<旧車シリーズ 302>


DAIHATSU FELLOW SDx (L37SU)


 1966年10月、ダイハツ初の軽乗用車として登場したのがフェローである。宝石をイメージしたプリズムカットのデザインを採用し、直線基調のシャープなボディラインと、国産車初の角型ヘッドランプを配した端正なフロントマスクを特徴としていた。
 エンジンは商用車ハイゼットで実績のある水冷2サイクル2気筒356ccのZM型で、最高出力は23psと標準的なスペックで、駆動方式もコンベンショナルなFR方式を採用した。サスペンションはFrがダブルウィッシュボーン&コイル、Rrがダイヤゴナルリンク&コイルの4輪独立懸架で、ブレーキは前後ともL&T式ドラム、ステアリング機構には軽乗用車初のボールナット式を採用した。車体はユニタリーボディと呼ばれるモノコック構造である。
 フェローは当初デラックスとスーパーデラックスの2機種でスタートしたが、4ヶ月後には廉価版のスタンダードを設定、さらに1968年には軽自動車初のスポーティモデルとして、フェローSSが追加された。


 ハイゼットの登場から6年遅れて登場したこのフェローは、商用車で実績のあるメカニズムと、新規性の高いアッパーボディデザインをうまく融合させています。もちろん、この時代らしく、セダンの他にバンやピックアップなどのボディバリエーションも揃えていました。
 フェローはその後、フェローMAX〜MAXクオーレ〜ミラクオーレ〜ミラと発展し、ダイハツの軽乗用車の本流の基礎を築いたモデルといえます。「仲間」という名の通り、その親しみやすさは時代を超えて脈々と受け継がれていますね。

推定年式:1967
撮影時期:1981年1月
撮影場所:山口県徳山市築港町