想い出よ、今晩は! ★★★
(Buona Sera Mrs. Campbell)

1969 US
監督:メルビン・フランク
出演:ジーナ・ロロブリジーダ、ピーター・ローフォード、テリー・サバラス、リー・グラント


<一口プロット解説>
3人のアメリカ人からそれぞれ自分が父親であると思わせて、娘の養育費として20年間お金を巻き上げていたジーナ・ロロブリジーダが住む町に彼らがやって来るが・・・。
<雷小僧のコメント>
イタリアの女優の中には、どうも日本人の好みには合わないのではないかと思えるような人が多くいて、たとえばソフィア・ローレンだとかアンナ・マニャーニとかが本当に好きな人は意外に少ないのではないかと思いますがどうでしょう。また、最近復活したビルナ・リージのようなもともとアイドルアイドルしていたような女優さんにしても今一つ”うーーーーーん”と思ってしまうのは私目1人でしょうか。それに対してジーナ・ロロブリジーダはクラウディア・カルディナーレとともに最も日本向けのイタリア女優と言えるのではないでしょうか。「想い出よ、今晩は!」は、陳腐な言い方をすれば、ジーナ・ロロブリジーダが出演した英語映画の中で、最も彼女の魅力をよく伝えている映画だと言えるように思います。とにかく、屈託のないことこの上ない映画で、ジーナ・ロロブリジーダがテリー・サバラス、ピーター・ローフォード、フィル・シルバースという3人のアメリカ人を手玉に取って何十年もの間金を巻き上げるという話は痛快この上ありません。また、話のテンションがあがると何故か突然イタリア語に変わってしまうのは、日本人から見ると英語が相当テンションが高いように思えるのと同じように、アメリカ人にとっては、イタリア語がテンションが高い言語だと思われているということを証明しているのではないでしょうか。これは、他のイタリア俳優の出演する米国産コメディ映画でもしばしば見られる現象なので間違いのないところだと思われます。またあるシーンでバート・ランカスターの出ている西部劇(恐らく「ビッグトレイル」(1965)でしょう)がイタリア語に吹き替えられて放映されているのを子ども達が見ているシーンがありますが、私めにはこれが何故かおかしくて仕方がありません。いずれにしても、この陽気この上ない映画は、たとえばW杯で日本が決勝進出の道を絶たれたなどという考えて見れば当然の結果に意気消沈しているような時特効薬となるでしょう。最後に一言、リズ・オルトラーニによる主題歌も映画自体に負けず劣らず陽気で楽しい音楽です。一般的には、基本的にこの類のスクリューボールコメディは余り高く評価されないのが普通ですが、個人的には非常に高く評価しています。

1999/04/10 by 雷小僧
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