The Night They Raided Minsky's ★★☆

1968 US
監督:ウイリアム・フリードキン
出演:ジェーソン・ロバーズ、ブリット・エクランド、エリオット・グールド、ノーマン・ウイズダム

左より:ブリット・エクランド、ノーマン・ウイズダム、ジェーソン・ロバーズ、
ハリー・アンドリュース

「The Night They Raided Minsky's」は、ハロルド・ピンターの映画化「The Birthday Party」(1968)などとともに、「フレンチ・コネクション」(1971)や「エクソシスト」(1973)で知られるウイリアム・フリードキンの最も初期の監督作品です。ハワード・ホークスが、フリードキンは才能があるのにえげつない映画を撮ったとどこかで述べていましたが、そのえげつない映画とは、まさにこの作品のことなのです。いわゆるブルレスク劇場に舞台が置かれ、ストリップショーがいかにしてそこから生まれたかを示すストーリーが展開され、最後はブリット・エクランドの胸ポロリというお楽しみもあります。その点を指して、ホークスはえげつないと評しているのでしょうが、いずれにしても、猥雑で賑やかなブルレスクショーの雰囲気が見事に表現されており、ノスタルジックな気分に浸れることには間違いがありません。フリードキンの初期の作品であるとはいえ、ジェーソン・ロバーズ、ノーマン・ウイズダム、エリオット・グールド、ハリー・アンドリュース、デンホルム・エリオットなどのクセのある俳優が演じている登場人物たちが織り成すドラマにも、見るべきものがあります。しかしながら、野郎オーディエンスにとってのお楽しみは、前述した胸ポロリはオマケであるとしても、やはりブリット・エクランドでしょう。彼女は、どこか間の抜けた雰囲気を持っていて、007シリーズの「黄金銃を持つ男」(1974)では、世にも珍しき間抜けなコミック調のボンドガールを演じ、それがまたよく似合います。「The Night They Raided Minsky's」では、間抜けな役というわけではありませんが、ブルレスクショーという華麗な世界に何とか飛び込もうとする、田舎から出てきたばかりの純朴な少女を好演しています。因みに、この少女はアーミッシュの家庭に生まれたという設定のようです。アーミッシュとは、プロテスタントの一派のことですが、戒律が厳しく、何と!現代でも電気のない生活をし、馬車に乗っているそうです。そのような家庭に生まれた少女が、家族に反抗してブルレスクショーでストリップを始めたというところが、ストーリーの1つのポイントでもあります。


2001/05/20 by 雷小僧
(2009/03/29 revised by Hiroshi Iruma)
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