「耳をすませば」には、雫が書いた「バロンがくれた物語」の中の幾つかのシーンが劇中劇として登場しましたが、それらのシーンの背景は画家・井上直久氏が担当しました。井上氏は、長年にわたって「イバラード」を題材にした作品を描き続けており、その緻密で繊細なタッチと雄大な空間の広がりが調和した作風は、独特な「イバラード」の世界を形作っています。
このコーナーでは、「耳をすませば」のために描かれた井上直久氏の絵とともに、「イバラード」の世界を紹介していきます。
●イバラードについて 2000/12/18 ●「耳をすませば」で使われた背景画 2000/12/18 ●背景を浮遊した小惑星 2000/07/31 ●イバラード・ギャラリー 2001/04/12 イバラード・トピック ●イバラード・トピック:パリ展2001 2002/04/12 ●イバラード・トピック:美術館の壁画 2002/11/11 ●イバラード・トピック:ニューヨーク展2003 2003/11/24★ |
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借景庭園 「耳をすませば」の劇中劇で最も印象的かつ象徴的な景色です。 ラピス・ラズリの鉱脈を探す旅に出ようとする雫とバロンの 眼前には、近くのものほど小さく、遠くのものほど大きく見える、 距離感と遠近感が逆転した不思議な風景が広がっていました。 |
井上直久氏 1948年大阪生まれ。画家。1971年、金沢市立美術工芸大学卒。広告代理店(株)大広に入社、デザイナーとして広告デザインおよびイラストレーションの制作を担当する。1973年、大阪府立春日丘高校に美術科教諭として赴任。同年よりラピュタをモチーフに絵を描き始め、教師として勤務するかたわら、異郷「イバラード」をテーマとした作品を制作。1974年以降は毎年個展を開催し、その独特の世界を発展させていく。1992年、春日丘高校を退職、以降は作家として制作に専念し、現在に至っている。 これまで刊行された出版物には、絵本『イバラードの旅』(講談社,1983)=講談社絵本新人賞受賞=、『イバラード博物誌』(架空社,1994)、コミックス『イバラード物語 ラピュタのある風景』(青心社,1995)、『空の庭、星の海(イバラード博物誌U)』(架空社,1997)、『ジパングの岸辺(イバラード博物誌V)』(架空社,1999)等のほか、音楽CD、立体視出来る3Dイバラード、CD-ROM画集やプレイステーション用ゲームも発売されている。また、映画「耳をすませば」の公開に合わせて、映画の中で使われた絵を中心に収録した『「バロンのくれた物語」の物語』(徳間書店,1995)も発売されている。 |
※このコーナーで紹介している絵画は、井上直久氏より掲載の許諾をいただいています。
転載・再配布を希望される方は別途相談下さい。
(C)井上直久 NAOHISA INOUE