<旧車シリーズ 628>


TOYOTA TOYOACE 1300 (PK32B) 


 トヨタの誇るトラック群の中でも随一の長い歴史を誇るトヨエースは、1959年に新キャビンをまとった二代目がデビューすると、1961年には排気量を1000ccから1200ccに拡大、その後も1500ccモデルを追加するなどして、商品の梃入れを順次図っていった。
 1967年のマイナーチェンジは比較的大掛かりなもので、外観では初代から続いた2灯式のヘッドランプをついに4灯式へ変更、グリルデザインの変更と併せて、トヨエースの前身のライトトラック時代から続いた2眼のマスクと決別した。エンジンに関しても、1トン積みクラス(PK32型)のユニットを従来の2P型・1198cc(最大出力55ps)から、新開発の3P型・1345cc(同65ps)に換装した。1.5トン積みクラス(PK41型)の2R型・1490ccエンジンも、のちに圧縮比アップ等により最高出力を70psから77psに向上させている。ただし4速のトランスミッションは2〜4速シンクロメッシュで変更はなかった。
 トヨエースは1971年に三代目がデビューするまで、ライトトラック以来のセミボンネット風のスタイルを15年以上も継承し続けたことになる。


 
この頃のトヨエースは、古典的なボディスタイルやメカニズム等で、ライバル勢に対して劣勢が否めない部分を幾つか持っているのですが、晩年のトヨエースには超低価格という大きな切り札がありました。それは、低床標準車の東京店頭渡価格49万円が、ひとつ下の1トン積みクラスにデビューしてきたハイエースの48万円とほぼ同額であることからも明らかです。お客さんのニーズや予算に合わせ、様々な車種/機種をきめ細かく取り揃えているあたり、さすがはトヨタ、という感じですね。

推定年式:1967
撮影時期:1981年2月
撮影場所:山口県防府市向島にて