ログハウスの施工7
一階間仕切り壁を立てる

ここではログ壁に絡む間仕切り壁の施工を説明します。まず、図面より寸法をひろって、地墨を出し、水平器か下げ振りでログ壁に墨を立ち上げます。チェーンソーで切り込みを入れていきます。

切り込みの入ったログ壁です。

間柱がほぼ垂直に立つようにひどくでっぱった丸太を欠き取ります。次に間柱に縦長の溝を掘り、三寸釘で丸太に止めます。丸太は乾燥と圧縮で数センチも下に沈み込んでいくので、釘も一緒に下にずれていきます。そのためにこのような加工が必要になります。また、この釘は間柱を固定するためではなく、仕事中に倒れてくるのを防ぐためのものですので、強く打ちこんではいけません。

このログハウスの室内の間仕切り壁はこのトイレ部分だけです。またロフトがありません。ロフトがなく、間仕切り壁がずっと上の天井まで立ち上がらずに写真のように、途中で終わってしまう場合は(このトイレの)天井の作り方には注意が必要です。間柱の上の高さで野縁を回して、天井を作るのですが、不用意に向こう側の野縁を丸太に止め、こちら側は間柱に止めるたりすると、向こう側の二辺はセトリングによって7?8センチも沈み、こちら側の二辺はまったく沈まないのですから、やがて天井は歪んで壊れてしまいます。このように、ログ壁に絡む仕事はつねに丸太が沈んでいくことを考えなければなりません。

普通は間仕切り壁が天井まで立ち上がっていますから、左図のような方法でセトリングに対応します。青い部分がセトリングスペースです。もちろん、これはログ壁に乗っている天井が沈み込む一階の間仕切り部分のことで、ロフトに作る間仕切り壁は一般住宅と同じ施工でかまいません。

この写真が二階のある場合の間柱の建て方です。床から立ち上がっている間柱の上には約10センチのすき間を作ってあります。


上記の間柱に、建具を入れて板を張り上げたところです。

少し色の濃いところがすき間を隠してある、セトリングボードです。この場合のセトリングボードは上部のみ打ちつけられています。メンテナンスを考えると、ここはビス止めのほうが楽です。