<旧車シリーズ 509>


TOYOTA LITEACE VAN Dx (KM10V−D)


 1970年に発売されたライトエースは、直線基調のモダンなスタイルをまとい、乗用車ムードを持つブランニューのキャブオーバー型商用車として登場した。カローラで定評のある3K型エンジンを搭載することで、クラス最大の積載性能を誇っており、乗車定員3人(または5人)のバンでは、最大積載量は600kg(または400kg)となる。
 水冷直列4気筒OHVの1166ccエンジンは、最高出力68ps、最大トルク9.5kgmのスペックで、オールシンクロメッシュの4速ミッションとの組み合わせにより、車両重量970kgの軽量級ボディを最高速度125km/hにまで到達させている。これは1クラス上のハイエース(115km/h)を上回る堂々の数値である。デラックス車にはラジオ、ヒーター、シガライターのほか、2スピードワイパーや電動式ウォッシャーも標準装備とされていた。
 ライトエースは業務提携先のダイハツにもデルタ750の名前でOEM供給された。


 
ライトエースは今なお存続するトヨタの老舗商用車ブランドの一つですが、この初代モデルのデザインはシンプルかつ機能的なもので、現代でも十分に通用しそうです。'80年代初頭でも街中で比較的多く見かけたため、私の撮影記録にも何台か残っているのですが、他の商用車の例に漏れず、あまり外観状態の良いライトエースバンには巡り会えませんでした。果たして、21世紀まで生き延びている個体はあるのでしょうか・・・。
 ちなみにこの写真、私の自宅前に駐車中の車両を撮影したものです(^^)。


推定年式:1971
撮影時期:1982年8月
撮影場所:山口県徳山市千代田町にて