9/19〔火〕 朝目覚めると、空は暗く、雨が降っている。島に出かけることにして予約はしたものの、この天気では・・・と悩みつつ夕べ入れなかったリストランテで朝食。今夜も食いはぐれては、と今夜分の夕食の予約を済ませる。そうこうしているうちに雨もあがったので、予定通り船に乗ることにする。 遊覧船は10時に出発、各駅停車しながら北に向かう。曇り空だが、乗客は7,8分の入り。最初の船着場チェルノッビオCernobbioにヴィッラ・デステの偉そうな姿がそびえる。湖畔には別荘、ホテルが並び、優雅なたたずまいだが、どこまで進んでも同じ風景なのでいささか飽きてしまう。 11時半にようやく目的地コマチナ島Isola Comacinaに到着。船が着いたとたんに雨が降り始める。船着場には小さな売店のようなバールがあるが、客はいない。目の前がリストランテの門だが、鍵がかかっていて入れない。バールのおばちゃんが開けてくれようとするがダメ。“9月は雨の日が多いのよ” 湖岸の小径を少し歩いてみるが、肌寒く、なんとなくうらぶれた気分になってくる。 12時にやっと門が開けられ、丘の上のリストランテ“ロカンダ”Locanda dellユIsola Comacinaへ。大きな店だが、客はわたしたちだけ。ガーデンのテーブルもあるが、この雨ではとても無理、屋根のあるテラスの席に案内される。そうこうするうち他に2組の客が登場。遊覧船が着いた気配はないので、対岸からボートで着いたのだろうか。料理はコースのみで、ワインまで全てこみで95000リラ。チキンと湖で獲れるブロンズィーノbronzinoという魚がメインで、味は悪くない。このブロンズィーノというマスに似た淡白な味の魚にはこの後何回もお目にかかることになる。デザートのコーヒーは店主ベンベヌト・ピュリィセリィBenvenuto Puricelli氏自ら演ずる“火の儀式”なるパフォーマンスとともに供される。この店主、“どこでこの店を知ったのか? 日本の雑誌ならば何という雑誌であるか?”などとマーケティング調査も欠かさないなかなかのやり手風。日本語のパンフレットも用意されている。 ==================================== LOCANDA DELLユISOLA COMACINA Tel (0344) 55083-56755 Fax (0344) 57022 UFFICIO POSTALE; 22010 SALA COMACINA 3月1日から10月31日まで営業 火曜定休だが夏の間は休まない ===================================== |
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食事が済んだ頃には雨もあがり、帰りの船が来るまで時間があったので、島の裏側まで歩いてみた。5分ほどで小さな平地に出る。そこには廃墟になった教会。CHIESA DEI SS GIOVANNI PIETRO E PAOLO (SECOLO XVI)の銘板がある。特に意味はないがフォーク・クルセダーズの“何のために”を思い出す。 |
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船でコモに帰りつくと夕方。ケーブルカーFUNICOLAREに乗る。片道4100リラ。終点にも家が建ち並び、ケーブルカーは観光用というより生活の足であるようだ。終点からパノラマ地点まではかなり(10分以上)歩かなければならない。面倒くさいので途中で戻りたくなるが、イタリア人中高年観光客グループが“こっちだ、ついて来い”と手招きするのでやむを得ず後を追う。パノラマ地点と言っても望遠鏡が一台あるだけ。正面にヴィッラ・デステが見える。夕暮れの湖畔は、ジョガー、抱き合う若い恋人たち、ベンチに腰掛ける老人たち。なぜかコイン投入式体重計が立っている。 夕食はホテルのリストランテ“インバルカデーロ”IMBARCADERO。満席である。なるほど、予約がいるはず。ポルチーニ茸大量投入のパスタは美味しい。ふたりで120000リラほど。 |
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