The Tender Trap ★★★

1955 US
監督:チャールズ・ウォルタース
出演:フランク・シナトラ、デビー・レイノルズ、デビッド・ウエイン、セレステ・ホルム

左から:デビッド・ウエイン、セレステ・ホルム、フランク・シナトラ、デビー・レイノルズ

個人的には、文字通り3度のメシよりも好きな作品です。タレント養成所?に勤め、ガールフレンドを取っかえひっかえしながらニューヨークで優雅な毎日を送っているモラトリアム人間型の主人公(フランク・シナトラ)が、結婚して正確に3人の子供を持ち、足が地についた生活を送ることに憧れる歌手の卵(デビー・レイノルズ)にちょっかいを出し、逆に彼女にいわば飼い慣らされて最後にモラトリアム状態を脱するという、基本的には実に他愛もないロマコメが繰り広げられます。舞台はほとんど主人公の住む豪華マンションの一室に限られ、ほぼ会話が全ての作品であると見なしても差し支えないでしょう。フランク・シナトラの歌う主題歌「(Love Is) The Tender Trap」がオスカーにノミネートされ、スタンダードナンバーの1つとして日本でも聞く機会があるにも関わらず、残念なことに、映画作品としては日本ではどんなメディアでもまだ紹介されていないかもしれません。個人的には、この手の会話主体の作品に目がないこともあり、少し残念なところです。主演二人に加えて、共演もなかなか素晴らしく、殊にデビッド・ウエインとセレステ・ホルムが光っています。ドンチャン騒ぎの翌朝に、前者が二日酔いの状態でトマトジュースの缶を抱えて檻の中の熊のように部屋の中をウロウロするシーンがありますが、どこの国でも似たようなことをしているものだと妙に感心させられます。セレステ・ホルムは、80年代にはレーガン大統領にアート関連のポストに指名されるまでになる女優さんであり、主演の一人デビー・レイノルズよりもむしろ目立っています。そのデビー・レイノルズは、彼女にしては珍しく、ここではかなり抑え気味に見えます。最初に登場するシーンは、彼女お得意の舞台の上のシーンであり、歌って踊ってをさっそく披露してくれるかと思いきや、あっさりと次のシーンに切り替わってしまいます。他にも、チャーミングなレディ達が目白押しで、若き日のローラ・オルブライトや独特な目の表情がチャーミングなキャロリン・ジョーンズが彩りを添えています。


2001/02/25 by 雷小僧
(2009/01/06 revised by Hiroshi Iruma)
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