<旧車シリーズ 407>


MITSUBISHI GALANT ESTATE−VAN AU (A52VJ)


 1969年12月、三菱自動車工業はコルトシリーズの後継としてコルトギャランを登場させた。ダイナウェッジラインと呼ばれたキレの良いデザインが特徴で、従来のコルトシリーズのイメージを一新するには十分であった。「エステートV」というサブネームが付くバンは最大積載量500kgで、2ドアと4ドアをラインナップした。
 エンジンは水冷直列4気筒のサターンシリーズで、三菱初のSOHCエンジンである。スタンダードとカスタムには4G30型・1289ccエンジン(最高出力87ps)を、最上級グレードのカスタムLには4G31型・1499ccエンジン(同95ps)を搭載した。トランスミッションはオールシンクロメッシュだが、コルト1500と同じ3段のコラムシフトだった。
 カスタム系にはチルトハンドルや強制ベンチレーション等が標準装着され、カスタムLではさらにオーバーライダー付バンパーや、2系統式のブレーキシステムが採用された。
 1971年のマイナーチェンジではヘッドランプが丸目4灯式となり、エンジンが1400cc/1600ccに格上げされ、トランスミッションもフロアシフトの前進4段に進化した。


 1963年の登場以来、約7年続いたコルトシリーズがいかにも'60年代というボディスタイルだったのに対し、このギャランは'70年代を予見させる新しいデザインを備えています。
 ヒットしたセダンに比べるとバンは地味な存在ですが、角目2灯の初期型、しかも最上級グレードのカスタムLをカメラに収めていたとは我ながら驚きです。港湾関係で使用されていた現車は、外観の良さと進んだデザインが相俟って、旧車というには違和感を覚える程で、もしも私がそのシングルナンバーに気付いていなかったら、こうして紹介できる写真も存在しなかったかもしれません。


推定年式:1970
撮影時期:1982年2月
撮影場所:山口県徳山市築港町にて