ナビ付け記録2


2001/12/16(Sun)

 高校を卒業してすぐ、地元のオートバックスに就職したんですよ。フランチャイズ店でしたが。で、その店というのがちょうど俺が卒業した年の五月に新規開店する店で、スタッフもみんな若いんですよ。二十人くらい居たんだけど殆どの人間が高校を卒業したばかりの若造で。車やバイクの免許なんかも取りたてで、趣味と実益を兼ねた良い職場だなんて思っていたりして。ま、楽しかったんですけどね。初めのうちは。直営店に研修に行ってそこのおねーちゃんと仲良くなったり、オーディオ売り場を任されたりしてメイカーの受付のおねーちゃんと仲良くなったり、カーステ買いに来た女子大生のおねーちゃんと仲良くなったり、結構一生懸命仕事してました。でも、給料なんて手取りで十万円くらいで、朝九時から夜十時くらいまで働いて、でも残業もつかないし、休みも週一日で当然土日は休めない。そのうち店長が何を思ったか突然深夜営業(夏の間だけ)なんて始めるもんだから(それでも残業時間は無給)ますます遊ぶ時間が無くて、いや、それでも結構遊んでいたかな。木場にゼロヨンやりに行ったりとか、終日営業のファミレスでうだうだしてたり、休み前の夜中に車で海まで行って砂浜で昼間一日寝てたりとか。まぁどこにでも居る金のない若者でしたよ。そーゆーのは今も昔もあまり変わり無いのかな。
 結局、あまりにも労働条件が悪いものだから、三年目の初めくらいに殆どのスタッフで一斉に退職願出して辞めちゃったんですけど、辞める前の半年くらいは売り場からピットに移ってオイル、タイア交換やカーオーディオの取り付けなんかの仕事をしてたんですね。で、そこを辞めた後はトヨタの工場で板金塗装の仕事を三年間やって、そこは腰を悪くして辞めちゃったんですけど、その時取った杵柄というやつで今乗っているバイクも自分で塗装したり、車とかバイクに関しては外装、内装、電装なら今でも結構やれるんですね。
 そんな訳で、ナビの取り付けも気軽に始めたんですがこれが結構大変。電源とか車速パルスの取り出しなんかは簡単なんですけど、難しいというか面倒なのが配線の引き回し。カーオーディオとかナビの取り付けで一番苦労するのがこれ。シートを外してカーペットを捲って……しかも今回はVICSのためのFMアンテナを取り付けたり、バックセンサーをバックランプから取るために長い車体の端から端まで配線しなきゃならんのですよ。
 本当に出来るのか? 挫折してしまうのか? それでは続きをどうぞ。
 まずは、電源を取るためにオーディオの化粧パネルを外す。と、簡単に書いたが実際はこのパネルを外すのに手こずった。
 ドリンクホルダーを完全に引き出し、ガツンガツンと力を入れつつ手前に引き出すとうまくいく。
 オーディオを外し、さらに背面のカプラを外す。ここからアクセサリー、常時、イルミネーションの各電源を取り出す。
 オーディオ背面のカプラから電源を取り出すには三通りの方法があって、一つは配線取り出し用の専用カプラを買ってきてオーディオとカプラの間に接続する方法。これが一番手っ取り早くて確実だが、二千円ほどかかる。次の方法はプラ製の電源分岐タップを噛ませて取り出すやり方。これも手軽だが、カプラから出ている配線同士が結構密着しているので、カプラから離れた場所にしか噛ませることが出来ず(つまり、一つのカプラから複数種類の電源を取ろうとすると、タップの横幅が二センチほどあるためにお互いに干渉してしまう)、見栄えも良くない(どうせ見えやしないのだが)。今回採用したのが三番目の方法。車体側の配線をカプラの少し手前で切断し、オスメスのギボシ端子を取り付ける。手間はかかるが確実で安く、なにより仕上がりが美しい(どーでも良いことだが)。
 ラジオペンチでも充分対応可能だが、電工ペンチがあると作業はスムース。
 電源の取り出し配線が美しく完了。息子が手伝ってくれたのだが、さすがに父親の血を引いているだけあって、何かを加工したりする作業には異常なまでに興味を示す。この時も、早速理科の授業で使ったリード線を持ち出してきて、電工ペンチを使ってギボシ端子の取り付けを練習していた。
 モニタケーブル、GPSアンテナケーブル、電源ケーブルをダッシュボード裏から助手席足下のカーペット下に這わせ、ステップに沿って二列目座席下に設置予定のナビ本体まで引いてくる。途中、助手席左横のECUに接続する車速パルスケーブルとサイドブレーキ検出ケーブルを分岐させ、リアウィンドウに取り付ける予定のTV/VICS用FMアンテナケーブルを、荷室側からナビ本体まで、リアクォーターパネルの内側を這わせることにした。
 ので、助手席と二列目助手席側の座席、それに前後ステップカバー、リアクォーターパネルの内張を外す。
 座席を止めているボルトを外す。ボルト類の取り付け、取り外しにはラチェットレンチが便利。というか、もしこういう工具類が手元になかったら自分で取り付けようなどとは絶対に思わない。
 座席はすんなり外せたが、問題はステップカバーと内張。こいつらは木ねじの他に樹脂製のプラグで留めてあって、これが実に折れ易い。というかそもそも壊さずに外れるようには出来ていなくて、ディーラー系の工場でこれらの部品を外す時は、新品と交換することを前提にこれらの部品を予め注文しておくのだ。
 折らずに外すために、マイナスドライバーの先端を二股に加工したものを自作したのだが、紛失してしまって手元にはない。なので、四、五本折ってしまった。ま、予備が工具箱に入っていたので良かったけど、そうでない人は要注意。

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