12月16日(火)[綾波レイ]
今日のお昼休みのこと。
私がお弁当を食べていると碇くんがきて、
『綾波、美味しそうなお弁当だね』
って言ってくれた。
私は嬉しかったけれど、でも、どうしてか顔が熱くなって、碇くんを見れなくなってしまったの。
どうしても顔を上げられなくて、下を向いてしまった。
やっと言えたのは、
『ありがと』
という、一言だけ。
私、とても嬉しかったのに、どうして碇くんの顔を見られなかったのかしら。
どうして?
そんな私の様子を見て、碇くんは、優しく笑っていた。
もっと嬉しくなったけれど、もっと顔が熱くなってしまったの。
私、どうしてしまったのかしら。
12月17日(水)[洞木ヒカリ]
こんにちは。 洞木ヒカリです。
今日のお昼休み、いつもみたいにアスカとお弁当を食べてたの。
そのときにアスカがいきなり、
『ねぇ、ヒカリって鈴原とどうなってるの?』
なんて聞いてきたのよ。
どうなるも何も、毎日お弁当を渡してるだけよ、って言ったらアスカは、
『なに?それだけなの?!』
って私に迫ってくるのよね。
興味津々って顔して。
だけどホントにそれだけなの。
それに、それだけで十分なんだ、私。
そう言ったらアスカは、
『ヒカリ、甘い、甘いわ!
鈴原みたいな鈍い男は、こっちから積極的にいかないと駄目よ!』
なんて言うのよ?
でも・・・ やっぱり私、今のままでいいんだ。
だって私たち、まだ14歳だもんね。
ゆっくり、焦らなくたっていいじゃない。
ね、アスカ。
12月18日(木)[鈴原トウジ]
わしや。 なんか久しぶりやな。
わし、毎日ずっといいんちょーに弁当を作ってもろうとるんや。
いつもいつも感謝しとる。 ホンマに。
いいんちょーは優しいさかい、何も言わずに毎日作ってくれとるが・・・
いいんちょーに甘え取るだけじゃぁ、あかん。
それでな、いろいろ考えたんや。
でもいいんちょーが喜びそうなことなんぞ、全く思い浮かばんかった。
けどな、この前、遊園地に行った事を思い出したんや。
いいんちょーはその時、楽しそうにしてたように、わしには思えた。
また誘ったら、いいんちょーは喜んでくれるやろうか。
そうやな、言ってみん事にはわからんわな。
後でいいんちょーに、言うてみよ・・・
12月19日(金)[碇シンジ]
こんにちは。 碇シンジです。
そろそろ今年も終わりだよね。
あと2週間しかないもん。
年末って言うとみんな忙しいみたいだ。
僕たちはまだあまり実感がないけど、ミサトさんは凄く忙しそう。
帰って来ない日も多いんだ。
ミサトさんが帰って来ないと、当然僕とアスカだけになるんだよね。
あ、ペンペンもいるけどさ。
そうすると、ミサトさんがいるときとは違った感じになるんだ。
うまく言えないけど、ちょっと緊張するって言うのかなぁ。
うーん、緊張って言うのとも違うな・・・
別にいやな感じじゃないんだよ?
だけど、アスカを特別に意識しちゃうんだよね。
いつもだったらなんてことのない仕草だとか、ちょっとした会話だとか、さ。
これってどういう事なのかなぁ。
よくわかんないけど・・・
アスカはどうなんだろう・・・・?
12月21日(日)[惣流アスカラングレー]
こんにちは。 あたしよ。
昨日はこの日記、お休みしちゃったのよね。
何でかって言うと、ホントは昨日は相田の番だったんだけど、
ばかシンジが渡すのを忘れたのよね。
今日になって、
「あ、ケンスケにこれ渡すの忘れてた!」
なんて騒いでるんだから、全く、仕方ないわよね。
ホントにぼけぼけっとしてるんだから。
気付いたのが今日だから、昨日の日記はお休みになっちゃったんだ。
昨日のことを思い出して書くって言うのも、ちょっとねぇ。
そういうわけで、今日の日記はあたしが書くことになったの。
相田にわざわざ渡しに行くのも面倒だしね。
そうそう、そろそろクリスマスよね。
今年は、みんなで集まってパーティーをやろうってことになってるんだ。
その計画なんかも考えてるの。
プレゼントも、ね。
結構楽しみなんだ。
あ〜あ、早く来ないかな。
12月22日(月)[碇シンジ]
こんにちは。 碇シンジです。
ごめん、悪かったよ。
完全に忘れてたんだ、これ、回すの。
でもさ、アスカ、だからって
「罰として、あんたが書きなさい!」
って言うことないじゃないか。
まぁ、別に、これを書くのはイヤじゃないからいいけど・・・
そうだ、アスカも書いてたけど、そろそろクリスマスが迫ってきたよね。
みんなでパーティーをやろうってことになってて、すごく楽しみにしてるんだ。
明日はお休みだから、買い物に行こう、ってことになってるんだよ。
クリスマスのプレゼントも、買うつもり。
こういうのっていいよね。
やる前の準備から、楽しいし。
アスカじゃないけど、早く24日にならないかな。
12月23日(火)[綾波レイ]
明日、クリスマスパーティーというものをやるそうなの。
私、それが何のことなのか、わからなかった。
だから、碇君に聞いたの。
碇君はいろいろと教えてくれた。
『・・・っていういわれがあるんだけど、今はそんなの関係ないよね。
みんなが楽しむためのイベントみたいなものかな』
そうなの。
でも、ちょっと、楽しそう。
今日はお休みだったから、みんなで明日の準備のための買い物に行ったの。
お料理の材料や、飾り付けや、そして、プレゼントも買った。
プレゼント交換というものをやるから、みんなはそれのためのプレゼントを買っていた。
私も、買った。
でも、私はもうひとつ、別のプレゼントも買ったの。
それは・・・
碇君だけにあげる、特別なプレゼント。
いろいろ考えたけれど、あるものをみたとき、すぐにそれに決めたの。
碇君、受け取ってくれるかしら。
碇君、喜んでくれるかしら。
とても不安だけど・・・
とても、楽しみ。
12月25日(木)[惣流アスカラングレー]
こんにちは。 惣流アスカラングレーです。
昨日はちょっと休んじゃったわね。
仕方ないわよね。 だって、あの騒ぎのあとにこれを書くなんて気はしないもん。
でも、昨日はホントに楽しかった。
みんなで集まって、食べて、飲んで、唄って、騒いで。
すごく、楽しかった。
クリスマスって恋人たちのためにあるって感じだけど、こういうのもいいわよね。
好きな人とふたりだけで過ごすっていうものいいけど、みんなで集まるのもいいな。
それに、やっぱり、あたしには大人のクリスマスって早いような気がするし。
だって、まだ14歳だもんね。
焦ることないわよ。
でも、やっぱり、ちょっと憧れちゃうけど・・・
みんなでプレゼント交換もしたんだ。
ひとり一個、プレゼントを持ち寄ってね。
でもあたしは、シンジにも別に用意していったの。
まぁ、一応同居してるんだしね。
そしたらシンジも、ちゃんとあたしに用意してくれてたんだ。
あまり期待してなかったから、ちょっとびっくりしちゃった。
それも、あたしがあげる前にシンジの方から渡してきたのよ?
驚きよね。
それに、そのときのシンジの顔ったら・・・
え?なにをもらって、何をあげたのかって??
それはね・・・
ちょっと、ないしょ!
12月26日(金)[碇シンジ]
こんにちは。 碇シンジです。
おとといのクリスマスイブは楽しかったなぁ。
みんなで集まってパーティーをやったんだけど、みんな、ホントに楽しそうだった。
もちろん僕も、楽しかったよ。
一番盛り上がったのは、やっぱりプレゼント交換の時かな。
みんなでひとつずつ持ってきて、誰のだかわからないようにして交換したんだ。
僕のところにはCDが来た。
今、ちょっと流行ってる曲のCDだったんだ。
僕、実は買おうかと思ってたところだったから、すごく嬉しかったよ。
最後まで誰のプレゼントだったのかはわからなかったけどね。
でも、何となくわかる気がするんだ。
たぶん・・・
帰りがけに綾波が、僕にプレゼントをくれたんだ。
僕も、綾波にプレゼントを用意してた。
やっぱり、同じエヴァのパイロットだしね。
何となく、そういう気分だったんだ。
綾波は僕に、白いTシャツをくれた。
小さなワンポイントが入った、感じのいいやつだったよ。
実は・・・ 僕も、綾波には白いTシャツを買ってたんだ。
綾波に、似合うかなって思ってさ。
そしたら、なんか、お揃いみたいになっちゃったね。
ちょっと、恥ずかしかったよ。
そうそう、みんなが帰ったあとで、アスカには別のプレゼントをあげたんだ。
やっぱりクリスマスだし、ね。
そしたらアスカも、僕にプレゼントを用意してくれてたんだよ。
そんなこと期待してなかったからすごく驚いたし、すごく嬉しかった。
え? なにをあげて、なにをもらったのかって?
それは・・・ ちょっと、教えられないよ。
12月27日(土)[綾波レイ]
綾波レイです。
クリスマスイブの日、あたしはみんなと一緒にパーティーをやった。
楽しかった、と、思う。
たぶん、そうなんだと、思う。
心が暖かくなる感じがしたの。
とても、気持ちがいい感じがしたの。
帰りがけに私は、碇君にプレゼントをした。
前の日にいろいろ悩んで選んだ、白いTシャツ。
碇君、受け取ってくれるかどうか不安だった。
でも碇君は、とても喜んでくれた。
私、とても嬉しかったの。
でも、それだけではなかった。
碇君は、私にもプレゼントを用意してくれていたの。
私、嬉しいと言うよりも驚いてしまって・・・
とっさに、なにも言えなかった。
碇君がくれたのは、私と同じ、白いTシャツ。
『綾波に似合うかなって思って』
っていいながら、碇君は赤い顔をして渡してくれたの。
そして、私はようやく、一言が言えた。
『ありがとう・・・』
って。
碇君・・・ 本当に、ありがとう・・・
12月31日(水)[惣流アスカラングレー]
あっという間に今年も終わりね。
早いものよね。
今年はいろんなことがあったな。
初めて日本に来たのがつい一年ほど前だなんで、思えないもんね。
すごく早い一年だった・・・
日本に来て、あたしはいろんな体験をした。
エヴァで使徒と戦ったのも、日本に来てからだったし。
それに、ヒカリって言う大切な友達もできたしね。
友達って・・・ いいものよね。
あ、そう言えば、ばかシンジと一緒に住むようにもなっちゃったのよね。
まぁ、あたしはあまり乗り気じゃなかったんだけど、ミサトに頼まれちゃぁね。
仕方がないじゃない。
シンジもさ、はじめはホントにいらいらしたんだ。
何でこんな奴が!って思ったもんね。
でも、やっぱりシンジにも、いいところってあるのよ。
人にはきっと、どこかそう言う部分があるんだと思うんだ。
少し前のあたしは、そんな事、思えなかった。
多分、すごく焦ってたんだと思う。
今は・・・
前よりは・・・ 落ち着いてるかな?
自信はないけどね。
あ〜あ、なんか湿っぽい話になっちゃったわね。
とにかく、来年もがんばるわよ!
いいわね、シンジ!!