美しい死体処理方法入門(8) ノブ式オアシス展足法

k-sugano


ギフ屋展翅堂店主で蝶研サロン主筆の延栄一(のぶえいいち)氏考案の、オアシスを使った目から鱗の展足法があるので紹介する。

オアシスを使った人工蛹室は今では広く普及しているので、くわ馬鹿の飼育部屋にはオアシス転がっているはずだ。
オアシスがない方は花屋さんで売っているので購入すべし。

展足法もいろいろとあるが、もっとも簡単なのはタトウ&脱脂綿でざっと整形して終り(笑)という方法で、大量の標本を作るときや
採集旅行中に宿で作るとき、また、コルリクワガタなどもこの方法で整形することが多い。

まじめに整形する場合、教科書的な展足板(板にコルクを貼ったもの)を使う人はまず居なくて、発泡スチロールやウレタンフォーム
を展足板としている人が多いように思う。

さて、最近の流行は足の高さを揃えることで、これは美しい死体処理方法入門(4)鈴村勝彦氏の展足法にも書いたように、水平に
近い状態で展足されていれば足の長さの差や形態の差が明確に判る。ただし難点もあって、空中に浮かして足を水平にするため
大量に針を消費しちゃう。鈴村氏の場合、1頭に100本近い針を使う場合もある(^^;;

使う針の数を減らして、かつ足を水平にするには、クワガタの胴体部分の発泡スチロールを削る(凹ませる)という方法もあるが、
これもイマイチ、イマニ、イマサンな感じだ。そこでオアシスである(^-^)。

図1に示すように、クワガタの胴体をオアシスに押し付けてピッタシの型をつくってしまうのである。ただし、単純に押し付けると
翅が開いてしまうことがあるので、翅を摘む感じで開かないように押し付けること。

 <図1>

図2、図3のように、胴体が沈み込む部分が凹むので、それを基本として指や箸などでちょっと大きめに凹むように加工し、虫を乗せて針を打ちます。

 <図2>

 <図3>

 <図4>

標本にオアシスの緑の粉が付くのが欠点ですが、これは吹飛ばせば、まったく問題無くおーけーです。



なお、この記事は延栄一氏の許諾を得ております。
ノブさん、ありがとう(^-^)
 

参考文献:「標本サロン4」(2002年5月15日発行 蝶研サロン183号付録)


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