧の協働社会とならざるを得ない。しかし分かち合いの中で住民は精神的豊かさを保ち、一人ひとりが人として尊重される場が切り拓かれてゆくのではないか。

 自然を破壊し人びとを衆愚な家畜として扱う原発・リニア・大型公共事業等々はこの場には相応しくない。国民・住民の多くが疑問を抱いている中で、政・官・財・学・マスコミ等の利権集団が重要な情報をひたすら隠蔽して強引に事業を進める姿には、人間の業を映し出し一種の哀れみさえ覚えるが、一方、事業が頓挫してもその負担は全て物言わぬ家畜奴隷(国民)に負わせれば良いとする傲慢な思惑が透けて見えるのは私だけであろうか。

 

政策として※��

●地域レベルでは

 衣食住・エネルギー・医療・教育等の分野で雇用の場を地域内に創出する。

 地域内の資源を活かし地産地消を進め地域内の経済を活性化させる。

 同時に、地域内で創造的・独自的な技術・ノウハウ等を開発し、付加価値を付けてモノ・コト   を域外・海外に輸出する。

 コミュニティー内の相互扶助を根幹とした社会保障・人権保障を実現する。

 郷土愛を育むと同時に、他のそれぞれの土地・自然・文化・伝統を尊重する。

 女性の地位の向上に努め、能力を適正に評価する。

 情報の公開・共有を進める。

 

●国レベルでは

 地方分権を進め、国民・住民の生活を第一に考える。

 TPPなどの、国の主権を差し出し地方の自主性と文化・伝統等を破壊に導くような売国的条約に引き摺り込まれない。

 国の主権・独立を確保するため、米中に対しては等距離平和外交に徹する。

 表現の自由を守り、情報の公開を進める。

 

●世界レベルでは

 同じような理念の下、自給経済圏を準備・構築しつつある地域社会と連携し協力関係を結ぶ。

(全世界に支配の根を張り巡らす多国籍企業等の脅威に立ち向かうには、個々では駄目で、どうしても協力関係が必要になってくる。)

 また地域紛争を未然に防ぐためにも、民間レベルの情報交換や人的交流を密にする。

 

以上

 

 

※� �「私有財産」の起源とその発展」参照

http://www.asahi-net.or.jp/~jh4m-mrmt/A.philosophy/a-b-2.html

※�◆�西暦2010年の年頭に当たり地域・国家・世界・宇宙の各ビジョンを語る」参照

http://www.asahi-net.or.jp/~jh4m-mrmt/D.new/d-33.html


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