<旧車シリーズ 503>


TOYOTA HIACE COMMUTER (RH15B)


 1967年10月に発売されたハイエースは、客貨兼用をコンセプトにして登場したニューモデルで、豊富なボディバリエーションを誇っていたが、小型車枠に収まるトラック/バン/ワゴンに加えて、4列または5列の乗車シートを備えた超ロングボディ版も存在した。これがハイエースコミューターと呼ばれるマイクロバスである。
 ハイエースコミューターには全長4310mmの12人乗り車(PH10B型)と、全長4990mmの15人乗り車(RH15B型)の2タイプがあった。エンジンは、PH10B型がハイエースシリーズ共通ユニットの3P型・直列4気筒1345ccエンジン(最高出力65ps)を搭載していたのに対し、15人乗りのRH15B型では、1クラス上のトヨエース用の2R型・1490ccエンジン(同70ps)が搭載された。
 ハイエースはこのクラスでは珍しく、左側サイドミラーステー上にフロントアンダーミラーを併設していたが、1971年のマイナーチェンジを機に、サイドミラーと分離独立してフロントパネル側に移動している。


 
このロングタイプのボディは、救急車やキャンピングカーのベースとしても使用されたので比較的馴染みのある形ですが、本来のコミューター用途として、写真のように2ナンバー登録されたクルマに私はほとんど出会ったことがありません。
 写真の個体は建設会社で人員輸送に使われていたものと思われます。大人15名をおよそ1トンの重量物とみなせば妥当な積載量なのですが、元々5ナンバーサイズ幅のクルマに、大人が横に3人ずつ、前後にひしめき合うようにギッシリ座っている姿を想像すると、ちょっと暑苦しそうですね。


推定年式:1971
撮影時期:1982年4月
撮影場所:山口県徳山市東山町にて