●「耳をすませば」で使われた背景画
Pictures of Iblard used in "Whisper of the Heart"

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「耳をすませば」の劇中劇「バロンのくれた物語」は、その幻想的なシーンが印象的でしたが、そのシーンを支えたのは井上直久氏の背景画でした。「耳をすませば」制作にあたり、井上氏は60点以上もの絵を新たに描かれたたそうです。それらの絵は「イバラード」の世界に通じるものがありますが、ほとんど「イバラード」の世界そのものであると言った方がふさわしく、実際に両者を隔てる境界はないのかもしれません。

ここでは、「耳をすませば」のために描きおろされた背景画を幾つか紹介していきます。(新着はで表します)


塔のある平原

この絵は、ラピス・ラズリの鉱脈を探す旅に出かけようとする雫とバロンの前に広がる異世界への入口として描かれました。
まさにイバラードの世界を彷彿とさせる雄大な眺めであり、地平線の彼方まで広がる平原のところどころに、塔の街が築かれている風景は壮観です。この世界では、重力は自由に制御出来ることになっているので、塔の街に暮らす人々にとって特に高くて危険ということはないようです。



新月と丘


上昇気流をつかんで旅立とうとする雫とバロンを下から見上げた時の背景として描かれました。白くて巨大な新月が浮かぶ頃、動力系がひずんで数多くの小惑星が丘の近くへ集まってきます。急がねば、とバロンに促された雫は、意を決して空中に飛び出しました。



駅前

駅前を題材にした作品は、これより以前にも何点か制作されています。例えば、井上氏の初期の大作である作品や、その後で制作された作品が挙げられます。今回の映画で使われた作品は、過去の2作品に比べると絵のサイズそのものは小さいですが、大きな背景として映し出されています。駅前空の色は、白と混ぜて作った色を重ねながら、ぼかしてトーンを作ったそうです。



(C)井上直久 NAOHISA INOUE



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