<旧車シリーズ 719>


MAZDA FAMILIA TRUCK (BPB55)


 
1967年、東洋工業は主力セダンのファミリアをフルモデルチェンジし、二代目・ニューファミリアが登場する。これに伴い、商用モデルのバンは1968年1月、トラックは1968年5月に相次いで新型にスイッチされた。オーバルシェイプのボディデザイン、角型2灯式ヘッドライトや三角窓を廃したフロントサイドウィンドゥ等はファミリアシリーズで全車共通である。トラックはさらに、クラス唯一となる安全合わせガラスのフロントウィンドウや、前開きのボンネット等で安全性を強くアピールしていた。
 水冷直列4気筒987ccのPB型エンジンは、先代のファミリアトラック同様、より低速トルクを重視したチューンが施され、最高出力はバンよりも10ps低い48psとなる。また、ホイールベースは2340mmと変わらないが、最小回転半径は先代の4.8mから4.5mへ短縮されており、若干大きくなったボディサイズを巧みに補った。2.5万円高となるデラックス車には、ラジオ/ヒーターが標準装備となったほか、フェンダーにはサイドマーカーが装着された。
 1969年には1169ccOHVエンジンを搭載する1200トラックが追加された。


 
ファミリアをベースとしたトラックは、結局は最後までこの二代目の基本デザインを踏襲することになりました。そのためか、写真のモデルは35年以上も前のものにしては意外と古臭い感じはなく、むしろ馴染みあるスタイルに思えます。当初からシンプルでくせのないデザインだったことが、その後の何回ものベースモデルのモデルチェンジの影響を受けることなく生き延びた最大の要因だったかもしれません。もっとも、四代目のX508ファミリアのデザインあたりだと、トラックモデルを想像するのはかなり無理がありそうですが・・・。

推定年式:1968
撮影時期:1981年3月
撮影場所:山口県光市島田にて