<旧車シリーズ 604>


’68 DAIHATSU V150 (SV15)


 
ダイハツの小型4輪トラックの歴史は、1958年に発売されたベスタという2トン積トラックに始まる。エンジンは水冷式V型2気筒の1478ccOHVエンジンだったが、1960年には1490ccの4気筒エンジンに換装され、V200という新ネーミングが与えられた。1962年には排気量を1861ccにスケールアップし、2270ccディーゼルエンジン車・D200も加わった。
 1964年に初のモデルチェンジを受けてキャビンを一新、機種バリエーションが一気に拡大した。V200には全幅1985mmのワイドキャビンが新たに設定されたほか、1490ccエンジン搭載車が復活、1.25トン積みのV100として発売された。その後、2433ccエンジンを搭載する3トン積み車・V300を加えた一方で、1968年には最軽量となる1トン積み車を発売した。この1トン車がV100のネーミングを引継ぎ、新たに1.5トン積み車としてV150が登場した。この時、ラジエーターグリルのデザインも同時に変更された。
 1969年にはヘッドランプが4灯化され精悍な顔付きとなるが、翌1970年、デルタシリーズの登場に伴い、ダイハツのV/Dシリーズは姿を消した。


 このトラックはシンプルなスタイルとは裏腹に、車名と型式名の関係が複雑怪奇です。前者の「D」はディーゼルエンジンを表すのですが、後者の「D」はダブルタイヤを意味します。登場する数字は最大積載量と関連しており、2トン積みのV200/D200の型式はそれぞれDV20(SV20)/DV22となっています。しかし、中期に存在した1.25トン積みモデルはちょっと曖昧で、車名はV100となる一方で、型式はSV15というチグハグさが残っています。その点、写真のV150はきっちり整合がとれています。

推定年式:1968
撮影時期:1980年11月
撮影場所:山口県防府市前町にて