8月30日(月)
曇り。
なにやら怪しげな空模様だったが、今日はプローチダを片づけねば。
港の時刻表によると、フェリーがもうじき出るらしい。しかし、窓口で”プローチダ行き”と告げると、売場はあっちだ、とにべもない。言われた窓口(別の建物。切符売り場は会社別になっている。)に行っても誰もいない。他にも困り顔のツーリストが数人うろうろ。お互い顔を見合わせて首をかしげるばかり。出発の時間が迫っても窓口に係員は現れない。第一、船はどこにいるのだ。そのとき、うろうろしていた客のうちのカップルが、誰かに何かたずね、慌てて走り出した。どうやら船の場所そのものが違うらしい。わたしたちも後を追って小走り。2,300メートル離れたところに大きな船が停泊している。あれだ。しかし、もう出発時間、目の前で車用タラップがはねあげられていく・・・そうか、水中翼船とフェリーは全然別のところでコントロールされていたのか。しかし、こんなときだけ定刻に出発するなんて。おまけに雨まで降ってきた。情けない。
バールで雨宿りして、次の船を待つ。雨は更に激しくなる。でも、ここまで来てあきらめるのもしゃくだし、ホテルに帰ってもしようがない。雨の中、水中翼船に乗り込む。プローチダまで5,700リラ。雨はやむ気配がないが、プローチダに着けば降りねばならない。船着き場の目の前のリストランテに飛び込む。同じような雨宿り客多数。30分ほどでほぼ雨はあがり、港Sancio Cattolicoをうろうろする。雨に濡れたカラフルなスタッコ。教会はLa chiesa di Santa Maria della pieta'か。シエスタは徹底していて人通りもない。
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サンチョカットリコの教会
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街並み
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チェントロに向かう坂道
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サンチョカットリコ港
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船着き場に数台いたmicrotaxiのおじさんに交渉してみると、2時間30,000リラでプローチダ全島観光してくれるという。出発。オート三輪は悲鳴をあげながらチェントロへの急坂を登る。あっという間にチェントロを抜け(オート三輪が早いのではなく、それくらい小さな島だ)、島の反対側の高台。ここがTerra Murata 、サン・ミケーレ・アルカンジェロ修道院Abbazia di San Michele、そしてその後方にかつての刑務所penitenziarioが続く。ドライバーの説明によると、ここにモンテ・クリスト伯が幽閉されていたのだという。言われてみればそんな気もしてくる。
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サンミケーレ修道院
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ここにも人が住んでいる
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断崖の反対側の彼方にコッリチェッラ漁村Corricella の家並みが。ここが”イル・ポスティーノ”のロケ地。とくに目立つ黄色いスタッコの建物がバールとして使われた。この眺めは本当に素晴らしい。
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コッリチェッラ遠景
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コッリチェッラ
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ここからオレンジやレモン、いちじくの果樹園を抜け、島の西部Ciracielloへ。ここから更に西の方角に橋でつながる小島Isola di Vivaraがある。Ciracielloも小さな港でだが、ここでドライバーは20分の自由時間をくれ、どこかにオート三輪を走らせていった。後で聞いたら、ドライバーの家がこの近くで、用事を済ませに行ったとか。いい加減というかのどかというか。そこから島の南側に廻り、l'OlmoからS. Antonio Abateのspiaggiaーここがこの島でいちばんひろい海水浴場らしいーさらに彼方にCorricellaを望むポイントでしばし停車し、Sancio Cattolico港に戻ってプローチダ一周観光はおしまい。
コッリチェッラのカラフルなスタッコを見るだけでもナポリから渡って来る価値がある。水中翼船でわずか30分余りのお勧めスポットでした。