<旧車シリーズ 409>


DAIHATSU COMPAGNO 1000 VAN (F40V)


 軽自動車ハイゼットで4輪への進出を確実なものとしたダイハツは、続けて本格的な小型車としてコンパーノを開発、1963年5月にバンとワゴンの販売を開始した。イタリアのアルフレッド・ビニアーレ氏によるデザインが話題を呼んだ。
 コンパーノバンは最大積載量400kgのライトバンで、ダイハツではハイラインの1クラス下に位置した。リアゲートは上下二分割式を採用、前席シートは無段階リクライニング式とされた。乗車定員は当初4名だったが、翌年には5名に改められる。エンジンは最高出力41psのFC型・797ccでスタートしたが、1966年にはコンパーノ・スパイダー用のFE型・958ccの高性能エンジンがシリーズに加わった。ただし、バンではシングルキャブ仕様とされて圧縮比もダウン、最高出力は65ps→55psに下げられていた。
 1967年のマイナーチェンジではヘッドランプが大型化され、フロントグリルはフラッシャーランプ一体式の豪華なものとなる。1000バンではサイドモールが新たに追加され、同時に最高出力が58psへアップした。


 コンパーノは私にとって街で遭遇する機会が極端に少なかったクルマです。ベルリーナやスパイダーは旧車イベントで見かけることはありますが、ことバンに至ってはそれさえ皆無で、その昔、家族旅行中に遭遇した写真のクルマが唯一の実動車の記憶です。前期型はスクラップ状態のものしか撮影できていません。
 イタリアンテイストのデザインが乗用車を中心に流行していた'60年代、商用車のコンパーノバンがそのスタイルで異彩を放っていた様子を実際に感じてみたかったですね。


推定年式:1968
撮影時期:1983年8月
撮影場所:長崎県島原市内にて