<旧車シリーズ 601>


TOYOPET DYNA 1900 (RK160)


 
トヨタダイナのルーツは、1957年に登場したトヨペット・ルートトラック(RK60型)である。直列4気筒1453ccOHVのR型エンジン(55ps)を搭載する1.75トン積トラックで、鼻先を少し出し、丸みを帯びたセミボンネット風のキャビンスタイルが特徴だった。翌1958年からは最高出力を58psに向上させ、2トン積のRK70型に移行。その後ロングボディ車をラインナップに加え、1959年には乗車定員を3名としたRK85型となり、この頃にダイナという新名称が与えられた。1960年にはホイールベースを延長したRK95型が登場、最高出力も60psとなった。
 マイナーチェンジごとにタフネスさに磨きをかけていくダイナは、1961年のRK150型から大型トラック並の全浮動式リアアクスルを採用する。そして極め付けは1962年、1897ccの3RB型エンジンが与えられたダイナ1900(RK160型)の登場である。小型車枠の拡大に伴って追加されたこのモデルは、最高出力80ps、最大トルク14.5kgmという強力なスペックを誇り、車重は1530kgに達したものの、最高速度は95km/h→105km/hに向上した。


 
この写真のダイナ1900は、近所の家具屋さんで大事に使われていたもので、'50年代に端を発するクラシカルなキャビンデザインは街中で強烈な個性を放っていました。1963年に二代目ダイナが登場する直前の最終型と思われますが、その価格は当時72.5万円。周りの大衆トラックを見渡せば、1.25トン積みながら48万円という低価格を誇ったトヨエースや、全長6m超でも小型車扱いとされた2トン積みオート三輪など、数多くの競合車を抱えていたでしょうね。

推定年式:1962
撮影時期:1980年10月
撮影場所:山口県徳山市梅園町にて