<旧車シリーズ 114>


TOYOTA COROLLA 1100 Std (KE10)


 かの有名な「プラス100ccの余裕」のキャッチフレーズ…強豪ひしめく1リッタークラスの大衆車市場にトヨタが満を持して登場させたのが、1100ccエンジンを搭載するカローラである。高岡町の新工場で生産開始されたカローラは、リーズナブルな価格と高い品質で爆発的な人気を呼び、1966年11月の発売以来、瞬く間にファミリーカーの代表的存在となった。
 直列4気筒1077ccOHVのK型エンジンは最高出力60psを発生、最高速度は140km/hと、いずれもライバル車の数値を少しずつ上回っていた。トランスミッションは4速フルシンクロのフロアシフトで、後にトヨグライド車(2速AT)もラインナップ。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがリーフリジッドと標準的なものである。バリエーションの拡充は抜かりなく、1967年には4ドアセダンを、1968年には「Sporty&Luxury」の最上級車・SLを
追加。1969年には装備を充実させたハイデラックスを追加し、同年9月の最後のマイナーチェンジではパワフルな1200シリーズを登場させた。

 さすがに記録的な販売台数を誇っただけあって、同年代のクルマと比べ、初代カローラを撮影する機会には随分と恵まれたものです。ただ、サイドモールなしのスタンダード車は極めて少なく、この写真はとても貴重なShotです。じつは父親の仕事の関係先に初代カローラで通勤するオーナーがいるとの情報を得て、終業時間を狙い会社の通用門付近で待ち構えること数日、ついに現車の捕捉に成功したというわけでした。

推定年式:1966
撮影時期:1982年3月
撮影場所:山口県徳山市御影町にて