5.葬られた「T」 −その1−




 草ムラの真っ只中に佇んでいるこの「T」、キャビン後方は完全に枯れ草に覆い隠されてしまっており、荷台の種類など全く判別不能となっています。
 私はそれまで、いくら大好きな「T」であっても、廃車体のものはあまり積極的に撮影していなかったのですが、このクルマのドアに鎮座する「T1100」というオーナメントが目に入ったからには、さすがに無視するわけにはいきませんでした(笑)。
 私は過去に僅か4台しかT1100を撮影できていないのですが、そのうちの貴重な1台がこの個体というわけなのでした。

(1981.4 山口県佐波郡徳地町)

 スクラップヤードで「T」に遭遇することは過去に多々あれど、複数の「T」が近接して佇んでいるケースはかなり稀だといえます。
 この写真を撮影した時は、これ以上奥に進むのが物理的に困難だったため、やむなく「T」のツーショットにしたのですが、後になって写真をじっくり眺めてみると、手前の「T」はフロントサッシからサイドミラーが生えた古いタイプだと気が付き、もう少し詳しく見ておくべきだったと悔やんだものです。たぶんT1100/T1500時代か、それ以前のものと推測されます。
 それにしても、ルーフ部分の損傷が激しいですね。

(1981.3 山口県熊毛郡熊毛町)

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