<旧車シリーズ 721>


MAZDA B360 TRUCK (KBDA33)


 
B360は東洋工業初の軽4輪トラックとして1961年に登場した。R360クーペと共通の4サイクル空冷V型2気筒エンジンを搭載したFR駆動方式の軽トラックとして発売し、1963年のマイナーチェンジでフェイスリフトを行ない、エンジンを水冷式の直列4気筒へ換装した。ライバル勢は空冷2サイクル2気筒が主流の中、アルミ合金製のDB型エンジンは格段に静粛性が高く、最高出力も当初の13psから18psへ大きく向上していた。のちにこの数値は20psまで引き上げられる。
 1966年には再び大掛かりなフェイスリフトが実施され、角型2灯式のヘッドランプを備えたモダンな顔付きとなる。基本メカニズムは従来のB360のものを踏襲したが、居住性や快適性、耐久性を向上させ、足廻りのメンテナンスフリー化も進めていた。車両重量は旧型より若干軽くなったが、車両の諸元値は全く同一であった。
 その後、B360トラックは1968年にフルモデルチェンジを受け、ポータートラックという新名称が与えられることになる。


 
写真のB360は、パッと見では極めてポーターに近いイメージを持っていますが、フロントバンパー上部に設けられたウィンカーがB360の証しです。
 私がB360で常々不思議に思うのは、これまでライトバンも含めて何台ものB360の撮影記録があるのですが、いずれの車両も判で押したようにフロントグリルの外縁が上下に波打っていて、グリルの横桟と全く均整がとれていないのです。これが軽微な接触跡でないとしたら、グリル素材の耐候性に何か問題があったのかもしれません・・・。


推定年式:1966
撮影時期:1981年1月
撮影場所:山口県光市伊保木にて