<旧車シリーズ 720>


DATSUN 1300 TRUCK (521)


 
1968年、1トン積みのボンネット型トラックのダットサン1300トラックは、外観スタイルを一新し、居住性/安全性を向上させた521型となった。先代の520型と同じ4灯式ヘッドランプを採用しながら、従来のダットサントラックのようにブルーバードの面影を残すことなく、完全オリジナルのフロントマスクが与えられたのが特徴のひとつ。
 車体サイズは520型とほぼ同じだが、全長のみ45mm延長されている。ロングボデー車(G521型)、ダブルピック(U521型)といったバリエーション展開、3名の乗車定員や車両重量までも先代520型と同一であり、車両価格もほぼそのままスライドさせている。パワーユニットも520型から新採用されたJ型・1299ccOHVエンジンを引き継いでおり、最高出力62ps/最大トルク10.0kgmのスペックにも変化はないが、後にエンジン呼称はJ13型へ変更される。フルシンクロの4速コラムシフトと組み合わされ、最高速度は120km/hである。
 その後、1970年に1500シリーズを加えたダットサントラックは、520型の登場から7年を経た1972年に、次世代の620系にバトンタッチする。


 
520型から521型への進化は、フロント周りのデザイン変更をメインとした地味なマイナーチェンジですが、ちょうどこの時期は日産とプリンスの合併を機に両社の商用車ラインナップの整理統合が進んだ時期にあたり、晴れて存続が決まったダットサン1300トラックとしても、最小限の投資で精一杯変わり映え感を出すことで、延命の道を歩まざるを得なかったんでしょうか。
 結果として、市場で大変ポピュラーな存在となった521型は、コストパフォーマンスがとても高いモデルと言えるでしょうね。


推定年式:1968
撮影時期:1982年7月
撮影場所:山口県新南陽市福川にて