<旧車シリーズ 510>


TOYOTA MINIACE VAN (UP100V)


 
軽自動車のラインナップを持たないトヨタの中にあって、1967年に登場したミニエースは、トヨタの商用車のボトムラインに位置するモデルである。ミニエースはその車体のコンパクトさと、パブリカのコンポーネンツの大幅流用による低価格を武器に、ポスト軽自動車としてユーザーにその存在感を強くアピールした。
 シート下に搭載されたエンジンはパブリカの水平対向2気筒790ccの空冷ユニット(2U-B型)で、最高出力は36ps、最大トルクは6.3kgmをマークする。トランスミッションはオールシンクロメッシュの4速ミッションで、最高速度は110km/hである。
 1BOXスタイルのバンモデルは1968年12月、7人乗りのコーチとともに追加された。片側にスライドドア、リアに跳ね上げ式のバックドアを持つ4ドアスタイルで、乗車定員は最大5名、最小回転半径は軽自動車並みの3.9mと、小型商用バンに求められる利便性をきっちりと押えている。後席折り畳み時の最大積載量は400kgである。


 
写真のミニエースバンは、フロントガーニッシュに大きく「TOYOTA」の文字が入り、ウィンカー色がオレンジとなった最終型です。ミニエースの専用ブランドシンボルを誇示していた初期型と比べると、幾分シンプルになった印象を受けますが、前席シートベルトやヘッドレスト等の安全装備を年々充実させていった過程で、その外観デザインも合理的に進化を遂げたと見るべきなのでしょうね。

推定年式:1972
撮影時期:1980年11月
撮影場所:山口県徳山市相生町にて