<旧車シリーズ 602>


ISUZU LITE ELF (KA20)


 
いすゞエルフの歴史は古く、その誕生は1959年にまで遡ることができる。堅牢な2トン積トラックとして生まれ、発売の半年後には小型キャブオーバー初のディーゼルエンジン搭載モデルを追加した。その後、8年半もの長いモデルライフの中で、エルフは機種バリエーションを拡大しつつ、ガソリンエンジンを1.5Lから2.0Lに、ディーゼルエンジンを2.0Lから2.2Lに換装、全浮動式リアアクスルやハイドロマスターの装着などでメカニズム的に進化を遂げたが、キャビンスタイルは当初の箱型スタイルを踏襲しており、明らかに古臭いものとなっていた。
 こうして1968年、キャビンを一新した新型エルフが登場したが、この二代目にはガソリンエンジン専用モデルが存在した。シリーズ唯一の2灯式ヘッドライトを採用したライトエルフがそれである。最大積載量は1.25トン〜1.5トンに止まるが、直列4気筒1471ccのG150型エンジンは最高出力68psを発生、主力の2.2Lディーゼルエンジン(同65ps)を上回る。車重はディーゼル車より300kg以上も軽い1250kgで、最高速度は110km/hに達した。


 
積載量クラスもさることながら、車両重量もなかなかライトなこのエルフ、初代の1.5Lガソリン車と比べても車重は200kg以上軽く、エンジンスペック的にも勝っているので、かなり軽快なフットワークが期待できます。ただ外観に関しては、初代も途中から4灯式ヘッドライトに移行していたので、区別化のための2灯式採用は、かえってデザイン的には退化したようなイメージさえします。
 私は当時、このライトエルフを「一つ目エルフ」と勝手に呼んでました(笑)。

推定年式:1968
撮影時期:1982年1月
撮影場所:山口県徳山市晴海埠頭にて