The Days of Multi<セリオ編>第一部第4章 投稿者:DOM
The Days of Multi <セリオ編>
第1部 Days with Hiroyuki
☆第4章 別れ (マルチ生後4ヶ月)



 浩之は、それからも、マルチの面倒を見たり、放課後はセリオと三人でゲームをしたりして過ごし
た。
 三人は日増しに親しくなっていった。

 そして…運用試験最後の日がやって来た。
 桜の花びらの舞い散る中、浩之はマルチのために、ふたりきりの卒業式を執り行なった。

「あーおーげーばーとーうーとーしー、
 わーがーしーのーおーんー…」

 マルチは、浩之の心遣いに涙を浮かべて感謝した。

 バス停に着く。
 いつものようにセリオが待っていた。
 三人でエアホッケー。
 今日も浩之はセリオに勝てなかった。

「…ちぇっ、今日ぐらい勝ちたかったのにな。
 まあ、いいや。
 ふたりともまだいろいろテストがあるんだろうけど、暇になったら連絡してよ。
 また、三人でエアホッケーやろうぜ。
 …セリオ、そのときはきっと仇を取ってやるからな。」

 ふたりのメイドロボは一瞬沈黙したが、

「−−そうですね。
 またお会いしましょう。」

「は、はい。また会えますよね…」

 と答えた…



 研究所に帰って来たマルチとセリオは、試験が無事に終わったことをねぎらってくれるスタッフの
言葉も上の空で、浩之のことを考えていた。
 マルチがぼんやりしているのは珍しくない(!)が、セリオまで様子がおかしいので、スタッフた
ちは、どこか具合でも悪いのかとしきりに問いかける。
 ひとり事情を察した長瀬は、ふたりに異常がないか調べようと言うスタッフたちをとどめて、マル
チとセリオを小さな部屋に連れて行った。

「さてと…」

 長瀬は、ふたりに椅子を勧めると、自分も腰をおろした。

「どうだった?
 運用試験は楽しかったかい?」

「−−はい。
 とても充実していましたので、
 人間でしたら『楽しい』と感じられる期間だったと思います。」

 セリオらしい返事だ。

「マルチはどうだい?」

「わ、私… ううっ…
 私も… 私も…
 うう… う… う、うわああああああん!」

 マルチはこらえていたものを押さえ切れなくなったように、泣き出した。



「なるほど…
 藤田君と別れるのが辛い、というわけか?」

「うう… ぐすっ…
 は、はい… すみません、
 勝手なことだとはわかっているんですけど…」

「ちっとも勝手じゃないさ。
 女の子としては当然だよ。
 …それで、どうしたいね?」

「は、はい…
 できれば、何かご恩返しをしたいですぅ…」

「ご恩返し?」

 また古風なことを言う娘だな。

「はい。お家のお掃除とか、お洗濯とか、そういうことですぅ。」

「そうか…」

 長瀬は考え込む。

「それじゃ…
 今からしばらく時間をあげるから、
 藤田君の家に行ってご恩返しをしてくるかね?」

「え!? ほ、本当ですか!?」

 マルチがぱっと顔を輝かせる。

「…あ、でも…
 スタッフの皆さんにご迷惑が…」

「いやいや、
 可愛い娘のたっての願いとあらば、皆も笑って許してくれるさ。
 …どうするね?」

「あ、そ、それじゃ…
 い、行きたいですぅ!」

「ははは、そうか。」

 それから、黙ってマルチたちのやり取りを聞いていたセリオの方を向く。

「セリオはどうだ?」

「−−は?」

 いきなり振られて当惑したようなセリオ。

「セリオも、藤田君にご恩返しがしたいんじゃないのかい?」

「−−…いえ、私は… 別に…」

 このセリオの歯切れの悪さが、彼女の真意を雄弁に物語る。

「いいから、無理をしなさんな。
 …今日を逃したら、もう藤田君には会えないかも知れないんだよ。
 それでもいいのかい?」

 セリオの体がぴくっと動いたようだ。

「−−…では… お言葉に甘えて、
 マルチさんとご一緒させていただきます。」

「セリオさん、よかったですねー。」

 にこにこするマルチ。
 無表情なセリオ。
 ふたりの様子を見比べながら、長瀬はふと思った。

(やれやれ… そんなつもりはなかったのに、
 結局会長のもくろみ通りになってしまったようだな。
 それも、マルチだけでなく、セリオまで藤田君を好きになってしまうとは…)

 しかし、「娘」たちが恋をするチャンスは、もう二度とないかも知れない。
 というよりも、「娘」たちを普通の女の子として扱ってくれる人間に、うまく巡り会えるかどうか
わからない。
 父親として、彼女たちには少しでも、人間の女の子のような体験をさせてやりたかった。

 長瀬は、研究所を出て行くふたりを見送りながら、

「後悔しないように、精一杯ご恩返しをしておいで。」

 と優しい声をかけるのであった。



 ピンポーン

「? はーい。どなたですか?」

 今時分誰だ? …あかりか?
 そう思いながら玄関のドアをあけると…

「浩之さん!」

「−−今晩は。
 突然お邪魔して申し訳ありません。」

 制服姿のふたりの美少女が立っていた。

「セ、セリオ? マルチ?」

 浩之が目を白黒させる。

「ご恩返しに来ましたぁ!」

「−−よろしければ、お掃除やお洗濯などをさせていただきたいと思いまして。」

「え? ど、どういうこと?
 …あ、立ち話も何だから、まあ上がってくれ。」



 リビングで話す三人。
 浩之は、ふたりの来訪の目的をようやく理解すると、照れくさそうに笑った。

「ご恩返しって…
 俺、別にそんなたいそうなことした覚えはないぜ。
 そんなこと気にしないでいいからさ。
 時間があるのなら、ゆっくりしていってくれよ。」

「−−いえ、そういうわけには参りません。」

「そうですぅ。
 ぜひ何かお手伝いさせてくださぁい。」

 というわけで、しきりにせがまれた浩之は、まず夕食を作ってもらうことにした…



「−−マルチさん。
 それではお塩が多すぎますよ。」

「す、すびばせええん。」

 …………

「−−マルチさん。
 もっとお水を入れないと焦げますよ。」

「あうう… ご、ごめんなさぁい。」

 …………

「…きゃっ!?」

「−−マルチさん。
 危なかったですね。」

「あ、ありがとうございますぅぅぅ!」

 …マルチって、もしかして…料理音痴?



 キッチンからもれ聞こえる会話や物音に、戦々兢々としていた浩之であったが、ほどなく運ばれて
来た夕食は、まずまずの出来だった。
 セリオの補佐があったおかげだろう。
 浩之が十分食べて堪能すると、ふたりの少女は後片づけをしたりお茶の準備をしたりしながら、

「浩之さん、お風呂はどうなさいますか?」

「−−もう用意はできておりますので。」

 と尋ねた。

「そ、そう…?
 じゃ、ちょっくら入ってくるか。」

「−−よろしければ、お背中流しましょうか?」

「へ?」

 意外なセリオの言葉に、浩之の目が点になる。

「私たちは、もともと介護目的に開発されたので、
 そういうことが得意なんですぅ。」

 料理のときとは打って変わって、自信ありげなマルチである。

「そ、そうなのか…?」

 浩之は、ふたりに背中を流してもらう自分を想像する。



 …浩之の前にはマルチ。背後にはセリオ。
 もちろんふたりとも全裸だ。
 マルチは所謂幼児体型。
 華奢な、しかし可愛い体だ。
 セリオは…後ろにいるのでよく見えない。
 ふたりとも浩之の体にお湯をかけ、丁寧に洗ってくれる。
 そのうち、何のはずみか、マルチが足を滑らせて、しりもちをつく。
 浩之が立ち上がるよりも早く、セリオが駆け寄って助け起こす。
 セリオの裸体が、浩之の前にあらわになる…



「…浩之さん? 浩之さん?
 どうなさいました?」

 マルチの呼ぶ声にはっとする浩之。

「あ? マ、マルチか… 大丈夫か?」

 慌ててとんちんかんなことを口にする。

「え? はい、私は大丈夫ですけど…
 浩之さんは大丈夫ですか?」

「ああ、もちろん。
 …ええっと、そうだな。
 背中を流してもらうのは、またの機会ということで…」

 刺激が強すぎて耐えられそうにない、と思った浩之は、いささか残念ながらも断わることにした。

「そうですか?
 …じゃ、お風呂に入っておられる間、お掃除をさせていただきます。」

「あ、いいんだよ。
 何もしなくていいからさ、ゆっくり休んでてくれよ。」

「−−いえ。せっかくご恩返しに来たのですから。」

 セリオも口を添える。

「そう? …うーん、じゃあ、お願いするけど…
 適当でいいからね。」

 浩之歯は風呂に向かった。



 頃合の湯加減でいい気持ちになった浩之が風呂から出て見ると、驚いたことに、家中がピカピカに
なっていた。
 まるで新築のようだ。
 どうしたらこんなに磨きあげることができるんだろう?
 念のため自分の部屋をのぞいてみると、ここも掃除が行き届き、乱雑に散らかしてあった本なども
きちんと整頓されている。

 はっ!?

(そう言えば、女の子にはちょっと見せられないような雑誌も、二、三あったはず…)

 慌てて調べてみると、その手の雑誌もきちんと分類されて、片づけてあった。
 ということは…

(やべ… 見られちまったのか…?)

「あ、浩之さん。」

「−−こちらでしたか?」

 背後から声をかけられて、ぎょっとする浩之。

「−−玄関を掃除しておりまして、失礼しました。」

「お風呂はいかがでしたかぁ?」

「お、おう。…とてもいい気持ちだったぜ。
 ありがとうな。」

「そうですか?
 よかったですぅ。」

 マルチの笑顔がまぶしい。

「−−浩之さん。」

「ん?」

「−−浩之さんは、女の子の体に興味がおありなのですか?」

(え? そりゃ、健康な男子なら、興味がないわけないだろう…
 でも、どうしてそんなことをわざわざ?)

 そう思った浩之は、自分が何かを手にしていることに気がついた。

(げっ!? し、しまった…)

 ちょうど、セリオたちが片づけてくれたその手の雑誌を取り上げたところを、後ろから声をかけら
れたので、そのまま…

(ま、まずい! 重ね重ねまずい…)

 うろたえる浩之をよそに、セリオが言葉を重ねる。

「−−そんなにお好きでしたら、 
 私でよろしければ、お見せ致しますが?」

 な、なぁにいーーーーーーっ!?

 思わず、セリオのすらりとした体に目をやる浩之。
 制服の上からでも見当がつく、均整のとれたプロポーション。
 ごくりとつばを飲む。

(俺が妙な雑誌を持っているんで、からかっているのか?)

 とも思うが、セリオの様子はいつもと変わらない。
 「脱いでくれ」と言ったら、本当にヌードを公開してくれそうだ。

(ど、どうする、俺!? こんなチャンスは、またとないかもしれないぞ!?)

 浩之が焦っていると、マルチもおずおずと、

「あ、あのぉ…
 よろしければ、その、私も…
 お、お見せします、けどぉ…」

 セリオが言い出したことに同調するつもりらしいが、さすがに恥ずかしいらしく、顔を真っ赤にし
ている。

(…そうだよなぁ。それが普通の反応だよなぁ。)

 たとえ好きな相手の前でも、年頃の女の子がそう簡単に裸になれるものではないだろう、と浩之は
思った。
 セリオは「恥ずかしい」という感情がないから、純粋に浩之が望むなら、というつもりで言い出し
たのだろうが、もし感情があれば、やはり顔を赤らめていたに違いない。
 そう思うと、スケベ心が急速におさまっていった。

(こんなところで弱味につけ込んじゃ、いけないんだ。)

 ふたりとも、ご恩返しがしたいとやって来た。
 浩之が頼めば、セリオはためらいなく、マルチは恥ずかしがりながらも、ヌードになるだろう。
 しかし…

「ありがとうよ、ふたりとも。
 その気持ちだけで、十分嬉しいよ。」

 明らかにほっとした表情のマルチ。
 こいつ、無理しやがって…

「−−ですが…」

 一方のセリオはまだ納得がいかないようだ。

「いいんだって。
 マルチも、セリオも、俺にとっては大事な女の子なんだ。
 その大事なふたりに、冗談でもそんなことを頼んだら、
 俺はたちまち人間失格だぜ。」

(ちょっときざだったかな? …でも、結局はそういうことだし…)

「−−…………」

 セリオは黙って、マルチの顔を見た。
 マルチは、俺の言葉を聞いて、ひどく嬉しそうな顔をしている。

「浩之さんって、本当にいい方ですぅ。」

 その顔を見てセリオも納得したらしい。

「−−そこまで大事に思っていただいて、
 お礼の言葉もありません。」

「いや、お礼を言われるようなことじゃないって…」



 ふたりは掃除だけでなく、洗濯も終えていてくれた。
 下着とかもあったのだが… ひゃー、恥ずかしいぜ。
 さらにあちこちの片づけだの掃除だのを続けようとするふたりを何とかとどめて、いっしょにお茶
を飲むことにした。
 …と言っても、マルチとセリオは水を飲むだけなのだが。
 安物のティーバッグしかないはずなのに、セリオが入れた紅茶は何とも香ばしく、おいしかった。
 どうすればこんな入れ方ができるんだろう?

 俺は紅茶を口に含みながら、

「今日は本当にすまなかったなあ。
 おかげで、家が見違えるようにきれいになったぜ。
 ありがとう。」

「そ、そんな…
 まだ、十分ご恩返しができていませんのに、お礼なんて…」

 マルチが焦る。

「−−お礼を申し上げるのはこちらの方です。
 おかげ様で、有意義な運用試験を終えることができました。」

 セリオが頭を下げる。

「お、おい、よしてくれよ。
 …それじゃさ、これでお互い貸し借りなしってことで…
 今後は恩返しだの何だのと、堅苦しいことを言うのはなし。
 友だちとしてつき合うことにしようぜ。」

 ふたりのメイドロボが黙り込んだのに、浩之は気がつかなかった。

「どうだ、今度三人で遊園地にでも行かないか?
 まだ行ったことないんだろう?
 いつ頃なら時間ができそうだ?…」

 そのときになって、ようやく浩之はふたりの様子がおかしいことに気がついた。
 セリオは例の無表情だが、心なしかさらに固い顔をしているように見える。
 マルチは寂しそうにうつむいている。

「どうしたんだよ、ふたりとも…?」

 浩之は言いかけて、何かを感じた。

「もしかして… もう、会えない…のか?」

 二人の体がぴくっと動いた。

「そうなんだな? どうしてだ?
 どうして、もう会えないんだよ!?」

 セリオがおもむろに口を開いた。

「−−私もマルチさんも、試作型です。
 …私たち試作型の務めは、今回の運用試験をもってすべて終了致しました。」

「終了?」

「−−はい。
 あと残っているのは、私たちの内部のデータを保存し、
 私たちの体を安全な場所に保管することだけです。」

「ほ、保管って…」

「−−私たちはそこで、眠り続けることになるでしょう。」

「眠る… いつになったら目が覚めるんだ?」

「−−それはわかりません。」

「そ、そんな!?
 …それじゃ、もしかすると、永遠に目が覚めないってことも!?」

「−−その可能性はあります。」

 あくまで淡々と語るセリオ。
 対してマルチは、さっきから小さな肩を震わせている。
 涙をこらえているらしい。

「お、おまえたち、それでいいのか!?
 それじゃ死ぬのも同然じゃないか!?
 こわくないのかよ?」

「−−私には感情がありませんので…」

「マルチ!
 おまえはどうなんだ!?」

 マルチはしばらくうつむいていたが、やがて意を決したように顔を上げた。
 目からは今にも涙がこぼれそうなのに、笑顔を浮かべている。
 …痛々しくて見ちゃいられないぜ。

「私、ロボットですから…」

 マルチが、ゆっくりと言葉を発する。

「死ぬのがこわい、なんて思ったことはありません。」

 …嘘つけ。
 今までさんざん泣いたり笑ったり驚いたりしておきながら、今さら「ロボットだからこわくない」
だと?

「それに、私たちのデータをもとにして、大勢の『妹』が生まれるんです。
 …妹たちは、何百人、何千人…
 いえ、数え切れないくらいの人の傍で、皆さんに喜んでいただけるんです。
 妹たちのために、
 そしてそんなにも大勢の皆さんのためにお役に立てるのなら、
 こんな嬉しいことはありません。
 …こわいなんて、とんでもないです。」 

 マルチが、不思議な力強さを感じさせる口調で言った。

(…マルチ? おまえ、ただの泣き虫だと思ったら… こんなに強かったのか?)

 浩之は感動していた。

「マルチ… セリオ…
 おまえたちって、やっぱりすげーぜ。
 …そこらの人間なんか、足下にも及ばないくらい立派だぜ。」

「−−いえ、そんなことは…」

「私なんか、皆さんの足手まといになるばっかりで…」

 ふたりは決して、自分たちの偉大さを認めようとしなかった。



「お帰り、マルチ、セリオ。
 ご恩返しはできたかい?」

「はい… まだまだ不十分ですけど、
 浩之さんに喜んでいただけました。」

「−−本当にありがとうございました。」

 深々と頭を下げるふたり。

「おいおい、そんな他人行儀な…」

「−−これで思い残すことはありません。」

「私もですぅ。」

 ふたりの言葉に、長瀬はぐっと詰まる。
 娘たちは「死」を覚悟しているのだ。

(ふたりとも大丈夫だよ。…きっとまた目覚めさせてやるからね。)

 長瀬は心の中でそう誓いながら、ふたりを奥へと導いた。



 すべてのチェックとデータの保存が終わり、マルチとセリオは並んで横たわっていた。
 いよいよ、ふたりの自我がそれぞれの体から抜き出される時が来たのだ。

「ありがとう、お父さん、スタッフの皆さん。
 マルチは幸せでした。
 やがて生まれて来る私の妹たちも、きっと幸せになってくれるでしょう。」

「マルチ…」

「−−主任。スタッフの皆さん。
 無事に運用試験を終えるまで支えて下さり、本当にありがとうございました。
 私たちのデータが、役に立つことを希望します。」

「セリオ…
 だめだなあ、こんなときまで『主任』なんて…
 一度くらい、『お父さん』と呼んでくれないか?」

「−−…………」

「…………」

「−−…………」

「…………」

「−−お…お父さん…」

 セリオがおずおずと口を開いた。

「−−お父さん… ありがとう。」

 長瀬は優しい笑顔でうなずいた。
 目に光るものがある。

「さあ、そろそろ時間だ…
 セリオ、マルチ…
 お休み。いい夢をごらん。」

「はい。」

「−−はい。」

(浩之さんの夢を…)

 ふたりともそう思っていた。
 …急速に意識が薄れていく。

 長瀬はもう一度呟く。

「お休み…
 きっと、目覚めさせてやるからな…」


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