糖質にもいろいろありますが、栄養吸収上の要は何と言ってもグルコースです。
生体内では主にエネルギー源としてクワガタではキチンの合成材料なんかにも利用されて
いると思われます。本来クワガタはどういう形でグルコースの摂取を行っているのだろうか?
朽ち木の中に多量に含まれる成分であるセルロースがその材料である事は容易に推察
されるが、このセルロース、グルコースからできているとこまではデンプンと同じなのだが、
D−グルコースがβ1−4結合という結合をしており、一般的な生物は分解できない。
これを分解できるのはセルラーゼという酵素を持つ共生者の補助による所が大きいと
考えられる。ただし、セルロース以外の糖質(デンプン等)もそれなりに分解吸収可能な消化
吸収系を持っていると考えた方がいいでしょう。
フスママットの場合はどうでしょうか?まず特徴的なのは発酵時の発熱温度の高さです。
これはフスマに含まれる小麦成分に多く含まれるデンプンを基質ベースとした発酵による
ものですが、単なる小麦粉発酵マットとは基質が生成される初期段階のプロセスつまり、
デンプンの分解で大きな違いが発生する。基質ベースとなるデンプンはそのままでは直接
利用不可能なため、酵素(アミラーゼ:デンプン分解酵素の総称)により、分解され、マルトース、
グルコースといった糖になって利用される。もともとアミラーゼは小麦に含まれているため、
小麦粉、フスマともに存在しますが、小麦粉は高度な精製という過程を経たものが多く、
市販されている物の多くでは、含まれていた酵素が活性を失っています。また、アミラーゼ
自体、胚芽部分に多く含まれており、フスママットではこの効果により発酵基質となる
マルトースやグルコースが生産されやすく、その温度上昇は急激であり、ピーク温度も高く
なりやすいと思われる。発酵が終了する=温度が下がる=基質も基質ベースもなくなる。
従って、小麦成分由来のデンプンは発酵後はほとんど期待できない。
では、デンプンのグルコースはどうなったのか?その多くは熱と水と二酸化炭素になって
しまいます。発酵後残ったフスマにも糖質が含まれますから、直接経口摂取されて分解
吸収されるとは思いますが、ススマに含まれる糖質は数種の糖から構成される状態である
ため、その効果はそれなりといったところでしょうか。