8.稀少モデルの「T」 −その2−




 「T」の1t〜1.5t積クラスとして1962年に登場した新・T1500は、短い8尺荷台をトレードマークにして、1970年代前半まで生産が続けられました。
 この車両は福岡市の「日本の名車歴史館」の元展示車両ですが、製造プレートには63年式と記載されています。右サイドミラーの位置が初期型特有のドアサッシ部となっていますが、左サイドミラーはフェンダー部にあり、左右で位置が非対称となっています。
 じつは、もっと古い、超初期型の新・T1500では左サイドミラー自体がないのですが、私はこのタイプと思われる消防車を1台撮影しています。(特装仕様の「T」参照)

(2005.3 福岡県福岡市東区)

 「T」の荷台は、8尺の低床系と10尺/13尺の高床系に二分されますが、その中間的なものも存在します。写真の10尺低床も然り。
 かつては様々な仕様の荷台を取り揃えていた「T」も、オート3論が輸送の主役の座を小型4輪トラックに奪われ、次第に活躍の場を失っていく中で、荷台種類が大きく絞り込まれていきます。10尺低床も、旧・T1500時代には代表的な機種だったようですが、T2000ではすっかりマイナーな存在となっています。
 材木屋さんの低床はちょっと珍しいのですが、積み上げ作業のし易さや、よりスリムな全幅等が選定ポイントとなったのでしょうね。

(2004.7 広島県広島市中区)

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