<旧車シリーズ 502>


MAZDA LIGHT BUS A−TYPE (AEVA)


 東洋工業は昭和30年代後半から、D1500/D2000トラックのシャシーに13人〜21人乗りのバスボディを架装したモデルをラインナップしていた。これらは架装色の強いモデルで短命に終わったが、その後、2000ccクラスの本格的マイクロバスとして1965年5月に登場したのがライトバスである。
 新登場のE2000トラックをベースとしたシャシーは、クラス最長の3095mmのロングホイールベースを有し、頑丈な全浮動式リアアクスル、クラス唯一の箱型断面フレームを採用するもの。サスペンションは前後ともリーフ式だが、ヘルパーラバースプリングを併用し、両効きのショックアブソーバーを採用して乗心地を高めていた。ボディ形状はライトバスの最も特徴的なポイントで、モダンな台形フォルムをまとったCタイプ、「金魚鉢」をイメージさせる大胆な曲面ボディを採用したAタイプの2種類を用意していた。いずれも定員は最大25名である。
 エンジンはD2000/E2000/T2000などのトラックで実績のあるVA型・1985ccOHVエンジンを搭載した。1967年9月には英国パーキンス社と共同開発したディーゼルユニットのXA型・2522ccエンジン搭載車も追加された。

 ライトバスA型のデザインは一度見たら忘れないくらいユニークで、かつ、今でも決して古臭くない優れたスタイルですが、残念ながら私はこのクルマの実際の走行シーンに出くわしたことは一度もありません。それでもこのバスの存在を昔からちゃんと知っていたのは、かつてミニチュアカーのトミカで商品化されていたためです。
 サイズが大きいだけに個人で所有するのは困難でしょうが、実動するクルマもこの目で見てみたいものですね。


推定年式:1970
撮影時期:1981年3月
撮影場所:山口県新南陽市平野にて