<旧車シリーズ 508>


DAIHATSU HIJET VAN Std (S37VS)


 ダイハツ初の軽四輪車として1960年に発売されたハイゼットは、当初はボンネット型スタイルで登場し、後にキャブオーバー型のハイゼットキャブ(トラック/ライトバン)をバリエーションに加えたが、1968年5月のフルモデルチェンジを機にキャブオーバー型へ完全移行し、「ニューハイゼット」と銘打って登場した。
 アクティブキュービックスタイルと謳われたライトバンは、先代のハイゼットキャブ・ライトバンの丸みを持ったボディとは対照的に、シャープで洗練されたデザインとなった。エンジンは先代の最終型で登場した水冷式の2サイクル直列2気筒356cc・ZM型(最高出力23ps)で、吸気を管制して吹き返しを防ぐジェットバルブ付きのオイルマチックも踏襲している。前進4段のトランスミッションはオールシンクロ式へ進化し、デファレンシャルギアにはクラス初のハイポイドギアを採用した。また4輪独立懸架式となったサスペンションは優れた乗り心地を提供した。1969年の安全対策を中心としたマイナーチェンジでは、サイドマーカーやヘッドレストが追加されたほか、当初は前開きタイプだったフロントドアが後開きタイプへ変更された。


 いかにも時代を感じさせる初代ハイゼットのスタイルとは違って、この二代目ハイゼットはあまり古臭さを感じさせないデザインのためか、私の撮影記録も数えるほどしか残っていません。写真の後期型よりもうんと素朴な顔をした前期型に遭遇する機会があったなら、結果は少しは違っていたかもしれませんが・・・。
 このクルマのフロントパネルには、ワイパーやウォッシャーノズルに加えサイドミラーのステーまでが所狭しと配置されていて煩雑な印象を受けます。この集中配置はきっと、当初フロントドアが前開きだったための苦肉の策だったんでしょうね。


推定年式:1970
撮影時期:1981年2月
撮影場所:山口県玖珂郡錦町鳴谷にて