<旧車シリーズ 115>


ISUZU BELLEL 2000 SPECIAL Dx (PS10)


 1962年、いすゞの独自設計による初の中型乗用車として登場したベレルは、コーダトロンカ風とアナウンスされた先進的なボディデザインが話題を呼んだ。ボディはモノコック構造を採用し、コラムシフト&ベンチシートにより乗車定員は6人。ダブルウィッシュボーン/リーフリジッドのサスペンションはヒルマンミンクスのものを踏襲していた。エンジンはヒルマンに搭載された1500ccOHVの改良型に加え、新たに2000ccOHVをラインナップ。さらに、商用車のエルフ/エルフィンで実績のある2000ccディーゼルエンジンも搭載した。
 内外装には毎年のように小変更が加えられたが、1965年10月のマイナーチェンジではボンネット以外のプレスパネルを一新する大手術を敢行、外観を大きくリファインした。2灯式だったヘッドランプはユニークな縦目4灯式となり、それとは対照的に、逆三角形型だったテールランプは一般的な横長の大型コンビネーションランプに改められた。


 ベレルの名前の由来は、「五十」を表すローマ数字「el」と、鈴の「Bell」を組み合わせたものだそうです。ヒルマンミンクスのノックダウン生産で蓄えたノウハウを元に、乗用車市場に名乗りを挙げたいすゞ(=五十鈴)の決意が伝わってくるようですね。
 この写真は私の数少ないベレルの撮影車ですが、高校入学の直前、片道50km以上もある秋吉台までサイクリングに出掛けた際、カルスト台地中腹の展望台で他県ナンバーのベレルに接近遭遇するという、ほとんどハプニングに近い出会いでした。

推定年式:1965
撮影時期:1983年4月
撮影場所:山口県美祢郡秋芳町にて