数年ぶりの上野動物園。今の展示形式になってからは初じゃないかな。
15時に入園したのでずいぶんと駆け足。
それでも東園は夜行生物の建物以外は概ね見たはず。
ゴリラ(→)は、毛布をかぶってたりしてずいぶんと人間くさい姿を見れた(^^)。
上述の通り、今の展示形式になってからは初訪問であるが、なんだか印象がズーラシアとかと似ている。まあ自然に近づけた展示となると必然なのかな。
モノレールは今回も乗れず。大行列だったのだ。おーいみんな。並んでいる間に動物園しまっちゃいますよー(^^;。ということで、歩いて西園に。既に16時を回っていた。時間が遅すぎてふれあいコーナーの小動物は帰っちゃっていた。残念。両生類・爬虫類館も入れず。とっても残念。キリンやサイも外では見れず。でも屋内で食事風景が見れたから良いか。上野にも前からオカピいた?忘れちゃっているだけかなあ。
今回もっとも面白かったのはオオアリクイ。一頭がエサをなめとった後(その舌の長いこと!60cmだとか)、もう一頭と「キス」をしていた(←)。あれはナニ?二頭は親子関係とかで、エサを口移しであげたりしていたのかな?ポーズがキュート(^^)。
私は洋画を見に行って、冒頭に「字幕 戸田…」と出るとがっかりしてしまう。実例としては近々では『指輪物語』と『スターウォーズ』を挙げておけば、わかる人にはわかってもらえるのではないかと思う。
本日ウェブを探索していて、とある意見が目についた。
それによると、戸田奈津子クラスの字幕翻訳家は年に50本の字幕を翻訳するのだと言う。その理由としては、翻訳家の数が足らず、一本のギャラも安いのだとか。その背景には、日本映画業界の問題があるらしい。すなわち字幕に予算をかけない。馬鹿な宣伝にはやたら金をつぎ込むくせに。
戸田氏も例えばシェークスピアなどの造詣は深いのだとか。氏のようなトップクラスの人ならば、準備期間を十分かけて、練りに練った字幕を作ればさぞ素晴らしいものが作れるのであろう。トップクラスの人ですらそういう仕事の仕方を許されない映画業界の構造こそが最大の問題だと言うのだ。
かつて帰国子女の人が語った噂として、字幕翻訳業界の偏狭さみたいなことを聞いたことがあったが、仮にそれが真実であったにせよ、さらにその背後に業界としてのそういうことを招く事情があったのかもしれないなあ。
音楽業界といい、映画業界といい、その扱っている文化に本当の愛を持たぬ者が、あまりにも幅を利かせすぎているんではないだろうかね。
毎日新聞2004年4月6日付記名記事(大久保資宏)
放射性物質:排ガス低減装置から検出 5000台以上使用
記事の主張と最後に添えられている専門家のコメントが相反していると思うんだけど。
例えば、
自動車の排ガスを低減する装置から、ウランやトリウムなどの放射性物質が、最大で自然界の2000倍の濃度で検出されている
とか数字で煽っておきながら、それがどの程度の物かという部分を見てみれば、
文部科学省の青木照美・原子力規制室長は「放射能濃度が法規制以下と思われ、動きようがない。今後の使用は利用者の責任で判断してもらうしかない」と話している。
と、法規制以下だと明言している。何じゃそりゃ。
まあたしかに問題は使用量じゃない。どれだけ被曝しちゃうかだ。放射線防護の基本は「距離、遮蔽、時間」。遮蔽なしの至近距離に長時間居ることを強要されるような装置であれば問題はありうる可能性もある。そのあたりの記述を見ると、
自然界の約60〜100倍に当たる1時間当たり3〜4.8マイクロシーベルトの放射線が確認された。一般人の年間被ばく限度(1ミリシーベルト)=国際放射線防護委勧告=の26〜42倍、運転席や助手席からは自然界の13倍が検出された。
前半、放射線量ってどういう距離での測定なのさ。使えない数字だなあ。考えるのに一応役に立ちそうな記述で見ると、運転席や助手席の13倍って数値で考えるのがよさそうだ。
ただここもいやらしい。1ミリシーベルト/年という放射線防護委員会勧告の数字を時間あたりに直すと、0.11マイクロシーベルト/時間。3マイクロシーベルト/時間はたしかにその26倍。その直後に、「運転席や助手席からは自然界の13倍が」とかかれていたら、13倍ってのは26倍の半分だから、1.5マイクロシーベルト/時間だと思うだろう。ところが良く見れば、ここは「防護委員会勧告の」13倍ではなく「自然界の」13倍。上で3マイクロシーベルト/時間を自然界の60倍と言っているから、それで換算すると自然界の13倍は0.65マイクロシーベルト/時間となる。ちょっと見の印象と良く読んでわかることとの間で実質的に2.3倍さば読んでいるのだ。
まあ2倍程度鯖を読んでも問題は変わらないのかもしれない。ということで、それがどういう障害を受けるようなレベルなのかの記述を見ると...
今回の放射線レベルなら装置に近づかない限り心配はいらないだろう。
心配いらないのかよ(^^;。
とはいえ言葉で心配いらないと言われても、それだけでは安心は出来ない。ということで、被曝することが知られている国際線パイロットの被曝量と比較してみよう。ぐぐって出てきた表の中で、一番被曝量の多い成田−ニューヨーク間と、成田−ジャカルタ間について抜き出してみよう。
路線 | 飛行時間(時間) | 被曝線量(マイクロシーベルト) |
---|---|---|
成田−ニューヨーク | 26.13 | 93.22 |
成田−ジャカルタ | 14.41 | 23.46 |
これから飛行時間内の平均の被曝線量率を求めると、ニューヨーク間が3.57マイクロシーベルト/時間、ジャカルタ間が1.63マイクロシーベルト/時間となる。今回の運転席や助手席での被曝量は、国際線パイロットの場合の低い方のジャカルタ間より2.5倍低いことがわかる。
種別 | 推定被爆線量率(マイクロシーベルト/時間) |
---|---|
国際線:成田−ニューヨーク | 3.57 |
国際線:成田−ジャカルタ | 1.63 |
排ガス低減装置使用時の被曝 | 0.65 |
まあ国際線パイロットよりは結構ひくいぞ、と。
でも国際線パイロットと言えばすごい高給取りのイメージ(ほんとはどうかは知らないけど)。それと比べるのもナニかもしれない。改めて年間被曝量に換算してみよう。仮に一回12時間、週5回労働を52週全部やるとすると、年間では3120時間となる。トラック労働者の労働時間によると、トラック運転手の年間労働時間平均が全国平均で2500時間未満となっているから、実態として過重な労働になっちゃっているような分(があるとして)をあわせても少なくとも過大な見積ではあるまい。この時間の全てに0.65マイクロシーベルト/時間の被曝を受け続けていたら、年間2ミリシーベルトの被曝量となる。まあ一般の年間被曝限度は越える。が、職業被爆の年平均20ミリシーベルトの1/10程度。たしかに問題ないんじゃないかな。ただ、1ミリシーベルトを越えるって時点で、何らかの管理は必要という議論はありうるかもしれない。
記事に戻れば、そもそも誰が主体となってどういうメディアに発表した物かというソースが明示されていない。記事中でのそれに関係した記述と言えば、
分析専門機関として知られる「ジオクロノロジージャパン」(大阪市)が依頼を受けて分析した結果
とあるだけ。誰が依頼して、どこに発表した結果なのよ。さらに、記事の冒頭の要旨を専門家は放射線の影響は無視できないと警告していると結んでいるが、本文ではどういう専門家による警告なのか全然明示されていない。記事末尾の「丹羽太貫・京都大放射線生物研究センター教授(放射線生物学)の話」を指しているのなら、基本的な姿勢としては上にも引用したとおり心配はいらないだろうと言い切っているんですけど。
念の為申し添えておくと、別にこの問題をほおっておけと言いたいわけじゃない。こんな報道じゃどこをどの程度正確に怖がっていいのかわかんないじゃない。
タカラ『青春のオールナイトニッポン』
オールナイトニッポンはいいけど、BCLラジオがねえ。当時私はSONY派だったのよん。
しかしBCLと深夜放送ねえ。BCLってメインは海外放送でしょう。国内のAMってマイナーな類の趣味だったと思うんだが。まあクーガの場合ジャイロアンテナ装備とAMを指向した機種だったから一応整合性はとれているのかな。
10年以上前の処女作とのことだからしょうがないのかもしれないが、点と点が全然線になっていない。この手の歴史異論ものは、最低限自分の挙げる資料の範囲内での説得力さえ整っていればそこそこ楽しめるのに。
# 架空歴史物じゃないんだってば(^^;>自分
例えば蘇我馬子と聖徳太子の夫婦関係の類似性を上げておきながら、次の代とされている蝦夷をすっとばして入鹿を聖徳太子にあてる。言っている内容が聖徳太子という人格に馬子と蝦夷と入鹿をはめ込んでいると言うなら、その必要性と推定される実像をある程度描いて見せてくれないと、全然納得できない。
また、九州王朝と出雲王朝が並立競争関係にあったと主張しながら、具体的な闘争の痕跡を示すわけでもなく(継代王朝交替時にも20年の闘争期間と思われるものがあったわけでしょう?)、役者も両王朝に両属しているような書き方のままである。これまた全然納得できない。
ついでに言えば、本書の一連の説明からでは、なんで皇室が「出雲系の神様しか積極的に詣ろうとしないのか」が良くわかんなかった。
本書は、いろいろな論が整理されないままごった煮となっている印象を受ける。この『作品世界』自体はちょっと面白いし、続編にあたる『作品』が文庫の続刊であるようだから、もう一つ二つくらいは見てみようかな。
# だから架空歴史小説とかじゃないってば(^^;
ネットに色々な情報が流れてきている。人命がかかっている状況であまり不用意なことは言うべきではないのだろう。またネット上でも既に色々意見が流れているので、いまさら好きで行ったのだから自業自得だとか発言を重ねずとも良かろう。
ただ、少なくとも18才のガキに、劣化ウランを「小型核兵器」だの「放射線問題」だのと事実無根のことを繰り返し植えつけて洗脳してきたマスコミにも、あんなところまでふらふら行かせたことについての責任の一端があると思うぞ。
劣化ウランて重金属問題じゃん。だから良いという問題ではないし、自分も環境や生物に「優しい兵器」(語義に矛盾がある気がする)だとは思わないが、「核」という言葉が世間に与えるインパクトに比べると、煽動力がかなり違うと思う。
具体的な話を書こうとすると、おそらく勝谷誠彦の××な日々。をなぞるだけになりそうなのでやめておく。
今回あの3人がかかる行動をとらなければあるいは「自衛隊は撤退できた」かもしれないのである。
ってのはまさにその通りだと思う。退路を断ったのは彼ら自身である。
国立科学博物館でスターウォーズ展。このところ上野づいている。
あまり混んでおらず、見やすい。入場時に直前にいたカップルの男性が、音声ガイドは絶対必要だと言っていたのにつられて借りてしまう(笑)。まあ面白かったけどね。
内容であるが、科学的解説云々は別にして、単純に面白い! 映像で見てたアレがこんなにちゃちかったのか!ってのもあれば、おお、これがアレか!ってのもあり、こうなってたのか!ってのもあり、衣装にしても最近の2作は昔のに比べてずいぶんと豪奢だなあとか。 チューバッカが犬だったってのは初めて知ったし、ポッドレースでの大観衆のミニチュアの仕組みは非常に興味深かった。 面白かったので、はじめは買うつもりがなかった図録買っちゃったよ(^^;。
上で別にした「科学的解説」について一応補足。 展示の所々に科学的な解説がついているのだが、スターウォーズをタネに現状の科学を少々説明しただけで、スターウォーズの世界に迫る上で不足した部分についての飛躍や想像力による補足が全然なくて、ちょっと尻切れ蜻蛉気味の解説だという印象。 知っているヒトにはなんだか分かり切ったことのようで、知らない(若い)ヒト向けにしてはお固いし。 科博の立場からだとそういうSF的な飛躍は難しいのかなあ。 まあ科博でやるための言い訳という感じだった。
念の為申し添えておくと、科博でこれをやったことを否定するつもりはない。 科博の意義に照らし合わせてもとっても良く似合った展示であったと思う。 ただ、ナニか分かりやすい言い訳をつけておかないと、オツムのお固いお偉方にはそのあたり分かってもらえなかったんだろうなあ、という想像をしちゃったのだった。
しかし第一作から25年か。当時20才の若者も45才。30才なら55才。 ちょうど力を持った年代だよね。 きっと企画した人が一番楽しんでいたのではないかなあ(^^)
スターウォーズ展の半券で、みはし(アトレ内)のあんみつに白玉を追加(^^)。 みはしはあんこが甘すぎなくて美味しい。あとみつまめの杏子が凄くうまい。 ドライフルーツは結構好きなんだけど、ドライフルーツランキング一位かも。 今作ったランキングだけど。
8日から9日にかけて、株価総額が13兆ほども下がってたんだとか。今はある程度戻しているようだけど。あの3人の寄与分はどの程度であろうかね。
ネット上などではいろいろと「そういう」話も出ているが、個人的には、彼等自身が単独で行った自作自演だとは思っていない。 それほどの力量も感じないし(侮)。 しかし、なんかいかがわしいんだよねえ。 とりあえず早く無事に帰ってくることを望む。すべてはそれからで十分だろう。
劣化ウラン関係でうろついているうちに、イラク自衛隊派遣/自作童話という頁にたどり着いた。内容には立ち入るつもりはない。特に気になった一点だけ。
こんど茨草にやる兵隊には、身を守る武器はもちろん大切ですが、ほんとうに茨草の犬のためになるようなものをいっしょにたくさん持たせてください。毒の爆弾にやられないように、ヨードも沢山持たせてください、
毒の爆弾とは劣化ウラン弾を指しているらしい。ではなぜヨード剤?もしかしてヨード(ヨウ素)が放射線被曝を防いだりなおしたりする特効薬であるとでも思っているのだろうか。
安定ヨウ素剤(ヨード剤)は、たしかに原発事故などにそなえて用意されている。でもそれは別にヨウ素が放射能から身体を守ってくれるスーパー特効薬だからじゃあない。
から、全体としてのヨウ素の摂取量が少ない場合、取り込んだ放射性ヨウ素がいつまでも甲状腺に残り、甲状腺を痛めつけてしまう。でも、外部から放射性でないヨウ素をどんどん取り込んでやれば、言わば放射性ヨウ素を薄めてやることができるのだ(不正確な表現。正確には「安定ヨウ素剤投与」あたりをご覧下さい)。
このように、「核分裂生成物」による被曝が予想される場合に「体内被曝の被害を低減」するために摂取するのだ。
では劣化ウラン弾の場合はどうか。ウランはヨウ素じゃない。念の為申し添えておくと、どちらも元素だから、化学反応でどうなるというものでもない。劣化ウランに含まれる放射性核種から放射性ヨウ素が出ることをおそれる向きがあるかもしれないが、そもそも劣化ウランは核分裂しないし、その放射能は低い=あまり壊変しない。だから、仮に生成されることがあるにしても、完全に無視しうる量にしかならない。それでも気になる向きのために、念の為ウランが崩壊する過程でヨウ素が出来るか示すと、ウラン238壊変系列にはヨウ素は含まれていない。
かなりくどく述べてみたが、要は劣化ウランから身体を守るためにヨウ素(ヨード剤)は無用。
ヨウ素剤に副作用がないわけじゃない(上記安定ヨウ素剤投与参照)ことを考えれば有害。
まして、ヨード剤を呑んでいるからと、重金属による害が予想されるところに無防備に踏み込むことになればはるかに有害なことになる。
とここまで書いてきて、「人間の盾、ジャミーラ高橋氏の疑惑」を知る。書いたことがほとんど含まれている上に、その手の人が実際に使っていた、とあるヨード剤について言及している。
見れば、そのジャミーラ高橋なる人物は、「有機ヨード剤(商品名ネオマキス)」という薬剤を「劣化ウランの被害やがんに効く」として扱っていたのだとか。ところがこれが、
そもそも「“有機”ヨード剤」ってなんだよソレ・・・まさかヨードホルムのことか?
注)ヨードホルムは有機ヨウ素化合物で、消毒薬です
注)原発事故などに備えて常備されているのはヨウ化カリウムという無機ヨード剤
そしてそれに関する「ジャミーラ高橋氏本人のコメント」として
★痒くて痛くて、堪らなかった足の甲。劣化ウランでのダメージは免疫性が落ち、被爆は体内で二乗倍に(つまり2は4に、4は16に、16は256に)被害が広がるはずが、私の場合はこのようにほとんど治りました。
有機ヨード液をつけたのです。つけると、痒みと痛みがスーと消え、翌日は皮膚がはがれたところに新しい皮膚が出来ているのです。ただし黒い溶液なので、衣服につけないように要注意。でも不思議な薬剤です。
私のウラン被害(イラクで劣化ウラン弾の打ち込まれたところやツワイサ原子力施設から持ち出されたイエローケーキなど見てまわって、体内被曝)でのダメージのいろいろな症状が、この有機ヨード剤を飲むことで解消してきています。
これは元素よう素(I)を、日本人の手で有機化したものです(世界中で、有機化されたよう素はこれしかない)。だから体に取り込んでも、ワカメや昆布を食べるように害がありません。45億年が半減期と言うウラン元素(U)に対抗できるものは、この元素(I)くらいのものです。
この有機ヨード剤?? 、今イラクで使ってもらっています。その効果が実証され、たくさん欲しいと言うことになると頑張って送ってあげたいよ〜。
ジャミーラ・高橋(2003-12-11)
大絶句。黒い溶液って…ヨードホルムってイソジン?こんなものたくさんもたせてどうするの?みんなでうがいして風邪の予防でもしようっての?
はじめに上げた「童話」がヨードホルムを持たせようと言っているわけじゃあない。でも正しい認識を持ってないと、こういう「棲星怪獣」もどきを名乗るバカどもに食い物にされるだけだよ。
上のような話を書いていて、害があるって方向にばかりかみついていると思われてもしゃくなので、次のような頁も俎上に乗せてみよう。
日本稀元素鉱物応用研究所なるサイトがある。その中のラジウム温泉保養センターの効果ってところを読んで呆れてしまったのだった。例えばこの頁の■ 病気になりにくい体質改善を促す「ホルミシス効果」
って項を見てみると、
ラジウム鉱石が本来持っている自然放射、天然放射線は、その量に関係なく人体に有効なものです。
おいおい。これって原発に反対する人達がかつて言っていたストロンチウムとかが人工放射能だから危ないってのの単なる裏返しじゃん(^^;。放射線に人工も天然も違いがあるか。線質と線量!あとは体内被曝の場合は生体内での挙動、それだけ。天然だろうが人工だろうが、弱くて少なけりゃ危険じゃないし、強くて多けりゃ危険なの。
これらはα(アルファ)・β(ベータ)、γ(ガンマ)線に分かれ、...その中のガンマ線が一番通過力を持ち、体内に有効な効果をもたらすのです。
γ線が透過力を持つ、まではいいけど、なんでそれがいきなり体内に有効な効果をもたらすことの理由となるわけ?
これは「ホルミシス効果」と呼ばれ、糖尿病などにも効果があることが実証されています。
糖尿病に効果があることが実証されたなんて聞いたことがない。まさにその手のことをやっている薬学部出の友人にも確認した。彼によれば、そもそもこの頁のような書き方、薬事法違反にひっかかるんじゃないの?とか。
これはギリシア語で、日本語でいうと「刺激作用」「促進作用」「鎮静作用」という意味です。
なんで刺激と鎮静が同義のように並んでいるわけ? 原子力百科事典によると
ホルミシス(hormesis)という言葉は、ギリシャ語“horme”、すなわち“=to excite”に由来し、ホルモンと同じ語源を持つ。大量では有害作用を有する各種の作用源が、少量では生理機能の刺激効果を有することを指す。
ということだから間違っても「鎮静作用」なんて意味や訳語は出てこないぞ。
さらにコラム2「放射線ホルミシス理論と稀元素鉱物療法」にも誤字や突っ込み処が多いんだけど、とりあえずわかりやすいところだけ。
…低線量の放射能被爆が…
…最適な被爆量が…
被爆となると熱とか爆風の影響も考慮にいれる必要があるから最適な被爆を求めるのって難しそうだね、・・・っておい(^^;。「被曝」でしょうが。爆弾あててどうするか。
リンパ系統には癌細胞など異常な細胞を殺すヘルパーT細胞と免疫システム過剰を抑えるサブレッカーT細胞がある。
サブレッカーってことはレッカー車の補助でもするんかいなあ。って乗り突っ込みする気も起きない。サプレッサーでしょ。偉そうに書くなら用語くらいきちんと使いなさいよ。仮に説得力があるものであってもなくなっちゃうよ。
ラッキー博士の説によれば、最適被爆は年間200レム程度、安全リミットは年間200レム
最適と安全限界が同じなのかよ(^^;。とても使えないじゃんそれじゃあ。本当にラッキー博士がそんなこと言っている?調べてみよう。
RADIATION HORMESIS - Biopositive Effect of Radiations - のFig. 1なんかはたしかに200 rem/Y (γ線だったら= 2 Gy/Y)付近にピークがある図を書いているから、この図からは「最適被曝が年間200レム程度」ってのは正かもしれない。ただ、安全リミットの定義が不明確だけど、ラッキー教授の主張による、「線量0の場合と影響が同じになる点」(でいいのかな。zero equivalent point ;ZEP)は10Gy/Yとしている。これで言えば「安全リミットは年間1000レム」と書くべきなんじゃない?
ちなみに200レムとは今の単位系では2Sv。職業人の被曝限度としては「連続した5年間に年あたり20mSv、どの一年でも50mSvを越えないこと」とある。いきなりその100倍が最適だったり安全だったりってのは認められないんじゃないの。
どちらの方向であれバランスを欠いた話は違うんじゃないのかね。というところで。
昨日の日記を書いた時点では、トンデモを楽しむ気分もあったにせよ、誤解に基づく有害無益な行動に対してどうにかしてあげたいという気持ちも半ば以上はあったつもりだ。
だが、今日軽い気持ちで改めて「劣化ウラン ヨード」で検索をかけてみて、愕然とした。無知とかいう問題ではなかった。既に「その世界」で体系が出来てしまっている。
Google検索でまずみつけたのは「イラクと劣化ウラン被害の子供たち」という、先の「棲星怪獣もどき」の人の文章だった。
ヨードを被爆防護のために飲ませるという話は聞かれたことがあると思うが、それは無機のもので、実害があるため多量に飲むことは出来ない。それを有機化すると多量に摂取可能で、しかも体内のウランをヨードにくっ付けて排出してくれる。これの原料は沃素で、日本近海から取れるものが特に優れているのだという。この有機ヨードで治療するため、劣化ウラン被害のイラクの患者を日本に呼びたいという計画なのである。
と、ヨウ素摂取の害にも一応触れた上で自分の扱っているものは安全であり、機能としてヨウ素がウランをくっつけて体内から排出するのだと述べているのだ。
一体どこからそんな話が?と思って調べるうちに、おそらく元凶の一つと思われるサイトにたどり着いた。それが、「有機ヨードについて」、ヨード剤 「ネオ・マキス」についてのサイトだ。一読しかけてがっくり。
ヨードは広島の被爆の時に、被爆地や被爆者の放射性物質の洗浄に
大量に使われました。
体内の放射性物質や蓄積された金属、有害物質、ウイルス等と結合し、
体外に排出する強力な元素です。
有名な「赤チン」の効果を覚えている人も多いでしょう。
赤チンを皮膚癌に塗り続けると治ると言われています
有害物質と結びつき、それを破壊する、地球上で最強の消毒薬でもあります。
冒頭からこれかよ。ヨードが使用されるのは「放射性物質の洗浄」のためではありません(昨日の引用を参照)。あとなんでここで赤チンが出てくるの?赤チンは有機水銀化合物で(同じハロゲン属の臭素は含んでいるけど)ヨウ素は含んでいませんが(参考:雑文: 赤チン と ヨーチン と イソジン と ヨウ素液)。なんだかナニもわかっていない感がふつふつと。いやいや、先走ってはいけない。続きを見てみよう。
また、体内に蓄積された放射性物質や金属類、ウイルス等と結合し、排出します。
おいおい。基本的にハロゲン属の殺菌作用と、そのハロゲン属中では反応性がゆるやかなことを利用した消毒の効果でしょうが。放射性物質や金属類に関しても、試験管内ではキレート剤的な効果を出すかもしれないが、本当に体内で使用可能なほど活性を持っているの?いずれにせよこんな一元的に語れるような効果じゃないと思うぞ。
ヨードの構造を解明し、コロイド技術によって「無機ヨード」を「有機ヨード」に
変えることに成功した医学者がいます。
現在、世界にただ1人、30年間にわたり、有機ヨードを生産している医学者がいます。
何度かの薬事法の改正により、薬の生産に関する設備の基準を維持する為にかかる
膨大な費用が必要となり 認可を返さざるおえなくなりましたが
その後は 試薬として小さな研究室でごく少量の生産をしてます。
なんだか突っ込み処ありすぎて困っちゃうが、とりあえず最後の部分だけ。ここでナニを言おうが今は試薬として扱っているだけで一般に市販していないから薬事法違反にあたらないもんねーということを言っているのだろう。
この下に、「ヨード剤に就いて」という聖マリアンナ医科大学名誉教授医学博士・飯島登氏の文章があったりしたが、どこをどう突っ込めば良いやら。とりあえずそこにも「臨床経験が先行し、…例えばガンに就いては腫瘍の消失するものも見られる。」とかかれているが、論文の紹介はない。
3.乳癌マウスの実験では、ヨード剤の投与は抗ガン作用を認めた。
(1994,3月日本癌治療学会会誌発表)
とあるのみ。ほら、学会発表があるじゃないかと勢い立つ向きには、文春文庫『食べ物とがん予防 健康情報をどう読むか』(坪野吉孝)にある、『健康情報を評価するフローチャート』を紹介しよう。この本はとってもお薦め!我々の身の回りにはんらんする健康情報をどう見極めるかの指針を与えてくれる本である。
簡単なルールをいくつか理解することで、健康情報の信頼性や重要性を、かなり見分けることが出来るのです。(14ページ)
ちなみに効果と解説というページによれば、成分としてクレオソートを含むそうな。征露丸じゃん。木材の防腐剤であり、それこそ発がん性すら示唆されている薬物。市販クレオソート製剤についても歴史的経緯から認められているだけと聞いていたが。本人も「劇薬であり」と書いているが、「それにも拘わらず誕生以来70年余、ネオ・マキスには副作用が全く確かめられない。」などといばるようなことでもなかろう。発がん性ってのは確率的な事象だろうから、単に使用事例の絶対数が少ないだけでは?と邪推してしまう。
というわけで、も、いいや。お腹いっぱい
最後に私からみたらとっても好意的に、真摯になされた、「棲星怪獣もどき」氏のイラク募金流用問題を受けてのコメントを紹介してこの問題をおしまいにする。
翻って『有機ヨード剤(商品名ネオマキス)を「劣化ウランの被害やがん
に効く」としている』という件については、これを信じられた方々に対し、
ジャミーラ高橋さんも含めて、ほんとうに心苦しいのですが、もう少し深
慮されればよかったのに、と思います。
病に苦しみ、そして、苦しむ人を目の前に、藁にもすがりたいお気持ちは
わかるのですが、やはり、それは浅慮に過ぎるのではないかと思います。
-----
この有機ヨード剤(商品名ネオマキス)に関してWeb検索し関連したペー
ジを読みましたが、
http://mypage.naver.co.jp/dna/the_i_001.html
に始まるこの商品説明は、多くの内容が「騙すための嘘」です。
-----
しかし、ヨウ素(ヨード)の力はヨウ素の元素が持つ力でしかありません。
ヨウ素(ヨード)の可能性はまだ深く、これからの研究に期待も寄せられ
ていますが、少なくとも当該ページにある多くの記述は、驚くほど稚拙な
『騙すための嘘』であり、そのために、この商品は非常に疑わしいもので
あると思われます。
どうせ言葉は通じないんだろうけど。
あ、そ。そりゃ良かった。これでようやくみんなこころおきなくものが言えるようになるね。せいぜいきっちり調べてちょうだいね。間違っても英雄扱いで祭り上げないでちょうだいね>報道機関。
あと、与党たたきの道具にするために守ったりしないでね>民○、社○、共○党などのひとたち。あ、野中も仲間だったんだから自○党にもいるのか。
昨日ぼやで重体との報道を見て心配していたのだが。残念だ。合唱。
横山光輝が亡くなっちゃった。69歳であったとのこと。つい数日前のニュースで、高校時代の未発表生原稿が入札にかけられる予定で、1千万を越える評価がついているというのがあり、それに対して不快だとのコメントを出していて、(手塚治虫の芸術志向とは異なり)職人に撤してきたという横山光輝らしさを感じて頼もしく思っていたばかりだったのに。
アメリカ・ニューメキシコの鉱山に三つ子の鉱夫が入っていく。デビュー前の1950年の作品で、水彩絵の具で淡く彩色されている。というもの。それに対して
あげた物なのでどうされようとご自由だが、売りに出されるのは不愉快。1150万円なんて、そんな価値はない。というコメントであった。
記憶に残っている横山作品はいくつもあるが、特に印象の深い作品をあげてみる。
横山光輝と言えば、まず真っ先に出るであろう、「鉄人28号」。であるが、これは私にとっては上の世代の作品。実はあまり印象が深くないのだ。実質最初に触れたのは「魔法使いサリー」なんだろうな。でも、見てたし結構好きだったんだけど、横山光輝という名前は意識していなかった。
著者に若干意識が向いてきたのは、「伊賀の影丸」「忍法十番勝負」といった忍法ものからだろう。それでも小学生時分であったゆえか(立ち読み専門であった故か(^^;)、時に白土三平の忍者武芸帳とあまり区別がついていなかったが(^^;。あ、もしかしたら触れたのは「バビル二世」の方が先だったかもしれない。これははまった。原作コミックは、私は持っていなかったが、友人から借りて読みふけった。アニメもはまったが、原作がたまらなく面白かった記憶がある。
これらの作品のどれも、さらに他にも「マーズ」などのSF作品についても印象は深いが、今に続く影響を与えてくれた作品群と言えば、水滸伝などの中国ものや歴史物、そして三国志だろう。
そもそも人生最初に触れた中国ものは「水滸伝」だったんではあるまいか。たしか小学校時代に公民館みたいなところの文庫にあったもので触れたように記憶している。以後長く(近代以前の)中国のイメージは横山光輝の描く世界の呪縛を受けることになる(笑)。
中国もので特に記憶に残っているのは、「戦国獅子伝」。おそらく当時まだマイナーだった中国戦国時代に題材を取っている上に、ちょっとアダルトな(いろんな意味で)描写とかもあって、大人の楽しみを与えてくれた。
そして「三国志」である。出会ったのは中学のはじめの頃か。三国志の世界自体としては、吉川英治三国志の方に触れたのがに若干先だったのではなかったかな。でもほぼ同時期に読み始めたはずである。当初は一種吉川三国志の挿絵的に楽しんでいた部分もあったかも。しかしだんだんと違いの部分がわかるようになり、横山三国志が吉川三国志にとどまらぬ蓄積をもって描かれていることがわかるようになってくるにつれ、独立した作品として楽しみ、愛着(注)を持つようになってきた。ただいかんせん刊行のペースが私の読書の広がり(に加えて生活環境の広がり)のペースと合わず、後半はフォローしきていないのだが。所有していたのも全60巻のうちの前1/3程度じゃあなかなったかな。ちなみに当時のマイナーな体裁の単行本も、特別なものを読んでいる意識をかきたててくれ、作品に対する愛着を増してくれていたのかもしれない(^^)。
今から見れば解釈などにおいて不満も多いが、なによりも私にとってその世界への扉を開いてくれた貴重な作品である。横山(and 吉川)劉備に対する疑問が、他の多くの三国志を手にとらせる原動力の一つだったように思う。まずはじめに扉が開かれていなければ、疑問や不満すら感じることが出来なかったのである。どんなに感謝しても感謝しきれない作品である。
なお、描写に関してはまた別種の不満もないではない。絵や動作がかなり記号化されているのだ。ただそのあたりもマンガのわかりやすさを目指した「職人」としてのあり方と思えば好ましくもあり、また古典としてふさわしい絵柄とも言える。いや古典というより、一種の「規範」なのだ。少なくとも私の世代までの人間にとって、模倣か超克の対象として聳え立つ存在であるように思う。
最近の著作については正直あまりフォローはしていなかった。でも今も書店で「殷周伝説」の新刊が出ていたように思う。殷周ものにも興味はあるから、いつかまとまったら読もうと横目で見ていた記憶があるのだ。
偉大な漫画人の、突然の死を非常に残念に思う。
一旦終結を宣言したヨウ素剤の件であるが、もうちょっとだけ続ける。「ヨウ素剤が一般的に被曝を防ぐ」という考え方がどうして生まれてきたのか。これについて興味深い事例をみつけた。
下記の引用ページは決して煽情的なものではなく、真摯なページであるように思える。ここでは合原亮一著「原発事故サバイバルハンドブック」より
と引用を明示して、「被曝を阻止」するためのヨウ素剤の飲み方を示してある。
ヨウ素剤の飲み方
被曝が一瞬に生じると仮定して、100mgのヨウ化カリウム剤(例えば、桑根製薬合名会社製「ヨウ化カリウム丸」)を飲むことによって被曝を阻止できる率は、
服用が12時間前=90%
服用が 直前 =97%
服用が1時間後=85%
服用が3時間後=50% です。
その上流を遡るべくとりあえずウェブ上で検索を行ってみると、同じ本から引用を行っている例として、薬の通信販売を行っているページに至った。
緊急事故対策におけるヨウ素剤(内部被ばく障害防止剤)
被曝が一瞬に生じると仮定して、100mgのヨウ化カリウム剤「ヨウ化カリウム
丸」を飲むことによって被曝を阻止できる率は、
服用が12時間前=90%
服用が 直前 =97%
服用が1時間後=85%
服用が3時間後=50% です。
そっくりである。ソースを見るまでもなく、空白の開け方などに至るまでそっくりな記述である。しかしこちらのページでは続けてこのような記述がある。
放射線による緊急事態は発生時(原子炉事故)甲状腺保護としての投与法
さらに下の方にはこのような説明がなされている。
*放射線事故における甲状腺保護作用
FDAは、放射線による緊急事態発生時に甲状腺障害から国民を護る手だてとしてヨウ化カリウムを使用する事が望ましいという最終勧告を出した。
その様な事態は、放射性ヨウ素を含む多量の放射性核種が大気圏中に放出されるような原子炉事故で発生することがある。
放射性ヨウ素は吸収または摂取された場合、急速に甲状腺に蓄積され、有機ヨウ素化合物に代謝される。この有機ヨウ素化合物が長期にわたり甲状腺に残留し、甲状腺結節や癌など局所放射線障害を起こす事になる。ヨウ化カリウムには、非放射性ヨウ素で甲状腺を飽和してそのような障害発現を防止する働きがある。
つまり、その飽和作用で甲状腺が大気や汚染された飲料水、牛乳、食品から放射性ヨウ素を吸収することを阻害し、代わり放射性ヨウ素を体外を体外に排泄させることになる。
出典:薬剤師会雑誌.38(6)545(1986)
すなわち、このサイトでは、ヨウ素剤投与の正確な意味までしっかり触れているのだが、まず一番知りたい項目であると考えられる服用方法を冒頭のもっとも目立つ部分におき、その部分では、最終的な目的である『(甲状腺の内部)被曝を阻止』ということを、かっこ内をのぞいた形で記述している。目的にかなったわかりやすい記述であると思う。しかし、これが次に伝わっるときに目立つ形で書かれた部分だけが独り歩きしてしまったのだろうと思われる。
これをさらに遡った専門家の組織、例えば原子力資料室なんかの言葉遣いでは、安全委員会ヨウ素剤検討会がヨウ素剤服用の基準案にあるように、
原子力安全委員会の被ばく医療分科会ヨウ素検討会は昨12月4日、原子力施設での事故による被曝で甲状腺がんなどが発生することを防ぐためのヨウ素剤服用について、基準案(表参照)をまとめた。
と、原子力施設での事故による被曝で甲状腺がんなどが発生することを防ぐためのヨウ素剤服用
と書かれている。
この専門家らしい、扱ってる現象が見られる条件の限界(放射性ヨウ素の放出が予想される原子力施設での事故による被曝で
)や、細かい条件(甲状腺がんなどが
)を含んだ煩雑な表現が、次の段階ではわかりやすくするために「ヨウ素剤は甲状腺の被曝を防ぎます。」と書かれる。これはもちろん嘘ではないし、論旨を明確に残した上で、大胆に枝葉を切り落としたわかりやすいフレーズである。しかし、これがさらに下流に伝わると、本来大事なポイントでありながらぴんとこない解剖用語である「甲状腺の」をのぞいた形で「被曝を防ぐ」だけを残した形に化けてしまう。こうなると後はもうどんどん独り歩きしてしまうのであろう。
この変貌過程にはトンデモが生まれる構図とも相通ずるところがあったりするのではないだろうか。
科学の言葉を伝達するのは難しい。
気分を変えて。こんな記事があった。
チンパンジーのオスは遊び好き!?学習能力に性差
チンパンジーの母親が子供の前で道具を使うと、雌の子供は熱心にまねて早く習得するのに対し、雄は遊んでばかりで上達に時間のかかることが、米ミネソタ大などの研究でわかった。
男って _| ̄|○
83歳とのこと。高校時代にはニュートンにお世話になりました。また同じく高校時代に地学の関戸先生にお借りした氏の著作は、とっても面白く、ずいぶんと刺激を受けました。科学の面白さをわかりやすく伝えてくださる得難い方々のお一人でありました。合掌。
ヒゲを延ばしてみてわかったこと:セイウチのヒゲの意義
いや、私は剛毛の髪質なんで、ヒゲも全部前に向かって突っ立っちゃうのだ。だもんで、例えば飲み物のカップを口に近づけると、直前でヒゲが感知してくれるのが良くわかる。だから、今目隠しして地面に落ちているマメを口で拾う競技をしたら、ヒゲがないときより速かろうというのが実感としてわかる。
もちろん知識としては知ってたんだけど実感としてね。
後輩がホーガンが好きだったとか言っているのを聞いて、何となく読み返してみた。主題のジェノシスマシン(⇔ジェノサイドマシン)がどんなだったかとか、K理論とかのメインとなる仕掛けは完璧に忘れていたのだが、BIAC(生体相互作用コンピュータ)のイメージだけが残っていて、それがずっと好印象だった。ちなみにこれは脳波によって思い浮かべた概念を読み取って、必要な演算を行って脳にフィードバックするという、まさに脳を拡張するコンピュータ。そーゆーのがあるといいなあ、欲しいなあと思って読んでいた記憶がある(それともホーガンの別の作品に似たようなのがあるっけ?)。
東西冷戦の緊張状態の世界情勢下、東側(ソ連はヨーロッパと極東に分裂。中国、アフリカ、アラブ、極東ロシアなど)に押しまくられている西側(アメリカ、ヨーロッパ、ヨーロッパロシア、オーストラリア&ニュージーランド、日本、『南朝鮮』など)では、かろうじて優勢にある科学技術のレベルをそのまま優位に保つため、政治による科学の動員が行われていた。主人公は、統一場理論を本業としつつもミサイルの誘導だかの仕事をやらされていた理論物理学者。魂までは譲り渡さないぞと研究を続けていた中で、画期的な理論に到達する。
はじめの職場ではその「生意気さ」「非政治性」故に道楽だとばかりに発表の機会をつぶされていながら、その意義に気づいた上層部が本人抜きで勝手にプロジェクトを進めはじめる。怒って飛び出した主人公は、国際的な研究機関に拾われ、そこで何人かの優秀な研究者が観察しつつも説明できずにいた実験結果に理論的な背景を与えるとともに、理論的にも応用的にもどんどんと飛躍を遂げていく。重力制御、時間的遅延無しの「レーダー」システム、任意の特定のポイントにエネルギーを出現させるシステムなどの応用を成し遂げていく中で、再び外部の政治勢力との軋轢が激しくなる…
ってな感じのストーリー。はじめに読んだのは高校生の頃だったと思うが、政治的な要求として『技術』開発の感覚で『科学』に工程表を押し付けることに、ものすごく反発したことを覚えている。実際にそんな経験したこともなかった癖にね(笑)。
今読むと、最後の決着の付け方にはなんとなく青臭さも感じる。また、[以下ネタバレも含む]最後に主人公の決断により、他者の干渉を受けずに実質自律的に活動を続けることとなった「ジェノシスマシン」であるが、それこそ原子力のプラントのごとく当初に想定していなかった環境影響や人体影響が判明してきたらどうなっちゃったんだろうなあ、などと考えてしまったのだった(^^;。
ところで作中何度か「南朝鮮」って単語が出てくるんだけど、これって原語に忠実だから?それとも訳者(「山高昭」氏)の趣味?