<旧車シリーズ 414>


DATSUN SUNNY VAN (VB110S)


 
デビュー以来、カローラとの熾烈な販売競争を繰り広げてきたサニーは、1970年に初のフルモデルチェンジを受けた。ライバル勢に対抗するためにボディ寸法を拡大し、排気量を200ccアップさせたA12型エンジンを搭載することになった。期待の直列4気筒1171ccOHVエンジンは、最高出力68ps/最大トルク9.7kgmという性能で、ようやくライバルと肩を並べることに成功した。
 商用車系はバンが先にモデルチェンジし、セダン系と同時の登場となった、二代目となったサニーバンはボディが従来の2ドアタイプから4ドアタイプに変わり、テールゲートを1枚の跳ね上げ式とするなど、利便性の向上が図られた。フロントサスペンションはダブルウィッシュボーン式からストラット式へ変更されている。スタンダード、スーパーデラックスA、スーパーデラックスBの3グレードが設定され、最上級のスーパーデラックスBには、乗用車モデルと同じフロアシフトの4速ミッションが採用された。他のグレードではコラムシフトの3段ミッションとなる。最大積載量は先代と同じ400kgだが、5名乗車時も200kgまでの積載が可能とされている。


 
二代目サニーは初代から一転、直線基調の新しいデザインとなりましたが、シンプルである分、存在感はやや薄れた感じがします。私がこのクルマを撮影した'80年代初めには、まだかなりの台数のサニーバンが残っていたはずですが、実際に撮影したのはシングルナンバー車の数台しかありません。思えば、当時の国産車はまさに直線基調デザインの全盛期。サニーがあまりにモダンな雰囲気を持ち合わせていたために、旧車として訴えかけてくるものが少なかったんでしょうね。

推定年式:1970
撮影時期:1982年1月
撮影場所:山口県徳山市岐山通りにて