西暦2010年の年頭に当たり

地域・国家・世界・宇宙の各ビジョンを語る

 

森本 優

2010/01/12


 

2009/10/23 収穫前の「にこまる」の様子

ぐうたら新縄文農法で作り、収量は籾650kg/10a程でした

 


 

 宇宙の理法に則った生き方を基準にして、地域ビジョン・国家ビジョン・世界ビジョン・宇宙ビジョンをここに再提示したいと思います。(「地球連邦構想案」参照)

 

 私は、来るべき困難な時代を乗り切るためには、地域自給経済圏を全世界各地に準備し、それらが緩やかに連携してゆくことが必要だと考えています。

 

 

 地域ビジョン

 

 生命の尊厳を守りながら、生きてゆくのに必要で基本的なもの・ことは地域内で自給して雇用の場を確保し、貪欲な経済戦争で崩壊したコミュニティーの再構築を地域自身で図ることが必要です。

 その為には、効率と利潤を最終的な目的とするのではなく、事業を通して人と人とのつながりを再構築して人々の最高の幸せを求める地域協働社会が、その自給経済圏の主柱となっていなければなりません。

 今後加熱するグローバルな経済戦争の中で多くの企業は、コスト重視のため人的・物的資源と市場を海外に求めざるを得ず、地域内での当該企業の雇用は減少してゆくことは明らかです。

 その為、地域内に地域資源に着目した新たな産業を興し、雇用の場を創出してゆく必要に今迫られています。

 地域資源に関しては、地域差があると思いますが、一般的には農林水産物・観光資源・エネルギー源等々が挙げられるでしょう。

 特に、原子力に代わる新しいエネルギーの技術開発が進み、それがエネルギーの地域自給システムに組み込まれてくるようになれば、そのシステムを他の地域や海外に売り込むことで、地域においても大きな産業として育つようになるはずです。

 同様に、ものの輸出を中心に考えるのではなく、自治体・研究機関・企業等が協力し合って、高度な技術に支えられた水・農林水産物・加工品・情報・交通網等々の自給システムを、海外に輸出することを中心にして考えてゆくべきです。

 すなわち、システムに独自のもの・ことを組み込むことで、地域や企業等が取り組んできた経験・ノウハウが地域の知的財産となると同時に、日本のものづくりの技術・伝統も充分活かされることになります。

 更に、人材の流入と育成が進み地域自給経済圏のモデル地となるなら、内外からの視察旅行が絶えず、観光産業等に対する波及効果も大きなものとなるに違いありません。

 また、医療・福祉分野の立て直しに関しても、予防医学を中心に他の産業とも連携を取りながら、コミュニティー再構築の一環として考えてゆかなければなりません。

 このような地域発のビジネスモデルが育つならば、今まで地方から大都市に人材が集中してきたのが、その逆戻し現象として、優れた人材が地方に流れるようになり、地方は徐々に発展してゆくことになります。

 また、このようなビジネスモデルであれば、それは世界各地に地域自給経済圏を生み出す支援活動にも直結するはずです。

 

 以上のように、生きてゆくのに必要で基本的なもの・ことは地域で協働して自給し、コミュニティーを再構築してゆく必要があると考えます。

 

 

国家ビジョン

 

 地域自給経済圏を国の礎として各地に準備し、日本の再生を図る必要があります。

 自動車等のものを輸出する産業を稼ぎ頭とした大都市主導型の経済システムを脱し、内需中心の地域自給経済圏を幾つも国内に準備しておけば、大都市が世界的な天変地異や政治的・経済的混乱に翻弄されて機能不全を起こすことになったとしても、国の再生は比較的容易です。

 更に、自給システムを海外に販売しサポートすることは、貴重な外貨獲得の手段にもなると同時に、海外での水・食糧・エネルギー・難民等を巡る紛争を未然に防ぐ結果にもなるので、国の安全保障にも資することになります。

 以上の理由から、地域自給経済圏を準備するため、貿易の自由化に対してある程度の合理的な制約を課すことは当然認められるべきだと考えます。

 

 ところで、「リニア中央新幹線」による地域への経済効果への期待が大きく報じられています。

 しかし、報じられているほどの経済効果が本当にあるのでしょうか。減らされた公共事業の埋め合わせとして仕事を請けたいというのが推進団体の本音で、却ってまたまた大きな負の遺産を子孫に押し付けることにならないか心配です。

 高度成長時代とは反対に、今後人や物の移動量は減少せざるを得ません。更に企業の海外流出・人口の減少・高齢化等々を加えて考えるなら、乗車料金の高さとも相俟って、需要の動向はかなり厳しいものとなるのは明らかです。

 その上、少しばかりの乗車時間を短縮できたとしても、膨大なエネルギーを 浪費し環境を破壊することになるとしたら、地球並びに子孫に対する犯罪行為にもなりかねません。

 気候変動や環境に対する汚染・破壊等々、人類の生き残りをかけた困難な時代がこれから長年に亘って続くことが予測されている今、「リニア中央新幹線」の「夢」はあまりにも時代外れであり、無責任なものと言えます。

 国が関与する公共交通機関としての性質上からも、必要な情報は全て国民に開示し、将来的な国家ビジョンに照らして、果たして「リニア中央新幹線」は本当に必要なものなのかについて、国民の意見を真摯に求めるぐらいのことはすべきではないでしょうか。

 「リニア中央新幹線」の「夢」が現実に悪夢となってからでは手遅れなのです。

 

 

世界ビジョン

 

 世界各地の地域自給経済圏同士の連携により、水・食糧・エネルギー・難民等を巡る地域間・国家間の紛争を未然に防ぎ、人類の生き残りのために協力し合うことが必要です。

 地域間の顔の見えるグローバルなネットワークが地球市民の力を底上げし、投機家・兵器産業等の一部の者の思惑に踊らされることなく、世界の恒久平和を守り続けてゆくことが必要です。

 そして日本は、経済活動等を通じて世界各地の地域自給経済圏づくりを主導し、圧迫や恐怖と欠乏から免れた平和な協働社会を準備することになるため、アジア、否、世界の盟主として「名誉ある地位」(日本国憲法前文第二段)を得ることになります。

 

 

宇宙ビジョン

 

 宇宙を貫く理法、すなわちお天道さまに寄り添った生き方をし、地球を再生させることで地球人は、初めて銀河系宇宙人としての誇りある地位を築くことができるでしょう。

 文明の崩壊がはっきりと見え始めてきた今、万物に魂が宿るものとして自然に畏敬の念を抱き、お天道さまの意を汲み取りながら自然と共生してきた縄文人の心に、今こそ私たちは立ち戻るべきなのではないでしょうか。(「てるてるひめ物語2006」参照)

 

以上


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