ログハウスの施工3
屋根を掛ける

 

建て方が終わったら、次に屋根を作ります。写真は2*6材を垂木に使っています。

垂木を掛けるのにはやはり、人数が必要になります。小さな家でも、最低3人は欲しいものです。

垂木の頂点は左右の垂木を抱き合わせて、ビスで縫ってしまいます。勾配に切って突きつけてもよいのですが、このほうが仕事は早くなります。桁や母屋、棟木には3寸釘で斜め打ちします。この垂木の上には野地合板(1820*910)を使うので、垂木のピッチは455ミリになります。コンパネ(1800*900)を使う場合は450ミリピッチです。

棟木に止められた、垂木の部分です。棟木には天井板を飲み込むように段欠きが作られています。このように、棟木、母屋、桁などに天井板の飲み込みを作っておくと、天井を貼るときに非常に楽になります。また、丸太にこのような段欠きをしない場合は天井板より厚い材料を垂木を掛ける前に、スペースボードとして打ちつけておきます。

垂木を打ち終えたら、桁の上に、面戸板を打ちます。このログハウスは屋根内部の換気(結露防止と夏場の温度上昇を防ぐために軒天井から、空気を取り入れ、屋根内部を流して棟で抜く)をするので、面戸板は垂木より成(幅)の狭い2*4材を使用して空気の通り道を作りました。

面戸板を打ち終えたら、今度は垂木の鼻先を切りそろえ、鼻隠しの板を打ちます。今回は2*8材を使用しました。釘はステンレスのねじ釘を使います。普通の丸釘では錆びがでてきてすぐに汚れてしまいます。このときまでに、足場が必要になります。

鼻隠しの次には破風板を打ちます。これも、垂木より幅のある、2*8材を使用しました。

次に、破風、鼻隠し材より、外に30ミリ持ち出して、広小舞を打ちます。広小舞には、1*4材を使用しました。

これで、屋根の軸組が終わりました。

最後に、野地合板を張り上げます。ログハウスの内外装は板張りが多いので、コンプレッサーとネイラー(釘打ち機)はどうしても欲しい道具のひとつです。野地合板を打ち終えたら、なるべく早くアスファルトルーフィングを貼ってしまいます。アスファルトルーフィングだけでも、ほとんど雨漏りはしなくなります。アスファルトルーフィングは屋根屋さんの仕事ですが、丸太屋では自分たちで貼ってしまうことも多いのです。

屋根の作り方は住宅の規模、勾配が違っても基本的には同じです。この写真は上山田の住宅の写真です。垂木は2*8,鼻隠し、破風板は2*10材です。

屋根に谷がある場合の垂木です。谷木を丸太で加工する場合もありますが、このようツーバイ材を抱き合わせて使ってもよいでしょう。

天窓がある場合は野地板を張り終えたらすぐ、取り付けてしまいます。ストーブの煙突が屋根に出る場合も煙突を取り付けておきます。

ここまで終われば、あとは屋根やさんの仕事です。

コロニアル材の屋根を葺き終えたところです。頂部のでっぱりが棟換気です。

天窓の外部です。積雪地帯では天窓の上部には雪が滑り落ちるようにジャンプ台をつけます。

棟換気、天窓、煙突の下地ができているのがわかります。白い紐で吊られている2*4材は屋根屋さんが使った足場の残りです。ここに、ステージを組んで煙突外部の仕上げができるようにします。


煙突のウェザーカバーが乗り、煉瓦タイルで仕上がりました。