第二章☆オリジナルストーリーを作ろう



 オリジナル(一次創作)作品というものは
 自由度が高い分だけ設定などが複雑で難しい部分もあります

 しかし、それだけ凝った物を生み出す事になり、
 長く創作を続ければ続けるほど愛情や愛着もわいて来ます

 作品は作者と共に年齢を重ねて成長して行くものです
 ゆっくりと焦らず、マイペースに付き合って行きましょう



1.何が書きたいのかを決めましょう


 まず、これを考えなければ始まりません
 最初は大まかなもので構わないので、どんな物を書きたいのかを決めておきます

 爽やかな青春ストーリか、甘く切ないラブストーリーか
 スリル満点のアクションや読者の意表を突く謎解きミステリー、
 思わず笑ってしまうようなコメディや、心躍る冒険のストーリーも良いでしょう

 どれか1つに絞るのも良いですし、複数を組み合わせても深みが出て来ます

 コメディとミステリーを組み合わせたり、
 冒険のストーリーに恋愛要素を組み込んでみたりと、実に様々な発展性があります


 しかし、現段階では大雑把に決めておいて構いません
 実際に作品を書いている内に新たに生まれたり付け足される要素も増えて来ます

 当初予定していた物とは全く違う展開に進んでしまう事もあるので
 初期段階であまり細かく決め過ぎてしまうと、
 思い通りの展開に作品が持って行けなかった場合に
 創作が行き詰ってしまうという可能性も出て来ます


 ある程度、柔軟性を持たせる為にも
 最初の内は簡単に方向性を決めておくだけにしておきましょう





2.作品の時代を決めましょう


 大きく『現在』、『過去』、『未来』、『異次元(別世界)』に分けられます

 現在だと学園モノや社会人モノなど、
 まさに現在に絡んだ設定での創作がし易いです
 身近なだけに自分の体験などを元にリアルな描写が出来るかも知れません

 過去だと時代物……例えば江戸や明治時代、
 中世ヨーロッパなどが挙げられます
 武士や貴族など、魅力的な題材はいくらでもあります


 未来だとSFがまず思い浮かびます
 機械やロボットを題材にして、宇宙や惑星を舞台に出来るでしょう

 また、特殊なのが異次元(別世界)です
 これは作品の舞台となる世界を全て自分で創り上げる『ファンタジー』です
 例えばドラゴンにさらわれた姫を救出する王子の話などは、このファンタジーに分類される事が多いです
 自由度がどこまでも高いために、作者の特色やセンスが最も表れると言えるかも知れません


 これらの時代も、1つに絞って創作しても構いませんし、
 複数を組み合わせてストーリーを築いて行く事も出来ます

 例えば過去と未来を行き来できるという設定で作品を作ったり、
 現在とファンタジーを組み合わせた設定で、
 一味違う世界観でストーリーを展開して行くのも良いでしょう





3.作品のテーマを決めましょう


 1.の内容と似ていますが、コンセプトを決めておく事は大切です

 簡単に言えば『この作品を通じて読者に何を伝えたいのか』です
 ……ちょっと大袈裟に書きましたが、作品にメッセージ性を持たせる事も大切です

 作品を読んだ人々に伝えたいこと、訴えたいこと、思って欲しい事
 来訪者に伝えるのではなく、自分の主張でも構いません

 例えば『家族愛・血は水より濃い』や『三角関係・愛と友情……私は友情を取る』、
 『上司と部下に挟まれて〜中間管理職は大変なんだ!!〜』など
 何か1つテーマを決めておくと、作品に一本筋が通って引き締まります





4.起承転結を考えましょう


 簡単に言えば4コママンガです

 始まる→行動する→山場を迎える→オチ(エンディング)
 という流れで構成されています


 『起』というのはストーリーの出だし部分であり導入部分です
 まず主人公の紹介や世界観の説明、
 登場人物や背景などについての解説を文章中に取り入れながら進めて行きます

 『承』は伏線的な役割です
 クライマックスに辿り着くまでの演出でシーンを盛り上げる為に必要です
 あまりネタバレにならない程度に文章中に取り入れて行きましょう


 『転』はクライマックス……要するに山場、最も美味しく盛り上がる部分です
 作品を通して伝えたいメッセージが最も強く現れる部分でしょう
 ここをいかに上手く書くかによって作品の印象が変わってきます

 『結』はラスト、つまりオチです
 ストーリーが進んだ結果、最終的にどうなったのか
 ここを上手く結んで終える事が出来ると、読み手も気持ち良く作品を読み終える事が出来ます
 しかし、うやむやな部分を残したり、よくわからない中途半端な終わり方をすると、
 読んでいる側もすっきりせず、後味の悪い感想を抱いてしまう可能性があります

 ――……が、むしろそれを利用して
 次回作への伏線を張ったり、読み手の解釈に全てを委ねるなど、
 作者のセンスによって様々な方向性を持たせる事も出来るでしょう





5.登場人物を決めましょう


 台本を用意したとしても、役者がいなければ何も始まりません
 ストーリーを彩る名役者たち……キャラクターを生み出しましょう

 まず必要なのは『主人公』
 これは、どんな設定やシナリオのストーリーでも必要になります
 主人公は作品の顔でもあります
 設定やキャラクターの背景などは特に念入りに作り込みましょう


 他に必要となって来るのは『主人公と最も近い距離にいる存在』です
 この場合の『近い距離』というのは精神的なものや、心の距離を表します
 『主人公の理解者』や『主人公が信頼している心の支え』とも言えるかも知れません

 主人公が困った時に相談したり、逆に主人公を心配したり気遣ったり
 時に優しく、時に厳しく主人公を支えてフォローする役割のキャラクターです

 恋人、幼馴染、親友、兄弟、家族、先生、上司……
 この人物をどんな設定にするかによって、作品の雰囲気も変わって来るでしょう


 作品を彩るスパイス的な『主人公の障害となる人物』の存在も欠かせません
 俗に言う『悪役』というポジションのキャラクターです
 主人公の魅力を引き立てたり、場面を盛り上げる演出となったり、
 また時にはストーリーの進行の伏線となったりと、なかなか侮れない存在です


 他にも『場を和ませるマスコット系キャラクター』や、
 『窮地になると助けてくれる知恵袋』、『主人公と悪役の橋渡しをする中立ポジション』、
 他にも『あまり目立たないけれど彩に必要な脇役』など、
 ストーリーに合わせて魅力的な登場人物を生み出して行きましょう




 それでは例として
 1〜5の内容を繋げて、簡単なストーリーを作ってみましょう


 『何が書きたいのか』
 ↓
 愛と冒険のストーリーにアクションを交えた物語

 『作品の時代は』
 ↓
 現代日本からファンタジー世界へ移行

 『作品のテーマは』
 ↓
 愛があれば世界や種族の違いも気にしない

 『登場人物は』
 ↓
 主人公、異世界人(親しい存在)、魔法使い(脇役)、魔物(悪役)


 『起承転結は』
 ↓
 起:主人公は現代の日本人。学生。毎日が退屈で面白くない
 (登場人物の紹介や状況などを解説)
 ↓
 承:魔法使いの仕業で突然、異世界にワープ。異世界人と知り合いになる
   異世界がどんなところか気になるので旅に出ることにする
 (登場人物が増え物語が進行し、クライマックスへの伏線)
 ↓
 転:旅先で主人公が魔物に襲われピンチに
   しかし異世界人が駆けつけ助けてくれる。そして好きだと告白された
 (スリルのあるアクション(戦闘)と甘い告白のラブシーン
  主人公が異世界人からの告白悩み、そして受け入れるという最も盛り上がるシーン)
 ↓
 結:異世界で旅をしながら二人で暮らす事にした。退屈さとも無縁な楽しい毎日を過ごす
 (結その1。ストーリーひと段落。めでたしめでたし)
 ↓
 結:しかし何故、魔法使いはワープの対象を主人公に選んだのか。この世界で何かやるべき事があるのかも知れない……
 (結その2。謎をあえて残し、続編への伏線を用意する終わり方)


 さあ、これで小説の土台は完成しました
 後は貴方のセンスで肉付けをして行くだけです

 貴方だけの魅力あるストーリーを生み出して下さいね




第一章☆WEBデビューするために必要なこと

第三章☆オリジナルキャラクターを作ろう




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