SPORTY SEDAN #201
「Familia Sporty Sedan」
NOW DRAWING !!
かつてのファミリアって、現在よりも遥かにスポーティなイメージが強かったと思いませんか?
他社の大衆車ライバルである、カローラやサニー、ミラージュ、そしてシビックにさえも勝っていた「スポーティさ」は、硬質なハンドリング・乗り味によってもたらされた、ファミリアシリーズの大きな特長だったと思います。
とにかく、ファミリアは「(大衆車クラスでは異質なくらい)走りがよい」というのが世間の評価だったと思います。仮に、少しくらい乗り心地は「固い」と言われたとしても…。こうした良い素性もさることながら、より「走り」を意識したグレードの追加設定が、スポーティなイメージをさらに確固たるものにしてきたんです。
例えばFF初代ファミリアに追加された1500ccのターボモデル(XG・XG−R)に始まって、85年にモデルチェンジした2代目では日本初になるフルタイム4WD(GT−X)が颯爽と登場しました。
このクルマがWRC(世界ラリー選手権)での総合優勝を含めモータースポーツ界で大活躍したことも、スポーティなイメージづくりに(世界規模で)大きく貢献したはずです。そして3代目の「新ファミリア系列」でスポーティなイメージは「絶頂期」を迎え、3HB/4SD/5HBともに「インタープレイ」というネーミングの軽快な1500DOHC搭載モデルを主力とし、TOPグレードには1.8リットルのターボ4WDモデル「GT−X」が君臨していました(註:インタープレイにはSOHCのものもあり)。さらには歴代ファミリアの最強版、210psを絞り出す「GT−R」/「GT−Ae」も追加され、スポーティなBG系ファミリアのイメージリーダー的役割をしっかりと担っていました。 ところが4代目「新方向ファミリア」では、前年の93年に発売した派生車種のランティスが「スポーティさ」を全面的に引き継いだ結果、大元のファミリアはよりフォーマルな役回りを演じることになったのです。
より広く、より大きく、経済的な実用セダンと変身したファミリアは、イメージリーダー的なHOTグレードも失って、軽快でスポーティという「個性」は跡形もなく消えてしまいました。そして5代目、数々の名作を生んだ「3HB」はついに新規モデルから姿を消し、新ファミリアはSワゴンという5HBと4Dセダンという2本立てに縮小。Sワゴンの1.8リットルエンジンがBPからFPに、セダンは1.5リットルがメイングレードとなりました。セダンの上級グレード(RX・GS)は可変バルブタイミング(130ps)が採用となっています。
しかし、スポーツモデル・ランティスのいない今、このグレードがかつての「らしさ」を十分表現し、「スポーツごころ」を物語ってくれているとは、残念ながら言えません。
よって今回提案するのがファミリア・スポーティセダンというわけです。
コンセプトは「軽快」性能。ターボ装着によるハイパワー追求はやめて、ひたすら気持ち良く、日々の生活に活気を与えてくれるようなセダンを狙って…。
イメージはズバリ、BG系ファミリアセダンのインタープレイDOHC。TARGETユーザーは、現行のファミリアセダンが徹底的にハズしている、「独身者」から「ヤングファミリー」を中心に据えます。スポーティさとカジュアルさをうまく調和させ、「若さ」と「気持ち良さ」を全面に出してアピールをしましょう。
(さらに私の個人的趣味で、軽いスポーツ走行はこなせるクルマとしておく…)
<グレード>
RX−Limited(FFのみ)、最上級グレードとして追加(5MT/4AT)。
<エンジン>
ZL型1500ccエンジン(S−VT)。バルブタイミングは高回転側出力重視でクラストップの150psを達成(=リッター100ps)、プレミアムガソリン仕様。10・15モード燃費は15km/L(5MT車)。
<シャシー>
タイヤは標準から1サイズインチアップして195/55R15を採用。5本スポーク切削タイプのアルミホイールを装着。
ブレーキはVディスク(前)/ドラム(後)を標準とし、リアディスクブレーキ&ビスカスLSDをメーカーセットオプションとして設定。クイックなステアリングギアレシオと減衰力を高めたダンパーとを備える「ユーロチューンド仕様」のハンドリングで軽快さを実現する。スタビライザーはベースグレードのRX同様前後とも装備。
車体の軽量化と前後の重量バランス改善のためアルミボンネットを採用する。
<エクステリア>
ボディ色はハイライトシルバーメタリック、クラシックレッド、シャストホワイトに加えノーブルグリーンマイカ(濃紺)とイノセントブルーマイカ(青)をグレード専用色として採用する。
BG系セダンと同じくサイドモールを別色(赤)に塗装することでアクセントを付け軽快感を演出。「RX−Limited」の専用デカールをリアドアに貼付。フロントエアダムスカート、リアスポイラー、サイドスカートが標準装着。
<インテリア>
RXと同じくオフブラック色のダブルラッセルでスポーティ感を演出。ただし、ヘッドレストは前後とも中空タイプとする。ステアリングはNARDIの本革巻き仕様。
<その他>
オーディオレスを踏襲、エアコンはマニュアルタイプとする。RXご自慢のスペースアップシートは不採用。
CMには20代後半のヤングカップルが登場し、これから休日のドライブに出かけようとする場面。ここで父親役の北大路欣也が登場し、クルマのキーを放り投げて渡す。軽くジャンプしながらしっかりとキャッチする息子の姿に、昔の自分をダブらせながら微笑んで見送る。心の中で「発信!To You」とつぶやきながら、ふと回想すれば、真夏のシーサイドを息子夫婦が快適に駆け抜けている。もちろん、そこで突如流れてくるBGMは高中正義のトロピカルギターサウンド。(※ジョー・ジャクソンやミカバンドではありません…)
<価格>
167万〜175万円(メーカーオプション装着車)。AT車はさらに7.5万円高。
全国のマツダ、マツダアンフィニ、マツダオートザム店で販売。ん、1500ccとしては高いって…?
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