<旧車シリーズ 311>


MITSUBISHI MINICA (A100)


 1969年7月、ミニカは登場から7年目にして初のモデルチェンジを行なった。'70年代を先取りする意味で「ミニカ70」のネーミングを与えられた二代目は、軽量・高剛性のモノコック構造を採用、直線基調のウィングフローラインを特徴とした2BOXスタイルへと変貌を遂げた。しかし実用性の追求は先代譲りで、サイドウィンドウにカーブドガラスを採用して室内空間を広げ、リアをハッチバックドアとすることで優れたユーティリティーを確保した。
 サスペンションはFrがストラット、Rrが5リンク式となり、乗心地と安定性を大きく向上させた。エンジンは先代同様に2種類が存在し、スタンダードとデラックスには空冷2サイクル2気筒のイエローエンジン(ME24型)を、スーパーデラックスとスポーティーデラックスには水冷2サイクル2気筒のレッドエンジン(2G10型)を搭載した。いずれも最高出力がアップし、ME24型は21psから26psに、2G10型は23psから28psとなった。4速のトランスミッションはフルシンクロに進化している。
 10月には38psの超強力・ゴールドエンジン(2G10-2型)を搭載するGSS/SSを追加した。


 超ロングランの初代ミニカの後を受け、二代目は同じ名前のクルマとは思えないくらいの大変身を果たしました。初代のような個性的なスタイルは影を潜め、若々しく端正なスタイルを得たことで、かえって旧車らしくない印象さえ受けます。
 当時はまだ少数派だった角型のヘッドライトを採用したことも相俟って、ミニカ70はさぞかし新鮮なイメージを与えたことでしょうね。


推定年式:1969
撮影時期:1982年4月
撮影場所:山口県徳山市住崎町にて