<旧車シリーズ 304>


MITSUBISHI MINICA Dx (LA21)


 1962年10月に登場したミニカは、三菱が初めて発売した軽乗用車である。スバル360が巻き起こした軽自動車ブームに対応すべく、2年前に登場していた三菱360バンのボディ後部を改造し、乗用車として仕立てたものである。
 ミニカの最大の特長は後席およびトランクルームの広さで、ライバル勢と異なるFR駆動方式としたことと、3BOXスタイルを採用したことが大きく寄与している。最小回転半径も3.6mと格段に優れていた。エンジンは空冷2サイクル2気筒359ccのME21型を搭載したが、1964年に分離給油システム「スーパーオートミックス」を採用しME24型となる。18psに向上した最高出力はその後、1967年にリードバルブを設置したME24D型で21psまで向上する。
 当初はモノグレードだったが、1966年12月に廉価版のスタンダードモデルを追加、従来モデルはデラックスと呼ばれるようになる。さらに1968年には水冷エンジンを搭載するスーパーデラックスも登場する。
 初代ミニカは1969年に二代目にバトンタッチするまでの7年間、好調な販売を維持した。

 初代ミニカは3回のフェイスリフトを通じて少しずつその表情を変えていますが、写真のクルマは'64年〜'68年のいわば中期モデルにあたります。残念ながら'63年以前の初期フェイスモデルは私の撮影記録にありません。
 そのボディスタイルは決して奇をてらったものではなく、極めてオーソドックスなものですが、前述のように乗用車に求められる基本要件をしっかり押えていたことが、長年にわたりコンスタントに売れ続けた最大の理由なんでしょうね。

推定年式:1967
撮影時期:1981年3月
撮影場所:山口県光市石田にて