cc<旧車シリーズ 717>


NISSAN JUNIOR (B42)


 
ニッサンを代表するボンネット型トラックのジュニアの歴史は古く、初代モデルの発売はじつに1956年の出来事となっている。
 最大積載量1.75トン積みで登場した初代ジュニア(B40型)は、日産としては戦後初となる新設計のトラックシャシーを与えられ、デザイン面では左右のAピラーに向けて大きくラウンドするウィンドシールドの採用は国内初とされた。そのパワーユニットには、ノックダウン生産から始めて完全国産化を達成したばかりの高級乗用車・オースチンA50の1H型エンジンが選ばれた。水冷直列4気筒の1489ccOHVエンジンは最高出力50psで、2〜4速シンクロメッシュの4段トランスミッションと組み合わされ、最高速度は90km/hに達した。
 1958年にはマイナーチェンジを受けてB42型となり、2連式キャブレターの採用と高圧縮比化で、最高出力は57psにアップ、同時に1.25トン積み車も追加された。その後、1960年にはエンジンを1488ccのG型(最高出力71ps)に換装し、B140型へ移行する。ジュニアには全鋼製のバンボディを架装したバンタイプもラインナップされていた。


 
私にとってジュニアトラックは、4灯式となった二代目でさえ遭遇する機会は極めて稀な存在だったため、写真のような初代ともなれば、もはや自動車博物館の所蔵品に頼るしかありません・・・。
 展示車のプレートには発売年の1956年が記されていますが、ロアグリルの形状から判断する限りは、初期型ではなく、マイナーチェンジ後のものと推測されます。もっとも、古いクルマゆえに、年式違いのグリルが装着されている可能性も否定できないのですが・・・。


推定年式:1959
撮影時期:2002年5月
撮影場所:石川県小松市二ツ梨町 日本自動車博物館に