The Days of Multi第五部第10章 投稿者: DOM
The Days of Multi
第5部 Days with Serika
☆第10章 天才少女香織 (マルチ25才)



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<おもな登場人物>

 柏木耕一  鶴来屋の副会長。
 柏木芹香  耕一の妻。来栖川グループの会長。
       仕事の関係で、耕一と別居を余儀なくされている。
 柏木香織  耕一と芹香の娘。高校一年生。
       容姿は芹香そっくりだが、明るく活動的、やや脳天気。
 マルチ   耕一の妻(のひとり)だったが、自発的に身を引き、芹香の秘書をしている。
 リナ    量産型マルチ。来栖川邸のメイドロボ。
 長瀬綾香  芹香の妹で、長瀬源五郎の妻。元エクストリームの女王。
 松原葵   東風高校エクストリーム部の創始者。現在は自分で道場を経営している。
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 果てしなく広がる緑の草原。
 そこかしこに咲き乱れる美しい花々。
 さわやかな風。
 うーん、いい気持ち…

「…柏木君。」

 私を呼ぶ声がする。
 誰かしら?
 この気持ちのいい風景の中に、私以外の姿は見えないけど?

「…柏木君。」

 ほらまた。
 変ねえ。一体だれ?…って、この感覚… 前にもあったような…
 ま、まさか!?

「柏木君!」

「は、はいぃぃ!!」

 やっぱり。目の前には怖い顔が…



 あうう… 転校二日目にして、早くも居眠りしちゃった。
 …くすん、だって… ゆうべもまた夢を見て、寝不足気味なんですもの…

 無意識のうちに、うるうるした上目遣いで先生を見ていたらしい。

「う… こほん、その…
 君、ずいぶん余裕があるようだが…
 さ、35ページの最初から読んでみたまえ。」

 マルチお姉ちゃん仕込みの必殺ポーズに、先生はたじたじとなった。

「はい!」

 挽回のチャンス!

「昔、男ありけり。その男、身を要なき者に思ひなして…」

「…よろしい。そこの訳はどうなるかね?」

「はい…」

 すらすらすら…

「うむ。…なかなか上手な訳だ。
 …まあ、もう少し授業に集中するよう、気をつけたまえ。」

 ほっ。どうやら助かったみたい。



「では、20ページに戻って…
 岸田君、三行目から読んでみたまえ。」

「は、はい。…え、えーと…えーとー…」

「…どうした?
 それじゃ、いつまで経っても終わらないぞ?」

「はい、あの… えー、と、おー…」

「わかった、もうよろしい。座りたまえ。
 今度からちゃんと予習をして来るように。
 …柏木君、今のところも、ついでに読んで訳してくれないか?」

「え? …は、はい!」

 私は慌てて立ち上がると、ページをぱらぱらめくる。

 すらすらすら…



「おい、今度1−Bに来た転校生って、凄いんだってな?」

「ああ、見たこともない美少女だって…」

「それだけじゃないぜ。
 すっげー秀才だそうじゃないか?」

「おう。英語も古典も、ぶっつけですらすら訳しちまうんだと。」

「んでもって、授業中は余裕で寝てるっていうし。
 …ったく、半端じゃねーな。」



「今度転校して来た柏木は、なかなか優秀のようですな?
 クラスのだれもわからない問題を、ただひとり解いてみせましたし、
 しかも完璧な解答でしたよ。」

「お、数学もですか?
 私の授業でも、教科書を見ながら、その場で訳をしていたようです。
 これがやはり完璧で。」

「私の時は、居眠りをしておったので、ひとつ懲らしめてやろうと、
 まだ当分やらない予定のところを当ててやったのですが…
 何と、これもぶっつけで答えてしまいました。
 まったく、あいた口がふさがりませんわ。」



 何だか、噂の的になっているような気がするけど…気のせいだよね?
 そんなに目立ったことはしていない…はずだ。
 …などというのは、甘ーい考えであることを、とくと思い知らされるのであった。



 午後。体育の時間。

 どこからか、ひゅーひゅーいう声がする。
 最初のうちは気にもとめてなかったんだけど、

「いよっ、柏木ぃ、いかすぜぇーっ!」

「ナイス・プロポーション!」

「柏木さーん! こっち向いてぇーっ!」(男子の声である)

 なんて野次が混ざっているのに気がついた。

 見ると、ある教室−−自習時間らしい−−の窓から、男どもが顔を出して、盛んに口笛を鳴らした
り、野次を飛ばしたりしている。

(ふん、ガキどもが…)

 パパに比べられる男なんかいるわけないけど、この連中と来たら、足もとにも及ばない…ううん、
比べるのがパパに失礼なくらいの存在だわ。
 …やれやれ、ママやマルチお姉ちゃんと違って、この学校で初恋の相手を見つけるのは、どうやら
不可能のようね。
 しっかし…二日目で、どうしてこんなに名前が知られてるんだろう?



 今日は走り高飛びだ。
 私の番になる。
 大した高さじゃない。余裕で飛んできれいに着地。
 とたんに、どっと歓声が…さっきの教室の男どもだ。いちいちうるさいわね。
 バーが次第に高くなるに連れて、落伍者が出て来る。

 …やがて、私を含む三人が残った。
 さらにバーが高くなる。
 私の前のひとりが飛ぶ。…失敗。
 私の番。…クリア。また歓声。
 最後のひとりが飛ぶ。…失敗。
 …私ひとりになっちゃった。

 また少しバーが上げられ…

「あの、先生。」

「何だね?」

「はい。
 あの、小刻みに高さを上げて行くと、
 何度も飛ぶのが時間の無駄ですので、
 もう少し、多めに上げていただけませんか?」

 私ってせっかちなのかなあ?

「ほう?」

 先生は面白そうな顔をして、

「それじゃ、ここへ来て、
 自分でいいと思う高さまで上げてみたまえ。」

「よろしいですか? それでは、失礼します。」

 私は、エルクゥの力に目覚めた関係か、特に力を解放していなくても、結構足腰のバネがあるのだ。
 自己最高記録が何センチか覚えていないが、大体の目分量で高さを合わせる。

「おいおい…」

 先生が呆れたような声を出す。

「本気でそれを飛ぶつもりか?」

 あれ? 間違って高くし過ぎたのかな?
 スタート地点に戻りかけていた私は、ちょっと困った。
 しかし、今さら直すのも面倒だし。
 …まあ、飛べなかったら飛べなかったで、そのときのことだ。

「はい。確かこれくらいが、飛べるか飛べないかの境目だったと…」

「飛べるか飛べないか?
 …じゃ、じゃあ、試しに飛んでみなさい。」

 先生は半信半疑だ。

 すーっと息を吸い込むと、思い切って走り出した。
 バーが近づく。かなり高い。
 やっぱり間違えたのかも知れない。目分量って、結構いい加減だから。
 思いきりジャンプ。
 体をひねらせながら、バーを越える…
 背中がバーに触れた。ヒヤリ。
 完全に体が越えた。着地。
 私は振り返った。バーが揺れている。落ちるかな?
 次第に揺れが小さくなる。ほっ、どうやらうまく飛べたみたい。
 先生は呆気に取られている。
 何だかみんな固まっているみたい…?

 沈黙。

 ちょっと…だれか何か言ってよ?

 ややあって…ウオーッという、怪獣のうなり声のようなものが聞こえてきた。
 先生が、クラスメートの女子が、教室に鈴鳴りの男どもが、一斉にうなったようだった。



 放課後。

 帰ろうとすると、教室にどやどやと上級生の女の子が何人か入って来た。

「今度転校して来た柏木さんって、あなたね?」

「はい、そうですが?」

「あなた、陸上部に入らない?」

「は?」

「いや、水泳部こそ、あなたの素質を十分に活かせる場所です!」

 別の女の子が力説する。

「あ、あの…?」

「ぜひ、わがエクストリーム部へ!
 うちは男女合同だから、いろいろチャンスがありますよ!」

「チャンスって…?」

「あなたのような美しい人に、野蛮な格闘技は似合いません。」

 もうひとり、どことなくお嬢様風の人がそう言った。

「女子体操部です。
 これ以外に、あなたが選ぶべきクラブはありませんわ。」

「はあ…」

 私は呆気に取られた。

「では、入っていただけますのね?」

「あ、いえ…
 私、部活をする気、ありませんので…」

 来栖川の家で、メイドロボのリナさんにお料理教えてもらう方が楽しそうだ。
 とたんに回りから起こる、ええー、そんなあー、もったいねー(女か?)という声。

 私は必死に断わり続けたが…
 陸上部とエクストリーム部だけは、ともかく一度顔を出す、という約束をさせられてしまった。
 陸上は梓お姉ちゃん、エクストリームは綾香お姉ちゃんがやっていたと聞いていたので、何となく
心引かれてしまったせいだ。



「それじゃ早速。」

「え? これからですか?」

「今日あいてるんでしょ?」

 ううーん… まあ、どうせ断わるんなら、早い方がいいか。

「それでは…」



 まずは陸上部。

「柏木さんは短距離と長距離、どっちが得意?」

「えーと…短距離だと思います。」

 長距離なんて、まともに走ったことがない。

「そう? 100メートルのタイムは?」

「ええと…最近計ったことがないので…」

「じゃ、良かったら、計ってみる?
 何だったら、体操服に着替えて…」

「いえ。このままで結構です。」

 着替えたが最後、抜けられなくなりそうだ。

「そのまま?」

 私はうなずく。
 この学校の制服は、スカートが短めなので、ちょっと心配だが…まあ、100メートルなんてあっ
と言う間だし…

「先生ーー! この子がさっき言ってた転校生です!
 ちょっと100メートルのタイムを計りたいと思いますので…!」

 離れた所にいた先生が、わかったと手をあげる。

「よーい…スタート!」

 声に合わせて飛び出す。

 風になる感覚…
 確か、梓お姉ちゃんがそう言っていたことがある。
 走っているとき、自分は柏木梓ではなく、一陣の風になる。
 何ものにも縛られない自由な風に。
 柏木家の宿命も、何もかも忘れて、風になる…と。
 高校時代の思い出を語りながら、瞳を輝かせていたお姉ちゃん…

(気持ちいい…)

 ほんとに風になったみたい…
 瞬く間にゴールを過ぎたが、まだしばらく風になっていたい私は、スカートの裾が翻るのも気にせ
ず、グラウンドの端まで一気に走り抜けた。

(結構いいかも…)

 ちらっとそんなことを考える。私って状況に流されやすいのかな?

 ゴールに戻ると、先生が固まっている。
 勧誘に来た子が先生の傍に来て、タイムはいかがでしたか、と聞いた。
 先生ははっと我に帰ると、

「こ、こりゃ凄い…
 高校女子の日本記録まであと一息だ!」

 ええっ、とまわりから声が上がる。

「き、君! 名前は!?」

 先生が慌てて聞いた。

「柏木香織です。」

「柏木香織君か…
 ん? 柏木?
 …ええと、君は転校生だと言ったね?」

「はい。」

「前の学校はどこ?」

「隆山第一高校ですけど…?」

「隆山… それじゃ君は、
 昔隆山高校にいた柏木梓選手と、ご親戚か何か?」

「梓お姉ちゃんをご存じですか?
 …柏木梓は、私の父の従妹ですが?」

「なるほど… そうかそうか、やっぱり。
 …うん、有望だ、大いに有望だ。
 君、是非、陸上部に入ってくれたまえ!
 そうすれば梓君も喜ぶだろう!?」

「あ、いえ、あの…」

 私は断わりきれず、とりあえず明日もう一度顔を出す、ということでようやく放免してもらえた。



 私が陸上部の皆に囲まれてしきりに勧誘を受けているのを、不安そうに眺めていたエクストリーム
部の女の子ふたりは、「お待たせしました」とやって来た私を見て、ほっとしたようだった。
 私の先を歩いて行くふたりが学校の裏門を抜けて外へ出て行くので、不審に思い、練習場はどこか
と聞いたら、体育館が使えることは使えるが、創部以来の伝統で、天気の良い日は学校裏の神社を
使っているという。

 …ほどなく、その神社に着いた。
 見ると、男女20名ばかりが、サンドバッグを蹴ったり、向かい合って打ち合ったり(組み手とい
うらしい)している。



「柏木さんは、格闘技は初めて?」

 私を案内したふたりのうちのひとりが、そう尋ねる。

「ええ。」

「大丈夫よ。そういう人も入部してくるから。」

 もうひとりの子が励ます。
 たいてい長続きしないけどね…というのは口に出さなかった。

「じゃ、最初は見学で、
 興味があれば、体を動かしてみる、ってことでどうかしら?」

「ええ。構いません。」

 私はしばらく、練習風景を見ていた。
 例の力のせいか、普通の状態でも目には自信がある。
 ひとりひとりの動きの特徴がわかる。
 リズムに乗ってきれいに動く人もいる。ぎこちない人もいる。
 ひとつひとつの動作はいいが、全体がばらばらで繋がらない感じの人もある。

 そのうち、ひときわ無駄のない動きをする人が目についた。
 よく見ると、小柄だが大人の女性だ。
 年は…よくわからないが、梓お姉ちゃんと同じくらいだろうか?
 その人の動きには見事なリズムと調和があり、しかも激しさと情熱があって、じっと見ているうち
に、何だか体がむずむずしてきた。

(やだ… これって、エルクゥの血?)

 どうやら私の血が騒いでいるらしいのを、さっきのふたりが目ざとく見つけて、

「どう? 少し、体を動かしてみる?」

 ともちかけた。

「ええ。やってみようかしら?」

「じゃ、まずはサンドバッグを相手にしてみましょう。」

 ふたりは、サンドバッグで練習中の子が一段落するのを待って、順番を代わってもらった。

「それじゃ、拳の握り方から…
 いい、よく見ててね?」

 ひとりの子が、説明を加えながら、実際に握ってみせる。

「足はこんな風に…」

 ゆっくりと姿勢をとって、

「たあ!」

 サンドバッグに拳がたたき込まれる。なかなかの気迫だ。

「こんな感じよ。」

「わかりました。」

 見よう見まねで拳を握る。
 さっきの子と同じような姿勢をとって…

「えい!」

 サンドバッグが揺れる。

 ふたりの子は一瞬沈黙したが、すぐにぱちぱちと拍手した。

「すごい、すごい!
 初めてで、これほど威力のある拳を打てるなんて!」

「是非もう一回やって見せて!」

 何となくおだてられているような気もしたが、ほめられて調子に乗った私は、二、三回拳を打ち込
んで見せた。
 そのたびにサンドバッグが揺れ、拍手が起こる。



 ふと気がつくと、さっき見た小柄な人が、私の傍に立っていた。
 私と目が合うと、穏やかな微笑を浮かべながら、

「あなた、空手はどれくらいやりました?」

 と尋ねてきた。

「いいえ。空手も、他の格闘技もやったことはありません。」

「何ですって?」

 その人は訝しそうに、

「しかし、今の拳は…」

「あ、それは今、部員の方に教えていただいて、
 見よう見まねでやっただけなんです。」

「あれが…見よう見まね? そんな…」

 その人はいったん否定しかけたのを思いとどまったようで、しばらく思案すると、

「蹴りは習いましたか?」

「いえ。拳を教わったばかりで…」

「そうですか…
 では、私のを見て、覚えて下さい。」

 その人は私を脇へ下がらせて、サンドバッグの前に立つと、

「まず、ゆっくりやって見せます。」

 と言って、片足を軸にしながら、もう一方の足をゆっくりと回すようにして、サンドバッグに当て
て見せた。

「もう一度やります。よく見ててください。」

 その人は、同じ動作をもう一度やって見せた。

「今度は、実際の早さで蹴ります。」

 言うが早いか、その人の左足がサンドバッグにたたきつけられ、バシッという小気味のよい音が境
内に響いた。

(…凄い。)

 かなりの威力だ。サンドバッグが大きく揺れている。

「もう一度。」

 バシッ

「…さあ、あなたの番です。
 まず、ゆっくりやってみてください。」


 私は、その人の動きを思い出しながら、ゆっくりと真似て見せた。

「軸足が揺れています。バランスを考えて。」
「もう少し足を高く上げて。」

 などという指示をもらいながら、それに合わせていると、

「そんな感じでいいでしょう。
 では、思いきり蹴ってみてください。」

 思いきり…か。
 私は深呼吸すると、軸足に気をつけながら、

「やっ!!」

 ビュッ

 バシッ!!

 小気味の良い音と共に、サンドバッグが大きく揺れる。

「…どうでしょうか?」

 音だけはお手本に近かったけど…と思いながら振り返ると、さっきの人は私をじっと見つめていた
が、やがてにっこり微笑んだ。

「なるほど…
 見よう見まね、というのは本当のようですね。
 大したものです。」

 それって、ほめられてるのかしら?

「あの、だめ…でしたか?」 

「え? …いいえ、初めてでそれだけの蹴りが使えるとは、驚くべきことです。
 あなたには、間違いなく格闘技の素質がありますね。
 今日が初めてと言われるなら、それは天性のものなのでしょう。」

 うーん… またおだてられているような…

 するとその人は続けて、

「…別に、おだてているわけではありませんよ。」

 と言った。

 ありゃりゃ、顔に出ちゃったかな?

「あ、申し遅れました。
 私、エクストリーム部のOBで、松原葵と申します。
 どうぞよろしく。」

「あ、こちらこそ、失礼しました。
 昨日こちらの高校に転校して参りました、柏木香織と申します。
 よろしくお願いします。」

「ほう、転校生ですか?」

 松原さんはちょっと眉根を寄せて、

「以前、どこかでお目にかかったような気がしたんですが…
 他人の空似でしょうか?」

 私はちょっと考えた。この人の年輩からすると…

「もしかすると、私の母か叔母のことではないでしょうか?
 母はこの学校の卒業生ですし、
 叔母は違う学校でしたけど、エクストリームをやっていたそうですから。」

「そうですか? 失礼ですが、お母さまのお名前は?」

「芹香です。」

「せりか? …あっ!?」

 松原さんははっとした顔になった。

「来栖川芹香さん、ですか!?」

「はい。…今は結婚して、柏木芹香、ですが。」

「なるほど。
 言われて見れば、あなたは芹香先輩の高校時代に生き写しです。
 もっと早く気がついてしかるべきでした。」

 と頭をかきながら、嬉しそうに、

「すると、あなたの叔母様というのは、綾香先輩のことですね?」

「綾香お姉ちゃん…じゃない、叔母のこともご存じですか?」

「もちろんです。
 綾香先輩は、長年、私の目標でしたから…
 しかし、残念ながら、一度も勝てませんでした。」

「へえーっ。」

 私は感心するばかりだ。

「綾香先輩の姪御さんなら、天性のものがあるのも頷けます。
 香織さん、でしたね?
 どうです、本気でエクストリームをやってみませんか?
 きっと綾香先輩も喜ばれますよ。」

 …それとよく似たセリフを最近どっかで聞いたような気が…



 結局ここでも、「もう一度顔を出す」約束をさせられてしまった香織であった。


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「見よう見まね」と言えば浩之ですが…
香織も同じ技(?)が得意のようです。


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