<旧車シリーズ 505>


’64 SUBARU SAMBAR (K151V)


 1961年2月、富士重工はキャブオーバー型のサンバートラックを発売し、軽商用車への進出を果たした。1BOXタイプのライトバンが追加されたのは同年9月のことである。
 空冷2ストロークの2気筒エンジンのEK32型(最高出力18ps)や、RR駆動方式の採用は、1958年に発売したスバル360と共通のものである。クラスで最も低床を誇ったライトバンの最大積載量は、4人乗車時で200kg積、2人乗車時で300kg積で、これは競合車のくろがねベビーを50kgも上回っており、さらに、2人掛けの後席は未使用時には折り畳める機能的なものであった。
 ライトバン当初は3ドアのみだったが、1962年3月にはクラス初の4ドアモデルが追加される。そして同年12月にはフロントにベンチシートを採用したデラックスが追加され、スタンダードとの2グレードとなった。このベンチシートは1963年にはスタンダードにも展開され、同時にデラックスの三角窓が開閉式となる。1964年のマイナーチェンジでは、スペアタイヤをフロントシート下に収納したほか、外観上の変更としてはフロントのベンチレーターが大型化されて下方
に移設されている。

 
曲面を多用したスバル360のボディとはかなり趣きが異なりますが、このサンバーも商用車らしからぬ垢抜けたデザインで、台形フォルムのサイドビューはとても個性的です。
 写真の個体の展示プレートは「1962」となっていますが、ノーズ部のベンチレーター位置がナンバープレート付近まで下がっているので、厳密には1964年以降の後期型と思われます。何れにしても、誕生から二代目登場までの6年間、イメージが全く変わらないのも初代サンバーの特徴ですね。


推定年式:1964
撮影時期:2002年5月
撮影場所:石川県小松市二ツ梨町 日本自動車博物館にて