脂質ですが、あんまり重要視されないが、意外に重要な栄養素で、生体膜(リン脂質)、
酵素活性剤、貯蔵エネルギー源、ホルモンとして利用される。
大部分は体内合成可能だと思われるが、昆虫はステロール類や不飽和脂肪酸類を体内
合成できないために外部から摂取する必要がある。特にステロール類はエクジソン等の
ホルモン合成において重要である。本来クワガタはどういう形で脂質の摂取を行っている
のだろうか?朽ち木の中にそんなに多く含まれているとは思えない為、たぶん共生菌
(酵母系)から供給を受けていると考えられる。
フスマにも脂質が含まれるが、米糠程は多くない。栄養吸収と成長においてかなり重要な
物質である。脂質自体は発酵等の過程を経る事により酸化され、栄養素としては不適な
状態へと変化する可能性を秘めているが、発酵後もフスマは残る為、それほど酸化されず
に直接経口摂取されるようである。