<旧車シリーズ 418>


TOYOTA COROLLA VAN Dx (KE16V−D)



 
1966年11月にデビューし、瞬く間にファミリーカーの販売台数TOPに躍り出たカローラには、最大積載量400kgのバンが存在した。トヨタのライトバンでは、パブリカバン(300kg積)とコロナバン(500kg積)の中間に位置するモデルで、1967年5月に発売された。
 エンジンはセダンと同じK型・水冷直列4気筒1077ccで、最高出力60psと最大トルク8.5kgmのスペック、そしてフロアチェンジの4速トランスミッションで、1000ccのライバル勢に対して確固たるアドバンテージを築いていた。また、カローラバンにはスタンダードとデラックスの2機種があったが、廉価版たるスタンダードはデラックスより5.0万円も安い42.2万円とされ、ライバル車のデラックスよりも安い、巧みな価格設定となっていた。フロントシートは全車がセパレートのバケットタイプで、乗用車譲りのフルリクライニング機構が採用されている。デラックスでは通気性発泡レザーシートとなり、さらに2段切替え式ヒーター、ラゲッジマット等が標準装着となった。
 翌1968年には安全対策を実施するとともに、ラジエータグリルを小変更した。


 
セダンと同じ「プラス100ccの余裕」を与えられながらも、初代カローラバンが一見不便な2ドアボディのみで最後まで通したのは、余分な価格アップを少しでも抑えるための割り切りだったのかもしれません。市場での競合関係を慎重に考慮したうえでの判断でしょう。
 No.412のルーチェバンに続くリアビュー写真の掲載となりましたが、年式推定の肝となるフロントマスクを撮り損ねたのは、中学生時分の私がなぜかこの民家の車庫奧に立ち入ることを躊躇ったためです。・・・大きな番犬でもいたのかもしれませんね(笑)。


推定年式:1968
撮影時期:1982年2月
撮影場所:山口県徳山市大河内にて